赤旗読者通信のページ
2002年2月3日号
利賀ダム問題で交渉
日本共産党砺波地方議員団は1月28日、利賀ダム工事事務所の臼井所長らに会い環境影響評価について交渉しました。
利賀ダム建設予定地でクマタカ、イヌワシなどの希少動物が確認されたことから、環境保護と工事の実施に関して質したものです。これには小矢部市から砂田喜昭市議と上田ゆみ子県政対策委員長が参加しました。
当局の回答は次のとおりです。
利賀ダム問題についての質問と当局の回答
1、利賀ダムパンフについて
問い 利賀ダムパンフの平成7年版にはクマタカ、イヌワシなど10目26科68種が確認され、クマタカ、イヌワシは絶滅種保存法やレッドデータブックの絶滅危惧種に指定されていることなどが記述されているのに、12年版は確認数だけで種名もありませんが、なぜか。
答え 閣議アセスに準拠して調査を行っている。(閣議アセスは湛水面積200ヘクタール以上だが、利賀ダムは110ヘクタール)
種の一覧表については、希少野生生物等に指定されている生物の生息を公表することにより、盗掘、乱獲の恐れがあり、当該生物の保護のための配慮としてパンフを作成している。
2、クマタカ、イヌワシの生息数について
答え 5ペアのクマタカの生息を確認している。なおイヌワシについては上空の飛翔、通過を確認している。
3、今後の調査方針について
答え 猛禽類等の調査については今後も専門家の意見、助言をいただいて進めてまいる。
4、調査結果の評価時期について
問い 「ある程度の評価ができれば平成15年ぐらいをめどに是非いただきたい」との発言もあるが、ダム建設に間に合わそうとすれば、時間的にも無理ではないか。
答え 専門家の意見、助言を得て実施することが重要と認識しており、必要な調査については今後も継続的に調査検討していく。
5、「人工的な代替巣」等について
問い クマタカ、イヌワシに対して「人工的な代替巣を作り、移れば工事に問題ない」とか、「実際に、発破をやったりブルドーザーを動かしたりしたときにどう変化するか」という意見もあるが、見解は。
答え 専門家の意見、助言を得ながら慎重に進めていくことにしている。猛禽類等の生息への影響のありなしや、その対応についても専門家のご意見、助言をいただきながらそのつど検討していく。
6、情報の公開について
答え 平成13年度については現在調査中である。公開については盗掘、乱獲にならないような配慮をしながらすすめていく。
主な質疑、応答
問い(砂田)
ダム建設工事の進め方と環境影響調査の関係はどうなるか。調査をいつまで終えるという期限があるのか。
答え
期限は定めていない。
問い
ということは、環境影響調査で動植物に影響が出ないという結論がない以上は、ダム建設に着手しないということか。
答え
逆に言えばそうですかね…。事業実施に当たっては専門家の意見を聞きながらという回答をしているのですから…。
問い
道路の建設に取り掛かっているようだが、これは調査とは関係ないのか。
答え
道路の建設に当たっても専門家の意見を、お聞きする部分はお聞きする。
問い(吉井)
調査会社の選定はどうしているのか。
答え
2社に委託している。
動植物全般については、プロポーザル方式(企画提案型)に基づく随意契約で、期限は平成14年度まで。
猛禽類については、別の公益法人であるところと随意契約でやっている。今後も継続する。