赤旗読者通信のページ
2000年12月17日号
都市計画問題学習会での経過報告
2000年11月23日に、富山県自治体問題研究所小矢部支所が小矢部市総合会館で開いた学習会の内容です。
砂田喜昭(小矢部市議)
今日はお忙しいところを学習会にお集まりいただきましてありがとうございます。
今、新富町から今石動町一丁目にかけて、16mに広げるという計画につきましては、説明会が町内で開かれているという状況です。私どもは、8月にアンケートを行いましたところ、賛成という方が3割、反対という方が3割、どちらともいえないという方が4割という結果でありました。そこに住む皆さん方自身がやってほしいという事になっていない計画だという事がはっきりしたのです。
そこで、私は、県や市としてどうしてもあそこを16mに広げたいのであれば、その必要性を十分納得できるように説明するのが筋ではないかと思います。
小矢部市の9月議会での議論の中では石動市街地と新しい8号線を結ぶ交通体系が重要だという事はおっしゃったのですが、あそこを16mに広げる必要性については具体的な説明がありませんでした。当局が説明したのは、今石動一丁目まで広げたら旧の8号線とそれから東部保育所の前を通って東部小学校の方へ抜ける道を作る引き金になるのではないかと、という話なのです。
立ち退かれる皆さんにとっては大変な話ですから、本当に意味のある公共事業でなければなりません。
お手元の方に資料がいっていると思いますが、この一番裏に「石動地区重点地区計画図」というのがあると思います、これは中心市街地整備改善活性化基本計画の中の地図をコピーしたものです。今年の6月に完成した基本計画です。この基本計画の中を見ていただきたいのですが、中央町商店街のコミニュティ道路化というところの先が、今問題になっている拡幅予定区間です。これはどういう事かと言いますと、今年の6月の時点までは小矢部市として石動の中心市街地を活性化させるためにはあそこを広げなくてはならないという気持ちになっていなかったということなのです。ですから、本当に必要性があるのかどうか、私は非常に疑問だと思っています。
あそこの道は、昭和28年に都市計画決定されて道を8m広げるという計画になっておりまして、これが昭和48年に16mという計画に変わった訳です。しかし、あそこの道は戦後すぐはバスも通る北陸道として幹線道路でありましたけれども、その後そういう通過交通、基幹交通は、旧の8号線へ振るとか、あるいは新しい桜町の新8号線に振るというような形で交通の流れが分散されております。こういう事情をふまえて、どういう町づくりをしていけばいいのか、昭和28年に作った都市計画を、そのまま進めて行くのがいいのかどうか、こうした点について、今日は野口先生の方から是非教えて頂きたい。また全国のいろんな経験も聞かせていただければありがたいなと思っております。
それと、もう一つの話はちょっと飛躍するようですが、燃えるゴミの分別収集という事でプラスチック系の容器を洗って出すようにと、来年の4月からはそういう事に徹底しようという説明会が行われております。これは、ダイオキシンとか環境問題を考えて、危ないものは燃やさないようにしよう、地球環境を守ろうじゃないかという事で、小矢部市は今、取り組もうとしている訳です。ところで、この道路を広げるとなれば、あそこでは下水道をつなぐときに家を改造された方がたくさんあるわけですね、これを壊してまた新しく建てなおすという事になれば、壊したものはどうするのか。結局ゴミになる、燃やす。小矢部市が今皆さんに家庭で協力してプラスチックのものを燃やさないようにしましょうとか、分別収集しましょうと、一生懸命やっている一方で、公共事業でそういう大量のゴミを作ってしまっていいのかどうか、こうした点も非常に私心配になるわけです。
そしてまた、その道路沿線の皆さんだけでなく小矢部市全体としても、この道路事業費が40億円とも60億円ともいわれている訳ですが、(これは国が半分、県と市が四分の一づつ負担するという事ですけれども)そういう費用は誰が出すかと言いますと、最終的には、私たち国民が税金で負担するわけです。税金の使い方として、本当に有効な使い方なのかどうか、こうした点を是非皆さんと一緒に考えていきたいなと思いまして、自治体問題研究所の方々と相談いたしまして、こういう学習会を計画させて頂きました。
今日は東京の方から野口先生に来ていただきまして、お話をきかせていただきたく、そしてまたあとでいろいろと質疑応答の時間もとりますので、充分にそうした点も聞いていただいて、自分達の町づくりをどうすれば良いか、いっしょに考えて行きたいな思っております。
以上で私の経過報告を終わらせて頂きます。ありがとうございました。
上田由美子支所長
ここで講師のご紹介をします。野口先生は1953年生まれ、神奈川県お住まいです。法政大学法学部を卒業され東京都立大学建築学科都市計画研究室研究生をへて、現在都市プランナーとして活躍されておられます。市町村の町づくり条例や都市マスタープランの作成、再開発、区画整理事業などにたずさわっていらっしゃいます。
富山県では、滑川市の町づくり条例の相談にものっていらっしゃるという事です。著書としては、「美の条例 生きづくまちをつくる」等を書いていらっしゃいます。
それでは先生よろしくお願いします。