赤旗読者通信のページ
2002年10月20日号
市町村合併フォーラム
「合併やむなし」「合併推進」の見解大勢のなか
砂田市議、会場から発言
県担当者語る
合併したら
「地方交付税は減る」
「住民サービス切り捨てのリストラが必要」
10月12日、小矢部市は第2回市町村合併フォーラムをクロスランド小矢部で開きました。6月議会での市長の言明に反して、合併推進の立場の講師が圧倒的に多いフォーラムになりました。記念講演は、昇秀樹名城大学教授、パネラーは大谷勝一氏(小矢部市行財政改革懇談会長)、植出耕一氏(富山県経営企画部次長)、須山盛彰氏(富山近代史研究会幹事)、大家市長でした。
3時間にわたる市町村合併フォーラムでしたが、合併に反対する立場の講師を招かないで開かれたため、市民にはもう一つ理解しづらいフォーラムになったのではないでしょうか。
参加していた砂田喜昭市議は、「ケーブルテレビで多くの市民が見ていると思うから、いい加減な発言を見過ごすことはできない」と前置きして、次の二つのことを指摘しました。
税金の使い方を見直すべき
「先ほどから国・地方あわせて700兆円の借金があるから、合併は仕方がないというような発言があるが、なぜそんな莫大な借金ができたのか、原因と責任をはっきりさせないと、本当の解決策が見えてこない。税金の使い方を見直す必要がある。小矢部市は4年前には150億円もの借金を抱えていたが、この4年間、毎年返す借金の返済額の範囲内で公共事業を行うという原則で、130億円台へと借金を減らしてきた。合併しなくてもこのようなことは可能だ」と述べました。
これに対して昇教授は、「確かにムダな公共事業を見直すなど構造改革は必要だし、宮沢首相らの責任追及も必要だ。そんな国会議員を選んだ国民の責任もある」と認めました。
しかし同教授は、「700兆円の借金はそれだけでは解決しない、痛みを伴う構造改革と消費税増税など国民負担が不可欠」などと主張しました。この発言は、大銀行支援に70兆円もの公的資金枠をつり、またアメリカの圧力に屈して630兆円の公共投資で内需拡大を約束した自民党政治、ムネオハウスなどに見られる自民党の利権政治などの現実から、国民の目をそらすものといえます。
「合併15年後、交付税大幅削減」を市民に説明すべき
さらに砂田議員は、「合併しないと国から地方自治体に交付されている財源(地方交付税)が削減される」とのごまかしにふれ、「かりに地方交付税が削減されるとするなら、合併しないところだけが削減されるのではない。合併したところも同じように削減される。しかし、今の制度上、合併したら、15年後には間違いなく大幅に削減される。そのことを市民にちゃんと説明すべきだ」と指摘しました。
これに関して特に発言を求めた植出県企画部次長は、「確かにそうだが、10年間は合併する前の地方交付税を保障しその後5年間かけて減らしていくのだから、その間に真剣にリストラに取り組めば大丈夫」などと発言しました。
この発言は注目に値します。合併したらリストラ、つまり住民サービス切り捨てはさけられないことを、市町村合併を推進している県の担当者が認めたからです。
参加した「読者」の声
民主主義、国民主権を衆愚政治などと何度も繰り返す昇教授の話を聞いて、うんざりした。こんな人を何で小矢部市が講師に選んだのか。あきれてものも言えない。
須山氏が最後に、ノーベル化学賞を受賞した田中氏を引き合いに、「合併問題でも『常識』や大勢に流されず、自分自身の判断を持つべきではないか」と述べておられたが、その通りと思いました。