明るい小矢部の「ひろば」のコーナー
2001年7月号

子どもには、失敗する権利がある

7月に入り、学校生活は1学期のまとめの時期となりました。入学、進級した子どもたちにとって、友達づくりと学習のテンポをつかむだけであわただしく終わるというのが実感でしょう◆小学校1年生の1学期は結構過密な学習内容です。国語を例にとると、「あいうえお」の清音の46文字のほか濁音、長音などの読み書き、簡単な作文、簡単な説明文の読み取りが、1学期の学習内容です。実際には、ひらがな清音46字だけでも、正確な発音と書き順を子供の実態に合わせて行うと、6月初めまでかかるのです。どんな学習でも、新しいことを学習したら、習熟するための練習の時間や作業が必要です。しかし、教科書の内容を次々と進むだけで、学校の授業は終わってしまうのが実態です◆「子どもには、失敗する権利がある」これは、ポーランドの小児科医・教師・作家のコルチャック氏の言葉です。子供たちには、失敗や間違いを重ねながらゆっくりと成長することが許されているはずです。しかし、いつでも急がされ、間違いを許されないのが現実です◆来年度からの指導要領改訂で、学習内容は3割削減されます。しかし、手放しで喜べる内容ではありません◆今国会末に強引に通した教育三法では、優秀な子どもは飛び級も可能となり、その影で多くの低学力の子どもたちをつくってしまうのでないかと危惧されます。子どもたちの自信や確かな学力につながる学校教育にすることこそ、真の改革となるのではないでしょうか。
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