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2002年8月25日号


あかるみになった住民不在の合併劇

砺波地方12市町村の助役らで構成する合併協議会準備会で、「市町村合併に向けて関係市町村の合意を確認すべきと提案された事項」19項目、40課題が明らかになりました。

「行政は遠い存在になりはしないか」

「新市の中心、庁舎、支所の位置づけ」という項目では、「新市の中心整備に大きな経費が必要となる」と問題点をあげ、「新市の中心は、新たなインフラ整備を押さえるため、交通・産業など活動の中心である砺波市とし、核となる総合庁舎は住民の利便性から活動の中心地に建設する」と説明されています。これは、砺波市に総合庁舎を建設することを意味しています。

これに関連して「行政システム」の項目では、「行政機能が本庁に集約され、支所機能は縮小され、住民にとって行政は遠い存在になりはしないか」と問題点を指摘しています。

小矢部市でも福祉関係の窓口がクロスランドの向かいにある総合保健福祉センターに集約され、「不便になった」という声が出されています。合併すると窓口はこれ以上に遠くなってしまいます。

「公共施設等の取り扱い」の項目では、公立病院、スキー場、文化会館、美術館、斎場、第三セクターなどをあげ、「重複するメイン的な公共施設等があり、」「行財政の効率化に逆行する」と問題点を指摘し、「健全な経営が困難となる場合には、施設の役割分担や統廃合、民営化を検討しなければならない」としています。

「新たな市に対する夢や期待感がない」

「ゴミの共同処理」の項目では、小矢部市、福岡町は「高岡広域圏で建設されるゴミ処理施設の計画に今後とも参加する」としており、「新施設建設負担金及び稼働までの間のゴミ処理委託料が必要になる」と説明されています。自治体の固有業務であるゴミ処理について、合併後に他の自治体と共同処理しなければならないようでは、いったい何のための合併なのでしょうか。

「合併特例債の活用枠、シンボル事業の調整」の項目でも、「新たな市に対する夢や期待感がない」と率直に問題点を指摘しています。そして「新市の目玉事業」「シンボル的事業等として住民に説明できるものを検討すべきでないか」と述べています。無理矢理目玉を作らないと合併への夢や期待をもたらせないということに、今度の合併が住民不在の合併劇だという証明があります。

「小矢部市とはいっしょにやれない」

福野町議会での意見

「北陸新幹線石動駅の設置」については、「国及びJR等関係機関の同意、推進母体の設立、県、周辺市町村との連携、整備財源の確保」などの問題点が指摘されています。福野町議会では、「新幹線などを持ち出す小矢部市とはいっしょにやれない」という強い意見が吹き上がったとのことです。


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