赤旗読者通信のページ
2002年6月9日号
有事法制の先取り?
「自衛隊小矢部市議会議員有志の会」設立の動き
有事3法案が衆議院で審議されているさなか、「自衛隊小矢部市議会議員有志の会」設立の働きかけが、市議会に対してありました。
これは、6月5日に開かれた議会運営委員会で議長から、この件について6月議会中に開く議員懇談会で相談したい、との発言があってわかったものです。
◆ その趣意書では、目的を「自衛隊富山地方連絡部との親睦、勉強会、基地研修、各種イベント等を通し、お互いの理解を深め、防衛意識の向上を図るとともに、その活動を支援するため」としています。
また、「自衛隊小矢部市議会議員有志の会」の事業として、「会員の防衛意識の向上を図る事業への参加」を謳っています。
◇ この動きを、「賛同」する議員が勝手に参加するだけの動きだと、簡単に見逃しても良いものでしょうか。
◆ 今国会には、有事3法案が政府から提出されています。
この法案は、米軍の引き起こす戦争に自衛隊が海外で武力行使できるようにするとともに、国民に戦争協力を義務づけます。「戦争反対の気持ち」で物資保管命令に従がわない国民を刑事罰で弾圧することを明記しています。
◇ いざというときに備えるためにという口実で、国民の思想を監視し、戦争協力体制を作るための訓練が日常化するおそれがあります。その推進役の一つになるのが、市議会議員の有志を募ったこの組織ということではないでしょうか。
◆ 最近暴露されたところによると、防衛庁・自衛隊は組織ぐるみで、情報公開法に基づいて防衛庁に資料を請求した人の職場や思想まで調査していました。
防衛庁、自衛隊はスパイ組織を持ち、国民の思想・信条を監視していたのです。それが暴露されると、「個人がやったこと」と責任逃れをしたのが自衛隊です。組織ぐるみで行っていたことを、ウソをついてごまかそうとしたのです。
◇ 戦争反対の思想を取り締まるという、戦前の治安維持法を彷彿させる有事法案が国会で議論されているさなかに、「自衛隊小矢部市議会議員有志の会」の設立が、自衛隊富山地方連絡部あたりからの働きかけで行われようとしていることは、有事法制の先取りとして、国民の思想統制をねらっている危険性をいっそう浮き彫りにするものです。
◆ 今こそ、「有事法制反対」「平和憲法を守れ」の運動を盛り上げるときです。