赤旗読者通信のページ
2002年11月10日号
利用目的が明確でない利賀ダム建設
希少動物を守るためにも中止を
日本共産党が県に申し入れ
県政対策委員長 上田ゆみ子
日本共産党呉西地区委員会と同砺波地方議員団は、10月28日、県に対して「利賀ダム周辺における猛禽類の保護」に関する質問書を提出し、この場に私も参加しました。
利賀ダムは現在取り付け道路が建設中ですが、今後、工事が進むにつれて自然環境の破壊が心配されます。
質問書では「利賀ダム周辺に3ペアのイヌワシが生息しており利賀ダムの建設予定地、調査地域がイヌワシの行動する圏内と考えられる」と指摘し、イヌワシの行動圏(平均60平方キロメートル)の内部構造(繁殖期によく活動する範囲はどこで、狩り場はどこまでかなど)を把握するように要望しました。
また、利賀ダムの自然環境影響調査の報告書では、5ペアのクマタカの営巣が確認されています。
イヌワシ・クマタカは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(絶滅種保存法)に基づく「国内希少野生種動植物種」に指定されている貴重な鳥です。
県 「十分な自然環境影響調査をしてほしい」
このまま利賀ダム建設を続ければ、イヌワシ・クマタカの生息や繁殖に影響を与え、取り返しのつかないことになることも予想され、利賀ダム建設の中止を働きかけるよう求めました。
県自然保護課は「繁殖期の行動圏を特定することが大事だが、現在はできていない」と述べ、現在行われている自然環境影響調査について、「時間がかかっても十分な調査をしてほしい。利賀ダムの自然環境検討委員会(猛禽類)の調査を見守っていきたい」と答えました。
私は、利用目的が明確でない利賀ダムの建設は、希少動物を守るためにも、中止を求めていく必要があると感じました。