赤旗読者通信のページ
2004年9月12日号

憲法9条は、平和を求める世界の流れの中で生まれた

「憲法9条を世界に広めよう。憲法改悪を許すな」と、日本共産党富山県委員会は木島日出夫前衆議院議員・弁護士を講師にサンフォルテ(富山市)で憲法学習会を開きました。小矢部市から参加した方のうち2人から感想を寄せてもらいました。


「改悪」を許さず、世界に広めることこそ

憲法が危ない。憲法が制定されて58年、憲法とともに生きてきた私たちの世代からみて最大の危機を感じる。参議院選挙が終わって、一層加速されている。

「改憲」勢力の焦点は9条と前文にあることは論を待たない。国政選挙がない07年にぴたりと照準をあわせている。

自民党は自衛隊を軍隊に、「集団自衛権の行使」を可能にし、05年中に改憲案をつくる。

民主党は「国連決議」の下で軍事行動に参加できるように、06年を1年前倒しして競って改憲案をつくろうとしている。

公明党は国連活動への参加など国民世論の模様を見ながら10月の党大会できめる。

マスコミ報道も憲法「改正」は当然の立場にある。

憲法9条は戦争の放棄をうたい、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあり、憲法制定の前年に誕生した国連憲章の文言が生かされている。戦争の違法化を先駆的に唱えたものといえる。

「改憲」論者なかには“いまの憲法はアメリカに押し付けられた憲法だから、これをやめて自主憲法をつくってこそ、日本は一人前になれる”という議論がある。この間違いは「改憲」論がどこから生まれてきたかをみればはっきりする。

日本国憲法は475月に施行されたが、その翌年からアメリカ軍部と政府は日本の憲法を何とかしなければ、ということで485月米ロイヤル陸軍長官は、国防長官宛覚書「日本の限定的再軍備」の答申をした。

実際1950年朝鮮戦争がはじまったとき、マッカーサーの命令で日本に警察予備隊をつくらせ、54年に自衛隊に改組された。

60年の新安保条約は「日本有事」の際の日米共同作戦と極東条項で、日本の戦争参加を可能にすることを追求した。

96年の日米安保共同宣言では地球的規模での協力を約束し、最近では海外派兵の根拠は小泉流の「日本はアメリカの同盟国だから」という単純なものだ。

しかし、海外での武力行使の禁止(憲法9)が最後の足かせになっているから、取っ払おうというねらいなのだ。

アメリカの次の注文は自衛隊を軍隊に変え、戦争のできる状態で、海外派兵を望んでいる。

ブッシュのイラク戦争をめぐる国連安保理と世界の動きは「平和の国際秩序をまもれ」の声が大きく響きわたった。反対、不賛成が圧倒的多数であった。

「改憲」のくわだてを阻むために、一人ひとりできることを、いますぐ始めなければの思いでいっぱいである。(60代・Y生)


できること、すぐ始めたい

 

どんな強大な軍事力を持ってしても他国を支配できないことは、最近のアメリカのイラク戦争を見ても明らかです。

アメリカのお膝元の中南米では国民の選挙による選択でアメリカの一国支配から脱却し、自主的な国づくりが前進しています(ベネズェラ、ブラジル、アルゼンチン、エクアドル等々)。

今週の日曜版でも紹介されているように、アジアでは第三回政党国際会議が開かれ、35カ国の与党、野党を問わず81政党の代表が一堂に会して、国連憲章を原則に話し合いで紛争や諸問題を解決しようと言うことを再確認しました。

世界がこのような方向で大きく動いているときに、憲法九条を持っている日本がもっともっと積極的な役割を果たせるはずです。

ところが自民党や公明党、民主党が憲法九条改悪を競い合っています。世界の動きが見えず、アメリカしか眼中にない、情けない態度です。

憲法九条を守る運動を強めていきたいと思います。              (砂田喜昭)

 

これが日本国憲法第九条

第二章 戦争の放棄

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 



赤旗読者通信のページへ戻る

砂田喜昭のホームページへ戻る