赤旗読者通信のページ
2001年11月11日号
砂田喜昭の行政視察報告
福祉施設は、人権を守るのが当然
民生文教常任委員会の行政視察が10月9日、10日に行われ、私もその一員として参加しました。そこで学んだことを報告します。
監視カメラの設置は論外のこと
9日の視察は横浜市にある民間のケアハウス「シャローム桜山」です。併設して特別養護老人ホームもありました。ケアハウスの一部屋一部屋はそれぞれの「家」であり、完全にプライバシーが守られていて、職員もドアをノックして許可をもらってから入ることが徹底されていました。隣の特別養護老人ホームもそれは徹底しており、痴呆性老人が入居している部屋にも監視カメラはありませんでした。カメラが設置されているのは痴呆階の廊下や公共の食堂に限られていました。
小矢部市の場合、「ほっとはうす千羽」では各部屋をカメラで監視できるシステムになっており、痴呆性老人でもプライバシーを気にしてカメラに風呂敷をかぶせていることもありました。私は9月議会民生文教常任委員会で、今度増床している清楽園でも監視カメラを設置するとの報告を聞いて、各部屋を覗くような設置はやめるべきだと主張し、その方向で検討することになりましたが、この視察で全国の進んだ水準に改めて感心しました。
身体拘束なしが原則
もうひとつ感心したことは、高齢者に対する「拘束なし」を目指しているということです。以前、小矢部市総合保健福祉センターであったことですが、車椅子に体を金具で固定して風呂に入れるやり方のため、慣れない高齢者が怖くて暴れ、ひざに傷を作ったことがありました。私が「ここではどうしているのですか」と尋ねたところ、「拘束なしが厚生労働省の指導で、ここでは車椅子から落ちないための安全ベルトをどうすればはずすことができるか、研究しているところだ」ということでした。
障がい者の雇用の場を確保することも大切
10日には鎌倉市「リサイクルセンター」を訪問。地域住民の理解を得るために騒音やにおいなどが外に漏れない公害対策や太陽光発電、植物を活用した避暑対策などが特徴でした。なかでも感心したのは、人手による選別作業を一部残して、障がい者の雇用、社会復帰に役立てていたことです。小矢部市でも「総合リサイクルプラザ」の計画を持っていますが、参考にすべきだと思いました。