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2003年10月号

散居村で、市営の合併処理浄化槽を

快適な生活をおくるためにも、きれいな河川を取り戻すためにも、下水道の普及が急がれます。

小矢部市は1982年度から下水道整備に取りかかり、2002年度末の下水道普及率は44%ですが、県平均65%に比べ、依然として遅れています。

下水道計画の見直しを

9月市議会で砂田市議は、「これまでの公共下水道(農業集落排水事業なども含む)中心の下水道計画を見直すべきだ」「散居村では小矢部市が個人住宅に合併処理浄化槽(トイレ、台所、洗濯、風呂などの生活排水をまとめて浄化する)を設置し、その維持管理にも責任を持つ国の補助事業を、下水道計画の一つとして取り入れるべきだ」と提案しました。

合併処理浄化槽の工事費は割安

これまでの公共下水道計画によれば、散居村を含む市内全域の各家庭からの生活排水をパイプで一ヵ所に集め(公共下水道の場合は高岡市二上の最終処理場、農業集落排水事業の場合は田川地区など各地区に設置)、浄化処理し、河川に放流します。このやり方では、散居村の場合、各家々から生活排水を集めるパイプが長くなり、一戸あたりの工事費が500万円から900万円と割高になります。一方、各家庭に合併処理浄化槽を設置するやり方では100万円あまりと割安です(グラフ1参照)

使用料だけでは下水道維持費もまかなえない

小矢部市はこれまでに下水道関連だけで160億円を超える借金をし、下水道の使用料収入(年間1億7千万円)だけでは維持費(5億4千万円)すらまかなえない状態に陥っています(グラフ2参照)

市財政への圧迫を軽減できる

このような現状から、正得、若林、水島、荒川地区などでは、いままでの公共下水道待ちではいつになったら実現するか、全く見当もつきません。

砂田市議の提案は、市財政への圧迫を軽減し、散居村でも早く快適な生活をおくれるようにするものです。各家庭に設置する合併処理浄化槽に市が補助する制度はすでにありますが、今回の提案は市営の合併処理浄化槽で、個人負担がこれまでの6分の1で済み、維持管理も市が直接管理することになります(グラフ3参照)

市 メリット認めるも消極的

当局は、「散居村地区についても、県で制定された小矢部川流域下水道計画区域内となっていることから、今後、国の指導も受けて、県とも協議しながら整備していきたい」とこたえるにとどまりました。市長は「かねてから下水道については疑問を抱いており、問題も把握している」としながらも、「浄化槽が安くなるのは間違いないが、市民も、行政も、それを支える産業界も合意してすすめてきた約束があるので、革命のように明日から下水道を止めたというわけにはいかない」とこたえました。

 



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