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2004年2月1日号

市の将来をどうするか

行革推進市民委員会で議論始まる

小矢部市行財政改革推進市民委員会の第1回会合が1月26日、市民、報道機関に公開して開かれました。25名の委員の内公募によるのは4人、女性は6人です。委員長は萩野聡富山大学教授です。第1回会合で出された主な意見をテーマごとに整理して紹介します。

 

市職員削減の是非

S委員 職員を減らして、仕事がまわっていくのか。たくさん建物を造ったし、津沢コミュニテープラザではパートが増えた。職員削減しても、別の部分で経費が増えていないのか。

M委員 職員削減もあるが、専門分野に精通した職員の採用、人事異動が大事でないか。

T委員 民間の知恵を活用してほしい。60歳代、70歳代の元気な市民を活用する、市役所や民間の退職者の専門能力を生かすなど。パートの活用も。民間企業と人材を相互に交流するなど。

人口減と子育て

Y委員 人口減(10年後には3万人に減ると推計)が不安材料。

I委員 急激な人口減に驚いた。

G委員 子どもを増やすとなると、保育が大事になるのではないか。

S委員 子どものための話をするのにこのように高齢の委員ばかりでよいのか。保育園児や小学生を持つお母さんの意見や、介護される人など異世代の声を聞くことが大事でないか。

H委員 人口減は結婚しないから。若者が定着する方法を探りたい。「人を増やそう」運動など。私ら60歳代のものは、20歳、30歳代を経験している。若い人たちも私らにどんどんぶつかってきてほしい。

T委員 少子化対策では、若者が「小矢部に住みたい」「遊びたい」となるように、建物ばかりでなくソフト面で考える必要がある。

N委員 この委員会は夢を語る場にしたい。たとえば「定住を条件に保育料をゼロに」など思い切ったことができないか。

行革の進め方

S委員 年度初めを9月にすれば、年度末が夏になり、雪がないから年度末に集中しがちな工事のロスが少ないのではないか。

K委員 行革と言うことで過激なことをどんどん進めると、世の中が冷え切るのではないか。

M委員 行革は小手先の手直しではだめで、一つのシステムを作る、新しいやり方が必要だ。その意味では過激な提案をやろう。

Y委員 パブリックコメント制(注)はよいが、市民からなかなか返事が返ってこないのでは。メールを使えない人もいるし、メールの普及率は?。単独市政を選択したのだから、「山椒は小粒でぴりりと辛い」のたとえのようにしたい。

H委員 私は福祉の分野から委員に出ている。それぞれの持ち場から考えていけばよいのではないか。

地域の将来は?

Y委員 商業が低迷し、石動の町など寂しい。活性化に努力したい。

U委員 地域の魅力(すばらしい小矢部市)を語ることで、力がわいてこないか。それを子どもらに教える。お母さんは忙しい。職場、スーパー、保育所を毎日くるくる回っている。ふと空をみたら星が輝いていた、下を見たら草が目にはいる。こんなことも大事ではないか。

I委員 将来、市をどうすればよいか考えていきたい。プラスにはマイナスがついて回る。他市への松下電器の進出で雇用が400人増えると言うが、IT産業は熟練が必要で、地元雇用は100人程度ではないか。

S委員 リストラが進んでいる社会で夢を描いてもどうか。どう我慢するかが大事ではないか。食べずに捨てる食生活をどうするか、方向性を出したいが、1年ぐらいの間でなるのかとも思う。


解説

市民生活に即した議論に期待

市の将来をどうするか、若者が住みたいまちづくり、子育てしやすいまちづくりなど真剣な議論が続きました。国税、県税を含めて市民が納めた税金をどのように使うのか、何を削って市民の暮らし、福祉、教育などに有効に生かすのか、市民生活の実態に即した議論が今後期待されます。

公共事業を評価できる資料提供が不可欠

今回は、行財政改革の主要課題の一つに、投資的事業(公共事業)のあり方があげられています。この面からの議論を深めるためには、市当局が、市民委員会に対して、小矢部市が抱えている具体的な公共事業の計画、問題点をきちんと報告することが欠かせません。これまでにつくった施設の活用状況についての具体的な検討によって、教訓を明らかにすることも大切でしょう。

 


パブリックコメント制とは

市民委員会は6月までに中間報告をまとめ、公表し、それに対する市民の意見を公募します。その意見について市民委員会で議論し、見解をまとめ、公表します。市の基本方針を決める際に、市民の声を取り入れる一つの手法です。



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