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2001年4月1日号
建設費を国が面倒見るとは言っても、結局市の借金 予算特別委員会で砂田市議
ケーブルテレビの有効性をもっと慎重に検討を
3月14日、市議会予算特別委員会の最終日質問に立った砂田喜昭議員は、小矢部市が取り掛かろうとしているケーブルテレビについて、その必要性や将来性、採算性など慎重な検討が必要だと強調しました。ケーブルテレビの建設費14億9000万円は、幼稚園から小・中学校、社会教育や保健体育に使う年間の教育予算の総額に匹敵するものです。大家市長が、こんどのケーブルテレビは1年間で市内全域にケーブルを張り巡らすことができ、その経費の大半を国が出してくれる、「宝くじに当たったようなもの」といっていることについて、砂田議員は「だからといって、十分検討しないまま安易に走り出したら、後で後悔する」と批判しました。
国の補助は三分の一
市長や市当局はその建設費(国の補助対象になるのは14億5000万円)を国がほとんど出してくれるといっていますが、国の補助金は4億8000万円だけで、市の持ち出し(一般財源)は3億8000万円になります。残りの5億8000万円余りは市の借金で、返済に当たって必要な元金、利息分を国が地方交付税を交付する際に全額計算に入れてくれるというものです。
地方自治体が借金をして事業を行っても、国が借金返済分を後で地方交付税で面倒を見るというやり方は、地方自治体に実力以上の公共事業をさせることになります。こういうやり方で国、地方自治体合わせて毎年50兆円の公共事業を行い、国と地方の借金を666兆円にも膨れ上がらせてきたのです。
国が面倒を見てくれるからという安易なやり方では過大な事業となり、後で借金に苦しむ
砂田市議は予算特別委員会で、「国が後で借金返済分を地方交付税で面倒を見てくれる」というやり方は、二つの問題を引き起こすと指摘。第一は、実力以上の事業をやり、後で借金に苦しむ。これは、小矢部市のクロスランドで経験済みだと述べました。第二は、安易に取り組み、必要性や採算性、市民の希望などを十分検討しないまま、「走りながら考える」という無責任行政になる。ケーブルテレビがその例だと述べました。
クロスランドで借金返済は3倍に。
国からの交付税は2・4倍しか
小矢部市はかつて、借金の半分は国が面倒を見てくれるからと、クロスランドに過大な投資をしました。大家市政がはじめて予算編成をした1987年度と2000年度を比較すると、市の借金返済額は3倍になっているのに、国から来た地方交付税は2・4倍にしかなりません。本来小矢部市が自由に使えたはずの地方交付税の45%が借金返済につぎ込まざるを得なくなりました。
また、市がクロスランドの建設に取り掛かった1990年以降、地方交付税ののびが少なくなっているのが、グラフでわかります。これはその頃から全国的に、国が借金奨励策を取り、その返済分を地方交付税でみることにしたからです。毎年、地方交付税の全国の総額は一定に決まっているので、個々の自治体では地方交付税の伸びが抑えられるからです。
砂田議員は、1年前に取り組んだ大分県臼杵市も同じ国の制度を使ってケーブルテレビ事業を立ち上げたが、それでも事前に住民アンケートを行なっていること指摘し、「もっと慎重な検討が必要だ」と力説しました。しかし、委員会での採決の結果、日本共産党以外の議員全員が賛成に回り、とうとう見切り発車することになりました。