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2001年4月15日号

3月議会報告特集
商工業振興条例を全部改正  新・増設企業に1億円を限度に助成
新規雇用10名以上が条件


 小矢部市は企業誘致を進め雇用を増やすために、市内に工場などを新設・増設する企業に1億円を限度(県の補助金を受けられる場合は2億円)に助成することを主な内容とする商工業振興条例を全部改正しました。これまでの条例では、用地購入に対する助成となっていましたが、それに加えて、工場の建物や機械設備も助成の対象になります。
 小矢部市の商工業振興条例の一番の特徴は、助成を受ける条件に新規雇用者が10名以上いることが必要だということです。新規雇用者とは、『その事業を行うために新たに雇用することとなったもののうち、雇用した日から起算して1年を経過した日において継続して当該工場に雇用されているもの』となっています。もともとの条例が、鈴木自動車富山工場の撤退、現地法人化を受けて、市内の雇用をどう増やすのかという議論を経て、つくられたものだからです。新規雇用者が確保されているのかどうかについては、雇用保険で確認しているということです。

5年以内の企業撤退に、助成金返還も

 又、助成金を受けた企業が『助成を受けた日から5年以内に事業を休止し、廃止し、または著しく縮小し、業務内容を変更し』たときには、「その助成に要した費用の全部もしくは一部を返還させることができる」ことになっています。この精神を生かすなら、企業のリストラ解雇に当たって、自治体との事前協議を義務付けることも検討すべきです。

11年間で7億円余りを助成

 小矢部市ではこれまで、立山アルミや北陸森紙業、新日軽などに助成してきました。1988年から1998年度までの11年間にこの三社を中心に関連公共事業として道路整備などを行なった事業費総額が約3億2907万円、この3社もあわせて市内中小企業などに支払った企業立地助成金総額は7億2220万円、合計10億5170万円に上ります。

企業進出のめどがない新企業団地造成
フロンティアパーク関連公共事業の一時凍結を


今年度3億5千万円

 小矢部フロンティアパークとは、五郎丸地内で企業団地を造成しようという計画です。新しく誘致した企業に売却、賃貸を予定しています。小矢部フロンティアパーク関連公共事業として、2001年度予算に計上された分だけでも、約3億5000万円が計上されています。内訳は推進事務費が272万円、市道整備に1690万円、上水道1億3300万円、下水道1億7600万円が予定されています。第5次小矢部市総合計画前期計画ではこれを含め今後5年間で、関連公共事業に6億9900万円、企業立地助成金として4億円を見込んでいます。
 これまでの小矢部市の企業誘致は、進出する企業が決まっていて、それに支援するというやり方でした。今度のフロンティアパーク計画は、全く当てがないのに、事業だけは進めるという、『呼び込み型』です。

大家市長、「凍結は考えられない」

 3月議会で砂田議員は、進出企業の見込みが立つまで、関連公共事業は一時凍結すべきだと主張しました。しかし、大家市長は『アンケートやセミナーを開いてPRに努めている。企業ニーズに合わせ賃貸、小区画など合わせやすい手法を取り入れている』と努力していることを強調し、「平成14年度後半には分譲をはじめたいので関連公共事業の凍結は考えられない」と述べました。

自民党市議も「場所が悪い」

 予算特別委員会で、ある自民党市議も「私が社長なら、あそこへは行かない。ロケーションが悪い」と発言したり、大家市長も、「国へ陳情に行っても、『いまどき企業誘致は大変ですね』といわれている」と発言しています。日本共産党が昨年市内中小企業を訪問して経営者の意見を聴いたときも、『場所が悪い』『水がないのが難点だ』「今の経済状態は最悪だ」など同じような意見が共通して出されました。
 砂田議員は反対討論で、「フロンティアパークの関連公共事業で小矢部市が負担しても、企業進出が見込める保証がありません。税金の無駄遣いに終わる危険も懸念されます。そこで、進出企業を見込めるまで、関連公共事業の一部凍結も含めて、再検討を求めたい」と主張しました。

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