ケルシー

 

 ケルシーは、カナダのトロント近郊の町Collingwoodの、もうすぐ17歳になる女子高生。そこのYMCAに所属し、横浜YMCAの招待で来日した。我が家にとっては、久々のYMCAからの依頼によるホームステイの受け入れであった。7月30日から8月5日までの1週間我が家に滞在した。

 仲間12人と引率の職員2名と一緒の来日。初日、妻と一緒にYMCAまで車で迎えに行くと、カナダ国旗と日の丸を半分ずつくっつけた国旗を染めた揃いのTシャツ姿で登場。日本に来る前に1週間イタリアに旅行していたということだが、その晩は元気に家族のことや学校のことなどを元気に話してくれる。お土産にメープルリーフの模様が付いた真っ赤な帽子や靴下、マグカップなどをそれぞれペアでいただく。お母さんと一緒に選んだとのこと。ちなみに、お父さんは株の仲買人で、お母さんはその秘書、高校での得意科目は「ビジネス」とのこと。友達にメールをしたいからというのでノートパソコンを貸すと、その操作は目を見張るばかりであった。

 翌日の日曜日は、さすがに疲れたのか、昼頃起きてくる。せっかく日本にきてもったいないのでどこでも連れて行ってあげるというと、まず原宿を希望。早速妻と二人だけで送り出すと、夕方遅く、にこにこ顔で帰ってきた。竹下通りやキッディランドでたくさんのお土産を買ったという。

 ホストファミリーとしてやってあげることは、毎日、朝夕の食事提供と、フリーの日(31日(日)と4日(木))対応。そのほかの日は自分で地下鉄に乗って関内のYMCAまで行き、仲間と様々な行事で過ごす。今回来日の一番の目玉は2日(火)の愛知万博日帰りツアーで、その日は早朝5時に起床して地下鉄新横浜経由、新幹線で名古屋まで行って夜10時頃帰ってきた。「仲間の一人が怪我をして車いすに乗ったので、自分たちはその付添ということでどのパビリオンも並ばずに入れた」などと、屈託がない。

 もう一日のフリーの日である4日には私も仕事を休んで付き合うことに。希望を聞いたら富士山を見たいと言うので、箱根にドライブし、ついでに温泉に入ることとした。あいにく霞んでいて富士山は見えなかったが、小涌園のユネッサンスという、水着で入れる温泉には大喜び。温泉に入るのは生まれて初めてと言いながら、緑の間に点在するコーヒー風呂や緑茶の風呂、ワインの風呂など10以上のいろいろな湯に丹念に入っている。一緒に並んでウオータースライダーを滑ったのは私にも良い思い出となった。 
 昼食に、これも生まれて初めてという「山菜そば」にチャレンジさせたが、「とてもおいしい」ときれいに食べてくれたのはうれしかった。ちなみに、ケルシーは、ベジタリアンというわけではないが、赤い肉は嫌いと、牛肉は一切口にしないので、滞在中はすべて魚かチキンか豚肉料理とした。

 5日に帰国。その日の昼にYMCAで開かれたお別れパーティに、あいにく急用ができて妻が参加できず、会場まで送り届けるだけになったのは気の毒であったが、私たちに感謝の便りを残してくれていた。
 我が家も、娘が結婚して家を出て、夫婦2人だけの生活となったが、海外の若いビジターともまだまだ話も合って、喜んでもらえるというのが分かったのは収穫であった。

原宿竹下通りで 原宿キッディランド前
横浜のレストランで 箱根小涌園ユネッサンスの横