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2003年11月23日号

桜町遺跡
発掘、ひとまず完了
保全、
今後の重要な課題

桜町遺跡調査は、国道8号線南側2車線部分での現地発掘調査が今年の夏で完了し、2006年度までに出土品の整理や調査成果をまとめた発掘調査報告書の作成をすすめることになります。この調査は1980年に国道8号バイパス建設に伴う調査として開始され、1988年から現在の8号線南側部分の調査に着手し、北側2車線工事のために調査中断した5年間をのぞき、9年にわたる現地調査が完了しました。

この間の調査で、縄文時代中期の高床式建物の柱材や、コゴミなどが出土し、縄文人の建築技術、土木技術や食生活を知る上で貴重な資料が得られ、全国から注目を集めました。

現在暫定的に国道として使用している区間の調査はまだ行われていません。ここの調査は未定です。将来交通量が増大し、国道8号線を4車線にするときに、調査にとりかかることになります。

地下水位の監視継続を

遺跡調査は、現在の世代ですべて行う必要はありません。ただ、将来にわたって、貴重な資料が腐敗せずに残っていることが重要です。

四千年前の木製品や有機物が残っていたのは、豊富な地下水につかっていて、腐食を免れたからです。このため国土交通省はこれまで地下水位の監視を続けてきました。しかし、これが今年度いっぱいで終了すると言われています。

9月議会桜町遺跡特別委員会で、砂田市議は、「現地での調査が完了したと言っても、国道8号線北側2車線部分は暫定使用である。暫定使用期間は国土交通省が、地下水位の監視を続ける必要がある」と主張しました。

大家市長は、「国土交通省に継続を求める」と答弁しました。

桜町遺跡の今後について、市民や専門家の意見を交えて、考えていく必要があります。現地に発掘調査当時の模様がわかる写真や絵などの展示をするとか、桜町遺跡の調査を通じて縄文時代の何がわかり、今後解明しなければならない課題は何かを明らかにするシンポジウムを開くとか、やるべきことがたくさんあります。


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