赤旗読者通信のページ
2002年8月25日号
わが家の太陽光発電所(その2)
昨年10月、「わが家の太陽光発電所」のタイトルで住宅用太陽光発電システムを紹介した。その後10ヶ月を経過して、どのようになったか実績を踏まえて報告したい。
地球温暖化防止策の状況
私がそもそも太陽光発電にたどり着いたのは、地球温暖化を憂いて何か出来ることがないだろうか、にあった。
今年の6月、地球温暖化防止にむけて、ようやく日本が動き出した。二酸化炭素などを削減する「気候変動枠組み条約の京都議定書」の批准を閣議決定した。
京都議定書は1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止会議(COP3)で採択された。
日本政府は、議長国でありながら、昨年春に離脱したアメリカに説得どころか理解を表明し、自らの批准表明すら引き伸ばし、世界から批判を浴びた。
今回の批准は国内外の世論と運動の反映であるが、課題は山積。議定書発効の条件である55カ国以上はクリアしているものの、批准工業国の二酸化炭素排出量が全体の55%以上になる条件を満たすには、大量排出国のロシアの批准が欠かせない。同時に、アメリカの身勝手を許さない国際的な世論と運動で改めさせることである。
EUでは、8%削減目標達成のため、排出枠を個別の事業者に割り当て、第三者機関の検証により、排出枠超過には罰金の支払いを求める方針を昨年10月に打ち出している。
京都議定書が日本に義務付けた削減目標は2008年〜2012年までに1990年比で6%。
日本の排出量は既に90年比で7%近く増えている。ところが政府の温暖化防止策は、2004年までは特別な対策はとらずに排出規制措置の検討は先送りにしている。これでは国際的な責任を果たすことは出来ない。
日本でも事業所ごとに削減計画を義務付けるなど、実効性ある制度が求められている。
温暖化防止に名を借りた原発の新増設や森林吸収に頼るのではなく、省エネを徹底し、風力や太陽光など自然エネルギーに力を注ぐ方向こそ世界の流れである。
住宅用太陽光発電システムの有効性
太陽光発電システムは二酸化炭素削減に大変有効といわれている。
わが家のシステムは、S社の多結晶シリコン太陽電池モジュール4.16KWと系統連系パワーコンデショナで構成され、年間約4000KWh発電される見込み。
環境への貢献度は720kg・C/年{太陽光発電システムのCO2排出量20g・C/KWh、一方削減量の比較には石油火力発電によるCO2排出量を使用し200g・C/KWhを採用。∴(200−20)×4000KWh/年=720Kg・C/年となる}が算出される。
ところで、日本のCO2排出量は1997年で11億6700万トン(3億1800万トン・C/年を換算、炭素12KgはCO2で44Kgに相当)。
標準家庭からの年間CO2排出量は2億700万トン(1.2トン×4700万世帯×44/12)で約18%。おおよそ1/5が家庭から排出される。
わが家の実績はどうか。昨年11/1〜今年8/1の9ヶ月間で2915KWhの発電量となり、CO2の削減量は524Kg・Cとなった。
年間に引き伸ばすと、ほぼ予測どおりの4000KWh、貢献度720Kg・C/年となり得る。
それではわが家のCO2排出量はどうか。
項目として、電気をはじめ水道、ガソリン、可燃ゴミがあげられる。灯油とガスについては電化になっているため除外。12月の実績で算出。換算係数や計算が複雑のため割愛するが、年間のCO2実質量で16,250Kgと出た。
太陽光発電システムによる貢献度720Kg・C/年の実質量は720×44/12=2,642Kgとなり、比率にして16%となった。
以上みてきたように、年間でわが家のCO2の排出量を16%減らすことが出来ることになる。
日本はアメリカ、中国、ロシアについで4番目であるが、アフリカや南アメリカ大陸よりも多くの排出量であり、かけがいのない地球を守るために国際公約の90年比6%削減をどうしても成し遂げねばならない。
(Y生)