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2001年11月4日号

農民、流通業者、消費者が手をつなぐと、自民党の農業切捨て政治に負けないぞ
     農業シンポ 砺波で

 「大丈夫かな?食の安全、日本の農業」をテーマにシンポジウムが10月28日、JAとなみ野本店2階ホールでひらかれました。石田清朗JAとなみ野営農部長、佐々木久美子コープとやま理事、本田勝県農協中央会営農生活部長、酒井富夫富山大学教授、谷口一夫農民運動全国連合会(農民連)副農業シンポジウム会長がパネリストで、活発な意見が交わされました。

セーフガードの発動を毅然と

 農協関係者らは輸入農産物に対するセーフガードについて、「WTO協定に基づく正当な約束だから毅然と本格発動を」と求めました。酒井富大教授は「敵はいったい何なのか」明らかにした運動が大切と話しました

兼業農家切捨て政策は、富山の水稲をだめにする

 政府が農業の構造改革と称して、8割の兼業農家を切り捨て一部の主業農家(農業所得が主で65歳未満の農業従事が60日以上、稲作面積4・2ヘクタール以上)だけを支援する米政策について、農協関係者は「絶対反対」を表明、「兼業農家の協力がないと転作のブロックローテーションができなくなる」、「今年の1等米比率が低いのは水管理が徹底できなかったため。大規模農家では徹底できない。兼業農家の協力が欠かせない」、「兼業農家を切り捨てると、富山県の水稲がだめになる」と訴えました。

安全な食は自給してこそ確保できる

 コープとやまの佐々木理事は消費者の立場から、「成人して自活するようになったわが子が、添加物まみれの安易な食事になり、4年間でがんを発病した」と自身の体験を語り、「食の安全を確保するには、食糧を自給できるようにすることが大切」と呼びかけました。

ものを作ってこそ、道は開く

 「日本に農業はいらない」とする財界・自民党政治のもとで、O157や狂牛病など国民の食の安全が脅かされています。「果たして日本農業は大丈夫か」と問いかけた農民連の谷口副会長は、@「日本の食糧は日本の大地から」の国民的合意を広げる活動を粘り強くすすめること、A「そうはいっても今日どうやって食べていくのか」「大丈夫。農民、流通業者、消費者は、量販店、輸入農産物の犠牲者。ともに力をあわせて運動すれば、販路は拡大できる。農民はものを作ってこそ道が開かれる」と呼びかけました。
 石田部長はJAとなみ野の直販店の活動について、「福野の直売所は、46名の農家が会員となってとりたての新鮮な野菜類を朝の6時30分から3時まで販売し、月平均380万円の売り上げている」と紹介しました。
 たたかってこそ道が開かれると、たいへん明るい希望を与えたシンポジウムでした。

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