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2004年5月23日号

市長交際費 無駄づかいが多すぎる

「市民オンブズ小矢部」再度申し入れ

国会議員を税金で接待

名前すら明かせないとは!

「市民オンブズ小矢部」(代表美谷克己氏)は5月14日、大家市長に対して、市長交際費などに関する回答に誠意が感じられないと、再度回答するよう申し入れました。

「市民オンブズ小矢部」の申し入れは3月9日に行われ、4項目12カ条にわたる具体的な改善策を提案したものでした(『赤旗読者通信』3月14日付で報道)。大家市長は口頭では具体的に答えていましたが、今回寄せられた回答はきわめて抽象的一般的な心得を繰り返したものにすぎませんでした。監査委員が交際費の「支出の許容範囲の明示」を市長に対して要望しているのに、これにはまったく答えていません。使途の公開も約束していません。国会議員等を接待したことにもまったく反省が見られません。

今回の申し入れに対して大家市長は、他市とのなみあいも見ながら、(交際費をめぐる)判例に違反しないようにすべきだとして、回答を事務当局に指示しました。また、前回の申し入れを受けて市長車などの運行記録をつけるようにしたことも明らかにしました。

 

不当な支出例

国会議員との懇談 2002年度に2回も

2002年度の市長交際費で国会議員との懇談会が2回も開かれました。これは2000年度、2001年度にはなかったことです。

1回目 2002年5月7日 東京・「赤坂小みや」で13万9650円支出。参加者8名で、ビール6本、日本酒21本。

2回目 2003年2月1日 市内の料亭で10万6722円支出。参加者14名でビール12本、日本酒24本。

いずれも参加した国会議員の名前は非公開。

 

この問題について、「市民オンブズ小矢部」は1月28日付で監査請求をしていましたが、3月29日付で監査委員より「違法性はない」との通知がありました。これに対して監査結果に承服できないと、次の申し入れをしました。

 

3月29日付「小矢部市職員措置請求にかかる監査結果について」は、監査委員が行政の言い分をそのまま鵜呑みにしており、これまでの判例などにてらして「公益性の有無」を独自に判断したとはとうてい言えない。「市民オンブズ小矢部」として問題点を指摘し、厳正な監査をされるよう申し入れるものである。

(1)まず2002年5月7日の国会議員との飲食を伴う懇談会について、行為のあった日から1年を過ぎている、情報公開条例に基づく請求をすれば情報を入手できたはずだからとして審査しなかった。しかし、2000年度、2001年度と情報公開で市長交際費の使途を調べたが、国会議員との懇談経費の支出はなかった。したがってまさか2002年度になって、国会議員と飲食を伴う懇談会経費を市長交際費で支出していると予想することができないのは、自然の成り行きである。

監査委員としては、東京赤坂での飲食を伴う国会議員との懇談について、行政効果がどのようなものであったのか、公益性があったのかを調査検討することは、市民の税金が正しく使われているかを監査する職責からいって、市民から指摘されなくても監査すべきことである。

飲ませないと動かない国会議員?

(2)次に2003年2月1日の件について

第一に、監査委員の回答は、官官接待、宴会政治の復活を是認するもので、とうてい納得できない。行政課題について協議するために、飲食が伴わないと率直な話し合いができないなどということは、社会通念上許されないことである。重要な問題について相談するときに、酒を飲んで交渉するなどということは考えられない。国会議員等に飲食を提供して行政機関に圧力をかけることを期待したとすると、それこそ買収政治でないか。

したがって、市長はこれらにかかる経費を市に返還すべきである。

第二は、この宴会が公益性を有するかどうかである。国道359号線に係る道路行政課題について、国会議員等との十分な意思疎通を図るために開催したものであるというが、その課題とは何なのか。なぜ国会議員等と意思疎通を図ることが大事なのか。接待した国会議員は誰で、彼がどこに、どんな働きかけをしたのか。その結果、道路行政課題がどのようになったのか。これらが明らかになっていないにもかかわらず、「今回の懇談が公益性を有しないとは言い得ない」とどうして判断できるのか。この懇談が公益性を有していると、具体的に証明できて初めて、違法性、不当性がないことの証明になるのではないか。

第三に、出席者の地位・立場を考慮し、敬意を払う必要もあるとして、この支出を是認しているが、国会議員に敬意を払うことが、彼の飲食代を小矢部市で負担することにどうしてつながるのか。その国会議員は、ただで飲ませてもらわないと敬意を払われていないと考えるのか。

 

「市民オンブズ小矢部」は以上の問題点について監査委員が市民に納得のいく説明をされるよう求めるとともに、監査委員が求めた交際費支出の適正な執行、許容範囲を明示する何らかの基準などについて、市長がどのように対応するか、市民とともにひきつづき厳重に監視していきたい。



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