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2000年11月19日号

砂田喜昭の学校訪問
小学校低学年ほど30人学級が必要
「今の子供は昔とは違う」と校長先生

 県が10月から再開した小学校低学年で1クラスの人数が36人以上の学級に非常勤講師を派遣する事業は、3学期になるとまた別の講師がくることになります。県教委が1学期ずつ細切れに対応するやり方に、批判が高まることは必至です。そこで私は非常勤講師を受け入れている津沢小学校と蟹谷小学校を訪ね、校長先生に「非常勤講師を受け入れて助かったこと、今後改善・充実する上で大切なこと」を教えてもらいたいと懇談してきました。

非常勤講師にはとにかく助かっている

 「非常勤講師の派遣にたいへん助かっている」、「今後の改善なんてとても言い出せない。配置してもらいさえすればたいへんありがたい」という悲鳴に近い訴えをされたことに驚きました。学校によって非常勤講師がかかわる仕事には違いがありますが、「一クラスの中に必ず何人か手の掛かる子どもがいる、全体を一人で見ながらその遅れがちな子に個別に手を差し伸べるなどとてもできるものではない」「昔は40人、50人のクラスだったというが、当時と今の子どもとは全く違う」と切実な現状を訴えられました。

短い勤務時間改善が今後の課題

 その上である校長先生は、「もうひとつ効果をあげるとすれば」として、非常勤講師の勤務時間の頭打ちの問題を指摘されました(1週間平均16時間、最大29時間を越えてはいけない)。この勤務時間では明日の授業の打ち合わせができません。「時間給をもう少し下げてでも勤務時間を長くしてほしい」と、率直な意見を言われた校長先生もありました。
 1学期ごとに非常勤講師が変わることについては、「同じ人なら子どもらも様子がわかるし安心できる」と改善を要望されました。小矢部市に派遣された講師の方はいずれも教員免許を持った人でしたが、県教委は教員免許を持たない主婦を派遣する場合もあるとしています。これについては、「やはり免許を持っていることが望ましい、免許を持っているということは、学生時代に児童心理学を学び、教育実習で実際に子どもを教える経験をつんでいるからだ」とのことでした。

低学年から順次30人学級を

 2年生までこのような体制が必要だという校長先生や、「2年生になると食事の準備でもトイレの失敗でも少なくなるから、少なくとも1年生だけでも30人学級を実現してほしい」という校長先生の要望が出されました。わが党も提案している小学校1年生、中学校1年生から順次30人学級を実現していくことが、現場では切実な要求になっていることをあらためて確認できました。

学校図書室に常勤の司書が必要

 また、学校図書室の司書についても、改めてその必要性を痛感させられました。ある学校では毎朝10分間、読書の時間を持っているそうです。小杉町では全部の学校で10分間の読書の時間を設け、学校図書室に司書を配置しているそうです。私は、教育長が市議会で「ボランティアで司書を配置したい」と答弁していたことを校長に紹介しましたが、「司書は一日中必要だ、本来学校の図書室というのは、授業でわからないことを調べるためにあるので、昼休みや放課後のためにだけあるのではない」と指摘され、認識を新たにしました。

教育に費用を惜しんではならない

 教育とは、人が人を教えることで、30人学級の実現や専任の司書職員配置など教職員の人件費を惜しんでいてはなりません。教育条件改善のために頑張らねばとの思いをますます強くした学校訪問でした。
     (砂田喜昭)

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