赤旗読者通信のページ
1999年12月12日号
奈良文化財研究所を視察して1999年12月議会で質問した内容です。答弁も含む
砂田議員 桜町遺跡で発見された2千数百年前の屋根を保存処理して再現すれば日本最古の木造建築となります。あるいは世界最古の木造建築になるかもしれません。そのためには出土した木製品を使って屋根を復元しようという将来的な展望のもとに、着実な手立てを取っていく必要があります。
大家市長 屋根については樹皮やススキを利用しており素材自体がきわめて脆弱で結局土ごとに取り上げざるを得ない。屋根の実物を立体的に復元展示する事は現状ではきわめて困難。なお、出土状況の復元については、詳細な実測図を作成しているので充分に可能である。
砂田議員 木材の保存処理の施設が必要です。奈良文化財研究所の話では保存処理のための施設は1、2メートルの木柱を処理するのであれば処理槽は500万円から1000万円でできる、維持管理費も年間50万円程度とのことでした。大きいものは専門の機関に委託すればよい。保存処理を他の研究機関に委託する費用に比べると断然有利だとのことでした。余裕があって全国の他の地域の木材などの保存処理を行えばそれなりの収入も見込めるようです。
大家市長 保存処理施設の建設は、その設備規模や人員配置など検討すべき課題がまことに多く、施設のありようについては関係機関と協議していきたい。
砂田議員 そのためには保存処理を専門にする専任の職員が1ないし2名必要です。大量の木製品が出土している桜町遺跡ですから、その必要性はきわめて高いといえます。
大家市長 保存処理業務の継続期間、発掘調査量の見通しと調査体制の在り方など総合的かつ慎重に検討した上で判断すべきだ。
砂田議員 十数年、あるいは数十年という長期的視野で調査・研究・展示を考えていかねばならず、埋蔵文化財センターの設置も重要になります。財政的には国、県の支援が欠かせません。
大家市長 桜町遺跡周辺整備とあわせた展示施設構想の一環として総合的に検討する必要がある。専門的視点とともに街づくりの観点も求められており、保存処理機能や研究センター機能だけでなく、家族で楽しめる体験ゾーンやボランティア活動の支援機能など様々な期待が寄せられており、この中のどのような機能を重視するのか、どのような補助制度を活用するのか、国・県の指導もいただきながら十分な検討が必要である。