赤旗読者通信のページ
2002年9月15日号


展望の見えない合併

無理に合併する必要があるのか

日本共産党砺波地方議員団 砺波地方市町村長らと懇談

市町村合併に関して申し入れる

日本共産党砺波地方議員団は9月2,3,6日の3日間、砺波地方12市町村のうち11市町村の首長らに会い(井波町は後日)、「市町村合併」に関して住民が主体的に是非を判断できる情報の提供など6項目の申し入れと懇談を行いました。小矢部市以外8市町村での懇談の特徴を報告します。小矢部市の対応については、9月市議会の内容にふれて後日紹介します。

懇談を終えて、「それぞれ立場に大きな違いがあり、それを押してまで無理に合併する必要があるのか」というのが私の率直な感想でした。

福岡町

11日付新聞報道によると、福岡町長は議会で、「砺波地方とは難しい」「高岡市、小矢部市、福岡町の2市、1町での合併」を言い出したようです。日本共産党との懇談では、高岡と福岡だけという合併はごめんで、小矢部かどこかがいっしょになれば、選択肢として可能というものでした。

また、合併しない宣言をした福島県矢祭町を視察した感想を述べながら、合併しない選択肢もあるとも述べていました。矢祭町長と見解が一致しなかったのは、将来の地方交付税削減の問題で、矢祭町長は国が地方交付税を大幅削減できるはずはないと述べていたが、国が莫大な借金を抱えているから地方交付税の削減はさけられないというのが、福岡町長の意見でした。

砺波市

砺波市長は、「財政面から合併をいうのには反対」と明言しました。その一方で、「交通の発達があるから合併も良いのではないか」とも述べました。

しかし、県の合併パターンは無理で、砺波地方全体で検討すると、「8000項目もの課題のすりあわせは不可能である」「新しい市の建設計画で、合併しようという自治体から要望されるものについて、それはできる、できないと判断するしかない」「市庁舎にお金をかけられない。ハコものの時代は終った。現砺波庁舎が新しい市の市役所。庁舎を動かすのなら合併反対が市民の声」と述べました。

福野町

福野町では助役が応対し、「溝口町長も、新幹線石動駅などを持ち出す小矢部市とはやれない」と述べていることが明らかになりました。

福光町

福光町長は、「砺波広域圏10市町村全部が入る合併でなくてはならず、これを割るようなことは反対である」「福光町などのような規模では、財政的には合併しなくてもやっていけるが、小さな自治体ではどうなのか、このことを考えると合併しかない」と述べました。

昭和の大合併で分村した不幸な例を引き合いに、「砺波地方一つにまとまるべきだ」と力説していました。

城端町

城端町長は、「合併に当たって三つのキーワード、納得、意欲、希望が大切だ」「合併しない選択肢の可能性は、町の総合計画であるアクションプログラムができるかどうかであり、それで見ると、当面の実施計画は可能である」「合併、合併といわれているので、合併しないとやっていけなくなるという亡霊におびえているのかもしれない」「ただし、砺波市が中心というのでは困る」と述べていました。

庄川町

庄川町長は、合併特例法で期限を切ることに疑問を投げかけ、「もっとじっくりと検討すべきだ」「大きくしてメリットのない合併はしない」「はじめから砺波市だけとの合併という線引きはダメだ」と述べ、地図をひろげて、「砺波市、小矢部市、福野町、井波町、庄川町が一つになれば形の上でも良いと思う」などと述べました。

平村

平村助役は、「これまで村として合併した経験がないので、とまどっている」「高齢化が進んでおり、複式学級の解消や福祉がどうなるのか」「合併で村独自の除雪がどうなるか」など、懸念材料を語りました。

上平村

上平村では、村議会が合併をしない選択をした群馬県上野村を視察にいっているところだといって、収入役が応対しました。

収入役は、「合併しないといったら、砺波地方で、ゴミ処理など広域事務組合で行っている事業からはみ出されるのではないか」などの懸念を語りました。

なお、この点に関しては、砺波市長は、そのようなことは「絶対にあり得ない」と語っており、地方自治法上もその懸念はありえないことになっています。

 

どこと合併するかその枠組みも決まらず、合併すればこんな良いことがあるという展望も見えてこない合併は、いったい誰のための合併なのか、はなはだ疑問です。こんなことに振り回されるより、どんな町づくりをするのか、じっくりと考えていくことの方が有意義ではないでしょうか。

 


赤旗読者通信のページへ戻る

砂田喜昭のホームページへ戻る