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2001年6月3日号

家電リサイクル法実施

リサイクル費用は製品価格に上乗せを

 冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機を処分すると、処分料や運搬料がとられる「家電リサイクル法」が4月から実施されました。消費者や小売業者にその「引き取り料」や運搬料まで負担させるやり方に、批判が高まっています。
 製品を製造したメーカーに処分料を負担させるならば、その経費を節約するためにも、リサイクルしやすい製品を開発、製造するようになるでしょう。名古屋市議会は家電リサイクル法に対して、「消費者の小売業者への引渡しを容易にするために、引き取り・リサイクルにかかる費用を製品購入時の価格に上乗せするよう再度検討する」よう求めています。
 3月議会で砂田市議は「国に家電リサイクル法」の改正を求めるべきだと質問、当局は「必要に応じて関係機関と協議したい」と答えるにとどまりました。

家電製品は破砕し、
鉄、アルミなどに再資源化


 回収された家電4品目は、メーカーによってAグループ、Bグループに分けて処理されます。小矢部市の場合は小売店で回収するか、消費者が直接ハリタ金属へ持ち込むことになりました。ハリタ金属はAグループのメーカーの北陸地方での処理を一手に引き受け、Bグループのものは日通が集め、名古屋の処理工場へ運びます。
Aグループのメーカー 松下、東芝、ダイキン工業、日本ビクターなど。
Bグループのメーカー 日立、シャープ、三菱、三洋、ソニー、富士通ゼネラル、アイワなど。

 ハリタ金属では、家電製品をシュレッダーで破砕し、鉄、銅、アルミなど有価物に分別し、再資源化します。家電製品ごとに再資源化率(重量比)の目標が決められています。ハリタ金属では自動車も丸ごと破砕し、再資源化する工場を持っています。鉄は大阪へ運び製鉄所で鋼材に生まれ変わり、アルミは自動車のエンジン(シリンダーヘッド)の原料になります。家電リサイクルは有用な部品の再利用ではなく、再資源化です。部品の再利用まで進むにはたくさんの人手が必要になります。

フロンガスの無害化処理もできる

 冷蔵庫、エアコンについてはハリタ金属でフロンガスを抜き、無害化処理まで行なっています。無害化処理の設備は呉西地区ではここだけで、高岡市のリサイクルセンターで抜き取ったフロンガスもここへ持ち込まれていました。

再資源化しやすいブラウン管も登場

 テレビについては、ブラウン管がガラスの原料として再資源化されます。ブラウン管には目を保護するための塗料が塗ってあるため、一つ一つ電動グラインダーを使って手作業で塗料を削り取ってから、破砕し、長野県にある処理工場へ送ります。今の新しいブラウン管はごみとなったときの作業のしやすさを考えて膜を貼り付けてあるので、はぐればよいが、これがごみになるのは10年後です。
 ごみとなったときに再利用しやすい製品をつくるには、メーカーが製造段階で対応するしかありません。そのためには、リサイクル費用を製品価格に上乗せしメーカーの負担にすることが不可欠です。

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