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2002年1月20日号

福祉施設利用者の人権尊重を

 市内の福祉施設利用者やその家族から、日本共産党小矢部市委員会に利用上のさまざまな相談が寄せられています。そこで、福祉施設での利用者の人権尊重について最近の動向を追ってみました。

 12月市議会最終日(14)に行われた民生文教常任委員会報告の中に、次の意見が取り入れられました。
 「…健康福祉社会の形成には、介護を必要とするお年寄りや、心身などに障害のある…方々が、地域社会や福祉施設において、健常者と差別を受けることなく、…一人一人の人権が尊重されることが大切である…」
 これは、1210日の民文委員会での砂田市議の発言を受けて取り入れられたものです。

「利用者の利益の保護」を明文化
                 ―社会福祉法の改正


 この問題に関して、社会福祉法の改正(20006月)で、「福祉サービスの利用者の利益の保護」が明文化され、それを保障する方法のひとつとして福祉サービスに関する「苦情解決事業」が制度化されました。

苦情解決事業の目的
虐待防止、利用者の権利擁護



 厚生省(当時)が出した指針では、苦情解決の仕組の目的を @「福祉サービスに対する利用者の満足感を高めることや早急な虐待防止対策が講じられ、利用者個人の権利を擁護するとともに、利用者が福祉サービスを適切に利用することができるように支援する」 A「苦情を密室化せず、社会性や客観性を確保し、一定のルールに沿った方法で解決を進めることにより、円滑・円満な解決の促進や事業者の信頼や適正性の確保を図る」としています。

幅広く   苦情の申立人になれる

 一方、苦情解決事業の実施要綱では、苦情の申立人の範囲として「福祉サービスの利用者、その家族、代理人等」のほかに「民生委員・児童委員、当該事業者の職員等、当該福祉サービスの提供に関する状況を具体的かつ的確に把握しているもの」を挙げています。
 また「さまざまな苦情解決の仕組みが整備されることは望ましいことであり、どの仕組みを利用するかは、利用者の選択によることが基本である」としており、これらの点は、利用者の利益保護にとってたいへん役立つものとなっています。  (ゴシックは編者)

苦情を言ってくださった方に
     まず『ありがとう』

         ―県内の進んだ施設での実践

 富山県社会福祉協議会が昨年発行した『福祉とやま5月号』は、「福祉サービスに関する『苦情解決事業』の現状とこれから」を特集し、各施設の進んだ取り組みを紹介しています。
 その一つ特別養護老人ホーム
しらいわ苑では、「オープンな施設づくり」として次のように取り組んでいます。
 「苦情を言うには、誰しも多少なりとも勇気が必要だと思います。そのことを十分踏まえて、私どもは苦情を言ってくださった方へ、まず『ありがとう』と感謝することが大切だと考えています。」
 これこそ、利用者や家族が待ち望んだ対応だと言えます。

福祉施設で 人権を守るために
 いっそうの運営改善を


 12月市議会民生文教委員会で社会福祉法改正の意義について述べた砂田市議は、福祉施設利用者の人権をさらに尊重する立場から、保護者に開かれた運営をすることなど具体的な改善対応策を提起しました。
  このようにいま、福祉施設での「利用者の人権を守ることを基本とした運営」が、いっそう前進するよう求められています。

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