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2001年12月23日号

医療改悪許すな 保険医協会の出前説明会

 「介護保険と福祉をよくする小矢部市民の会」が富山県保険医協会にお願いして、12月15日(土)の夜、「医療改革『出前』説明会」を開きました。あいにくみぞれまじりの荒れ模様でしたが、約20名の市民が参加しました。
あいさつする阿尾代表世話人 「介護保険と福祉をよくする会」の代表世話人、阿尾多美さんが挨拶した後、歯医者の岡宗先生が虫歯予防の4条件をわかりやすく解説してくださる「健康教室」があり、歯磨きやフッ素の塗布などの効用を科学的に勉強しました。
 その後、富山県保険医協会の林さんがスライドを使って厚生労働省などが考えている医療制度改悪案を、現行制度と比べながら説明しました。医療費や社会保障費が財政に占める割合をアメリカやイギリスなどと比較してみて、政府自民党の改悪案が「公共事業」優先の政治の結果だということも明らかになりました。

医療費窓口負担が数倍にも

 参加者の関心は高齢者医療に向けられました。70歳以上の場合、患者の窓口負担が原則1割となり、現行の一ヶ月、上限3000円ないし5000円の負担が数倍になります。サラリーマンの本人負担も2割から3割に引き上げられます。

老人難民を生み出す医療制度改悪

 また、入院が6ヶ月を超えた場合に、入院費用の大部分が保険適用からはずされるため病院から出て行かざるを得なくなります。しかし、受け入れ先となるべき特別養護老人ホームやケアハウスなど介護施設の不足から行き場を失った「老人難民」になる問題に論議が集中しました。長期入院中の奥さんを世話している人は、「今でも月額7万円ほどの負担は厳しい。これが40万円になっては退院せざるを得ない。特別養護老人ホームは今でも『10年待ち』といわれるくらいで、どう看護すればよいかわからない」と訴えました。
 「年寄りは豊かなのではないか」という声にも、貯蓄分布や所得分布のグラフを使って、4割の高齢者が生活保護水準(年収170万円)程度かそれより少ない所得になっていることなど、厳しい生活実態が明らかにされました。

署名運動を広げ
こんなひどい改悪をやめさせよう


 「こんなひどい改悪をやめさせるためにはどうしたらよいのか」とみんなが問いかけました。保険医協会の林さんは、「厚生労働省の当初案では70歳から74歳までの高齢者の窓口負担を2割に引き上げる案だったが、500万の反対署名など今までの反対運動で『原則1割負担』になった。さらに世論に訴えていけば改悪を抑えることができます」と述べました。参加者は、今日聞いてわかったことを周りの人に話していこう、署名を集めよう、と決意を交わしながら、集会を終わりました。

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