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2001年10月28日号

わが家の太陽光発電所(1)

 「地球環境を守りたい」と太陽光発電所を自宅に作ろうと計画中の読者がいらっしゃいます。その進行に合わせて、折々に経過を掲載させてもらうことになりました。今週はそのシリーズ第1号です。

 先日,物理学者の記念講演を聴いた。「物質文明,浪費型文明にも限界が見えてきた。地球は有限だから,もう膨張する余地はない。大量生産,大量消費,大量投棄はいつまでも続かない。人間はいま地球規模で環境を壊しつつある」と。
 私たちはこのことに気付いているが他人事のように知らん振りをしていないだろうか。
 筆者はこの読者通信で一度話題にしたことのあるCOP3(1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止会議)を想起する。
 地球温暖化させる2酸化炭素などのガスを先進国が協力して1990年を基準年に5%削減する(日本は6%)。そして各国は省エネルギーを推進し,化石燃料の消費を抑制する。
 このまま放置すると地球温暖化により気候が変動し,水資源の格差が世界的に拡大し,干ばつや洪水が増加して人の生存にも影響する。よく耳にするが海面の上昇により低地が水没する。人の健康では死亡率が増加し,自然生態系では絶滅する種が増える,等々。
 いま私は何をしなければならないか,何が出来るだろうか。
 60才の定年退職を迎えて,そろそろ10数年たったポンコツ車を買い換えようかと思ったが,待て待てと思いをめぐらし太陽光発電にたどり着いた。何といっても燃料が不要であり,無尽蔵の太陽光がエネルギー源ということ。CO2など排出せずにクリーンで,4KWのシステムなら360坪に植林したと同じ効果といわれる。

太陽光発電システムとは

 さて,太陽電池の利用はまず人工衛星の電源だった。宇宙では燃料の補給は出来ないが,太陽光線がいつも降り注ぎ,もっとも適した場所。その後の研究開発で新型の太陽電池が出現し,街路灯,道路標識,通信中継基地,身近には電卓,腕時計や玩具など幅広く利用されている。
 大規模なものではゴビ砂漠に太陽電池発電所を建設して,砂漠化とエネルギー問題の両方を同時解決する検討が行われている。宇宙発電は人工衛星に太陽電池パネルで電力を得て,マイクロ波で地球に送電する,夢みたいなことがNASAで考えられ期待されている。

住宅用太陽光発電システム

 いま太陽光発電の主力は住宅用のシステムである。住宅の屋根に4キロワット程度の太陽電池モジュールを設置し,併設するインバータで交流電力をつくる。発電した電気は家庭内の負荷に利用し,余った電気は電力会社に売る。曇った日や夜間はもちろん電力会社から買う。このように家庭と電力会社は双方向的に電気の売買をする。
 これまで屋根の空きスペースを全く活用できなかったことを思えば,大変おもしろいことである。
 我が国の設置状況は1999年実績で設備容量20・9万KW,2010年目標で482万KWとしている。99年実績では世界でダントツ。
 しかし良いことずくめばかりではない。まだまだコストは高い。1993年のシステム価格は300万円/KWだったが,現在は約80万円/KW。国からの助成金は12万円/KW,差し引き68万円/KW。
 年間の発電量は1KWでおおよそ1000KWH,はてさて何年で償却できるやらシュミュレーションをたてて計算してみてはいかが。
 わが家ではいま工事中。
 太陽光発電の詳細で技術的なこと,自治体のとり組みや補助金のこと,他の新エネルギーのことなどまたの機会に譲る。 (Y生)

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