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2002年5月19日号

「合併やむなし」ではなく、「住みやすい地域にするには」での議論を
市町村合併を考えるつどい 福野で

 小矢部市では市主催の「市町村合併に関する懇談会」が各地区で始まるなか、日本共産党呉西地区委員会と同砺波地方議員団主催の「市町村合併を考えるつどい」が5月12日、福野町で開かれ、100名を超える参加者で活発な意見交換が行われました。講師は三橋良士明静岡大学教授、木島日出夫衆院議員でした。

平成の大合併の狙いは何か

三橋教授 三橋教授は政府の狙いについて、「国の地方財政負担を減らすことで、国が国民生活を支える仕事から手を引き、自治体行政のリストラ・民営化をすすめようとしている。さらには、中長期的課題として都道府県の解体、道州制の導入などをねらっている」と指摘しました。
 これに対して地方自治、住民自治の原点、原則にかえって考えることが大切だと強調、「効率ばかり強調していて、人口500人の過疎の村に人間は住まなくても良いのか」、「農山村には豊かな人間をつくる教育的資源がある。都市との交流のなかで元気な村づくりを」、「『先に合併ありき』ではなく、『それぞれの町づくり』が先にあるべき」と訴えました。

日本共産党の立場
国による合併の押しつけに反対


 木島衆院議員は日本共産党の合併に対する態度に講演する木島代議士ついて、いろんなケースがあるので一概に反対、賛成というのではなく、今度のように「国による合併の押しつけに反対」という立場であることを明らかにしました。
 県境の650人の村で村議会が産業廃棄物処理施設の誘致反対を議決した事例を紹介し、「これは国、県も無視できない。合併して一つの町内会になればこうはならない。村として独立して存在することが村民の暮らしを守る力になっている」と地方自治の重要性を強調しました。
 これまでの地方政治の問題は、財源、人間(天下り)、権限という「三つのゲン」が国に押さえられて、大型公共事業優先の地方政治が行われていたことで、税金の使い方を正すことが重要だと強調しました。
 政府の合併押しつけの狙いを、国の財政支出削減、規制緩和、行革と分析し、次の五点で特徴づけて、国の並々ならぬ執念を指摘しました。
@法律まで作って押しつけ、A財政を使ったアメとムチの政策、B自治体数を1000にするとの、明治・昭和にもなかった閣議決定、C議会が反対したときにのみ使えるインチキな住民投票制、D県知事に合併推進の責任を負わせる
 これに対して長野県の諏訪地方の例を紹介し、地方自治、住民自治の重要性を強調し、改革するなら官房機密費や、ムネオ疑惑、口利き政治を正すべきだと述べました。

地域産業や伝統文化がすたれるのでは

 会場からは、福野町の夜高に対する町の助成の重要性を強調し、「合併で地域の文化が失われるのでないか」とか、「庄川町の種もみやゆず生産への町の独自助成が、合併でなくなると地域産業の衰退につながるのではないか」などの懸念が報告されました。
 また、首長らが国から地方交付税削減などでせめられるので「合併もやむを得ない」と考えている実情も報告されました。

周辺部がさびれ、住民サービスが切り捨てられた実例が

 木島衆院議員これに対して木島議員から、国による合併の狙いと合併の結果周辺部が寂れ、住民サービスが切り捨てられた実例を知らせることの重要性が強調されました。
 また、三橋教授からは、住民の間での議論の場では、合併賛成の人も反対の人も「住みやすい地域をどうつくるか」では一致しているはずだから、「合併先にありき」ではなくどんな町づくりをするかの議論が大切であると述べられました。


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