赤旗読者通信のページ
2002年9月1日号
国保会計 2年連続で黒字
国保運営協議会で明らかに
砂田市議 「国保税の引き下げ」を主張
8月21日、小矢部市国民健康保険運営協議会が開かれ、2001年度決算、2002年度補正予算案などが審議されました。国民健康保険会計は2年連続して黒字となっていることが明らかになりました(表参照)。
この会議に参加していた砂田喜昭委員は、黒字の要因が制度改革に伴うものであり、国民健康保険税の引き下げを行うべきだと主張しました。これに対し、会長は参加している運営協議会委員に意見を求めることなく、当局に砂田委員の発言があったことに留意してほしいと述べるにとどまりました。
2000年度から介護保険がスタートし、老人医療費の一部が国民健康保険での負担から介護保険での負担に移行しました。制度発足前から砂田委員は、介護保険が始まると医療保険の負担が軽くなるので、国民健康保険税の引き下げに踏み切るべきだと繰り返し主張してきましたが、2年連続黒字となったことは、その主張に根拠があることを示しています。
一方40歳以上の国保加入者には別途、介護保険料の分が国民健康保険税に上乗せされています。せめてそれくらいは国民健康保険税を引き下げて、実質負担を増やさないようにすべきです。
高齢者の医療費(払い戻し分)
市独自の立て替え払い制度を
このほか、砂田委員は、政府や自民・公明党によって70歳以上の高齢者の医療費負担が1割に引き上げられたことに関連して、一定の限度額を超える分は後で戻ってくることになっているが、その分の市による立て替え払い制度を作り、実質的に窓口負担を軽くするよう求めました。
国保税減免制度の充実も緊急課題
また、国保税の減免制度の充実も緊急な課題です。長引く不況下で売り上げの減やリストラで国民健康保険税を納めたくても払えない現実が生まれています。これは、前年所得に応じて税額が決まるためです。このような場合に減免できるようにすることが必要です。
表「国保会計決算状況」の解説
1995年度 | 1996年度 | 1997年度 | 1998年度 | 1999年度 | 2000年度 | 2001年度 | |
歳入(A) | 1,999,596 | 1,997,051 | 2,028,381 | 1,995,932 | 2,123,509 | 2,092,028 | 2,365,516 |
歳出(B) | 1,909,172 | 1,892,199 | 1,934,001 | 1,927,688 | 2,079,070 | 2,025,571 | 2,255,860 |
形式収支(C=A-B) | 90,424 | 104,852 | 94,380 | 68,244 | 44,439 | 66,457 | 109,656 |
翌年度へ繰り越すべき財源(D) | |||||||
実質収支(E=C-D) | 90,424 | 104,852 | 94,380 | 68,244 | 44,439 | 66,457 | 109,656 |
前年度実質収支(F) | 64,153 | 90,424 | 104,852 | 94,380 | 68,244 | 44,439 | 66,457 |
単年度収支(G=E-F) | 26,271 | 14,428 | -10,472 | -26,136 | -23,805 | 22,018 | 43,199 |
基金積立金(H) | 5,934 | 0 | 0 | 0 | 0 | 616 | 23,449 |
基金取崩金(I) | 61,055 | 40,000 | 0 | 20,000 | 27,479 | 0 | 0 |
実質単年度収支(J=G+H-I) | -28,850 | -25,572 | -10,472 | -46,136 | -51,284 | 22,634 | 66,648 |
年度末基金残高 | 206,395 | 166,395 | 166,395 | 146,395 | 118,916 | 119,532 | 142,981 |
単位千円、千円未満切り捨て |
全国の地方自治体は共通のやり方で年間決算の赤字、黒字を判定しています。歳入から歳出を差し引けば赤字か黒字かがわかります(形式収支という)が、歳入のなかには議会の議決を得て、翌年度以降に繰り越すべき財源が含まれている場合があります(国保の場合はありません)。それを差し引いたものが実質収支です。
歳入のなかには前年度からの繰越金として前年度実質収支が含まれます。この繰越金を差し引くと、その年、1年間だけをとってみた赤字か黒字かがわかります(単年度収支という)。
さらに歳入には国保財政調整基金から取り崩した財源が含まれていたり、歳出に財政調整基金積み立てた金額が含まれていることがあります。黒字と思っていても貯金を下ろして黒字だったら困るわけです。その分を精算したのが実質単年度収支です。1995年度以降に限ってみても、99年度までは1千万円から5千万円程度の赤字できていましたが、介護保険がスタートした二千年度から一転、黒字決算になっているのがわかります。
2年間の黒字(実質単年度収支)の平均は4464万円です。2001年度の国保加入者数は1万213人です。黒字分を当てれば、一人平均4000円あまりの引き下げは可能です。