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2003年9月21日号


「せんせい、こっちむいてよ」
子どもの願いにこたえるために
30人学級をぜひ
みんなの会の教育懇談会

 みんなの会小矢部(明るい富山県政をみんなでつくる小矢部の会)は敬老の日の9月15日夜、石動コミュニティーセンターで、「せんせい、こっちむいてよ」をメインテーマに教育懇談会を開きました。
 はじめに高岡市内中学校の先生松田理恵子さんが、外から見えにくい中学校の実情を語りました。
先生
生徒とふれあう時間が少なくなった

 ある担任の例では、授業など「持ち時間」が週22時間で、校務や教材準備に当てることのできる「空き時間」は週6時間しかないことが多忙感の第一。
 給食や昼休みは、生徒のマナーを指導したり、生徒会や部活動などのことで関係生徒との連絡や相談で自分の時間はありません。
 掃除をして「帰りの会」がおると4時で、本来は、部活動の指導や教材研究に当てるべき時間ですが、さまざまな書類作りでパソコンに向かっている人が多くなりました。生徒指導、初回業、出張、家庭訪問などのこの時間が使われます。
 生徒とふれあう時間が少なくなってきたと、感じています。7時頃帰る先生は、「お先に」と挨拶して、遠慮がちに帰ります。
生徒
学校の魅力がヘリ、落ち着けない

 生徒たちは、選択教科や総合学習、少人数授業などしょっちゅう教室を変わらねばならず、授業が落ち着かない。進路学習では青年の就職難など将来の進路の狭さに気づいて、「何でもいいわ」と投げてしまう子どもが多くなっています。
 週5日制で、修学旅行が切りつめられたり体育大会の応援合戦が押さえられたり、生徒にとっての学校の魅力が減っています。
 親の職場環境が厳しく、7時、8時に帰っても家は空っぽという子は、寂しい家へは帰らず、コンビニやショッピングセンターにたむろします。なかには夜の12時、1時に家を抜け出してくることもあります。深夜徘徊で警察が指導しても、家庭から連絡がなければ、学校にはわかりません。生徒指導はたいへんです。
先生の数を増やしてほしい!
 40人近いクラスを持っていると、数日間一言も交わさない生徒がある。もっと一人の教員の担当する生徒の数を減らし、選択授業などで専門外の授業をしなくてもいいように、教員の数を増やしてほしい、と松田先生は訴えました。
親の心配
ゲームばかりでは、人とつきあえなくならないか?

 参加者から「子どもが外で遊ばなくなっている。コンピュータゲームばかりでは、人と上手につきあう力が育たず、我慢できない子どもになるのでは。逸話が子がナガサキの事件のような加害者になるか、と心配な親が多い」と発言。松田先生は、「めいっぱいやっていて、ある日突然爆発するとか、一回の失敗で投げてしまうとか、二つの顔を持っている子が多いのです」と説明。大人の課題が見えてきました。
 また長崎の事件の債の「成績のよい子」という学校側のコメントをめぐって「きれい事しかいっていないのではないか」「いや、いまだに生徒を偏差値で見ている能力主義教育の現われで、ショックだ」と、意見が交錯しました。
どの子も実は目をかけてもらいたがっている
 中・高校生を持つ父親が「中学生の頃はいつも先生の目を盗んで悪さをしていたように思うが、子どもは、先生にかまってほしくないのが本音ではないか」と質問。
 生徒は命令や監視されるのをいやがるが、実は無視されるのをもっともいやがる。どの子も自分の努力や成長を評価してもらいたいと思っているのです、と松田先生。
「子どもの希望優先」がいいね
 中学生の母親から「「14歳の挑戦」で第一希望の職種に人数が集まりすぎ、先生が人選されたが、あれで事後指導がうまくできるのか」との質問。松田先生の学校では、生徒の職種ごとの希望数をまとめてから、実習の職場探しをするので、お願いして回るのはたいへんだが後で変更させることはない、とコメント。いろいろなやり方があることがわかりました。
早く30人学級を!
署名をたくさん集めよう

 小学生の母親は、「学級懇談会は、38名のクラスなので、教室が窮屈だ。久しぶりにあった親たちでおしゃべりはものすごい」と。
 松田先生は「中学では学級懇談会に来る人が減る傾向です。ガムをかみながら廊下を歩かれると困るが、懇談会に来てもらえるのはとても嬉しい」「国の予算で、早く少人数学級を実現したいですね」と述べました。
 参加した砂田市議からは、小学校1年生が30人以上の場合に配置されるパートの補助教員について、「小矢部市では、2先生以上にもつけ、勤務時間を長くして、担任との打ち合わせの時間をとれるようにしようと、検討中だ」と、ちょっぴり明るいニュースが届けられました。

 なお、懇談会終了後、会の第4回総会が行われ、30人学級の署名を1000筆以上集めようなどの活動方針を決めました。

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