赤旗読者通信のページ
2003年11月2日号
行政視察報告
豊橋市の「市民参加の都市公園づくり」
市議会産業建設常任委員会の行政視察で10月20,21日、愛知県豊橋市と知立市へ行ってきました。豊橋市での「市民参加の都市公園づくり」について報告します。
旧北陸中央病院の跡地活用を市民参加で考える上でもたいへん参考になりました。
計画づくりに1年がかり
6グループで7回の会合
「ジャンボ公園」といわれていた約5千平米の都市公園をつくりかえるのに、市民参加で計画づくりからはじめ、完成後は地域住民で維持管理されているものです。
計画づくりには2000年度1年間かけました。5月から11月まで月1回のペースで6つのグループに分かれて7回の会合を積み重ねました。市民グループと行政、コンサルタントの三者が同じテーブルにつき、デザインゲーム手法で「どんな公園にしたいか」「どんな施設がほしいか」などを話し合い、6つのグループそれぞれが図面を描く「起こし絵づくり」をやり、それをみんなに発表してみんなで評価する、それをもとにコンサルタントが公園模型をつくる、というものです。
市民グループの中心になったのは県主催の「人に優しい街づくり講座」の卒業生らと、「ジャンボ公園」周辺の2町内に参加を呼びかけました。企画、運営、進行はすべて市民グループ自身で行い、行政は助言するにとどめ、できるだけしゃべらない、質問に答えることに徹したとのことです。
市民参加での話し合いのルール
人の意見を否定しない、
最後まで話を聞く
いろんな意見が出され収拾がつかなくなるのではと懸念されますが、最初に話し合いのルールをみんなで確認してすすめたそうです。そのルールは、人の意見は否定しない、人の意見は最後まで聞くというようなものです。運営で心がけたことは次の点だといいます。
@長老や声の大きい人の意見が通ってしまうことを防ぎ、みんなの意見が出せるように、知らないもの同士でグループ分けをしました。
A自分の意見が100%通らなくても、話し合えたことが楽しかったとなるように心がけました。
B最初に全員が自分の意見を紙に書いて発表(ポストイットというそうです)するようにしました。アドバイザーがそれぞれの意見を、「これが似ているね」と分類し、参加者がよいと思うものに手を挙げて、多いものを残していくというようにして、話をまとめていったそうです。
C毎月の会合の後、ジャンボ公園ニュースを発行し、すべての住民に各グループの案や話し合いの内容を知らせました。
「デザインゲーム手法」というのはアメリカで話し合いをするやり方として開発されたそうです。アメリカは銃社会で、気に入らない意見が出されると銃で撃つということが起きたので、考え出されたやり方だとの紹介は、たいへん興味のある話しでした。
市民参加で計画づくりを徹底していこうという姿勢には、たいへん学ばされました。