赤旗読者通信のページ
2001年7月1日号
上田ゆみ子の県議会傍聴記
小泉流「不良債権処理」で中小企業が犠牲に
今こそ消費税減税で景気回復を
6月県議会で、日本共産党の犬島県議は、小泉内閣がこの2、3年で行うとされている「不良債権の最終処理」によって富山県に発生する失業と中小企業の廃業・倒産をどのように予測しているかについて質問しました。
不良債権処理で10年分の倒産が一挙に襲う
「不良債権の処理」といいますが、不況で売上が減少し、経営難に陥っている中小企業から銀行が資金を引き上げることを意味します。これによって予測される失業者数は、60〜120万人(リサーチ機関の発表)であり、日本共産党が行った試算では、中小企業の倒産は20〜30万社になります。帝国データバンクなどの調査では中小企業の倒産は昨年一年間で、1万9千社であり、小泉内閣は10〜16年分の中小企業倒産を一挙に強行することになると、犬島氏は指摘しました。そして、小泉内閣の不良債権最終処理路線の登場が富山県の財政や政策に与える影響、また、県内の「第三セクター」の経営への厳しい影響に対する知事の所見を求めました。
知事も中小企業への影響を懸念
知事は、中小企業への具体的影響、つまり失業や倒産の可能性があるのではと懸念していると表明しました。対策としては、制度融資や信用保証の拡充など金融面での対応を図る、また、雇用機会の拡充として新規開業を支援し、企業誘致を図るとしました。そして、この「不良債権処理」の影響として、経済活動の低下、県税収入の減少が考えられるため、深層水、ITなど新規産業の育成や財政改革を進めると答弁しました。
国の政策に異論をいえない県の姿勢に歯がゆさ
私は知事の答弁を聞き、県内産業や県財政への多大な影響を県としても決して過小評価できないと危機意識をもっていながら、国の政策に異論を唱えることができない姿勢に歯がゆさを感じました。今こそ中小企業の経営を安定させ、そこで働く人々の生活を守るための積極的な政策を実行する必要があります。日本共産党が打ち出している、消費税を3%に戻して景気をよくし、リストラを規制して雇用を守り、社会保障を後退させない政策を急いで実現させなければという思いを強くして議会傍聴を終えました。