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2001年2月4日号

幹がまっ二つに裂けていた
環境保全に果たす林業の再認識を ― 砂田喜昭

 「今日の北日本新聞に出ていた杉の人工林の雪害はどうなっているか」。1月26日の昼頃、日本共産党の犬島県議から私の家に電話があり、森林組宮島地区でスギの雪害を視察合で実情を伺いたいので会えるようにセットしてもらえないかと要請されました。犬島県議は、県議会農林水産委員でもあります。
 今年は久しぶりの大雪に見舞われ、1月中旬、「雪で木が倒れそうになっているが、行政で何かしてもらえないのか」という相談も寄せられました。国道八号線を通った人からも、南谷のほうで杉が真っ二つに裂けていたという情報も寄せられ、読者から雪害対策で何かしないといけないのではないかとの声も聞きました。
 そこで29日、午前10時に犬島県議、坂本ひろし参院候補、大井武福岡町議、上田ゆみ子県政対策委員長らと森林組合で落ちあい、さっそく山崎厚志組合長、竹田久信常務理事からお話を伺ったあと、宮島地区、南谷地区、北蟹谷地区の被害状況を見て回りました。
 なぜこれだけの被害になったのか、「手入れが行き届いていなかったためではない」というのが、竹田常務の言葉でした。被害が出ているところが川筋や谷間で、同じような手入れの状況でも他のところには被害が及んでいないことから、気象条件の違いではないかというのです。川水の温度が高く、水蒸気がスギの雪に凍り付いて重みを増したのでないかと推測しています。
 植林して30年から45年のものまで、そろそろ使い道がある時期に倒れたのですが、保険に入っているのはごくわずか数%程度で、後始末や補植などの費用は全部自己負担です。外国から安い木材がどんどん輸入され、木材価格が低迷している中で、保険の加入はなかなか進まないのが現実です。別所滝で倒木を始末していた林業家によると、倒木は製紙用のチップになるそうで、トラックの油代程度とのことでした。自分で始末できないと、結局、放置されたままになるようです。
 犬島県議は「山林が環境保全や水資源、農業、漁業に果たしている役割を考えると、税金を山へ入れることに理解を求めることも大切でないか」と語っていましたが、たいへん大きな課題にぶつかっていると思います。



1月13日〜18日大雪にかかる造林地被害
県林政課 1月29日現在スギの被害状況
小矢部市 宮島、南谷、北蟹谷、田川地区
被害区域面積 4.4ha(折損被害)
被害率 30%
被害本数 スギ990本
被害額 400万円
林齢 20〜30年生

福岡町 上野、西明寺、舞谷地区
被害区域面積     0.7ha(折損被害)
被害率          1020
被害本数       スギ85
被害額          318千円
林齢          2030年生

氷見市南西部
被害区域面積     2.2ha(折損被害)
被害率          20%前後
被害本数       スギ395
被害額          1333千円
林齢          2030年生

黒部市 窪野地内
被害区域面積     2.0ha(折損被害)
被害率          10
被害本数       スギ200
被害額          606千円
林齢          25年生

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