バイク道楽日誌 No.35
 2001年6月13日(水)〜    「大型自動2輪教習 第2段階」
(教習第3日 第2段階の1時間目)
 第2段階の初めは法規走行。練習コースの6というのがそれで、検定のスタート地点から手順を踏んで発進し、交差点、踏切、見通しのきかない道路から他の道路への進入など、一時停止や進路変更、左右の確認などがてんこ盛りのコース走行。
 教習コースというのはいわばバーチャルな空間で、電車も来ないし、歩行者もいないなど、現実的に考えていたら何とも馬鹿らしい動作の連続であるのだが、ここは割り切ってきちんとやれるようにならないと検定試験に受からない。
 ひとしきり法規走行をやった後、S字とクランクの練習をする。通過は問題なくできるようになったので、今回の重点は、S字とクランクから走行車線に出るときの走行ラインの膨らみの矯正。
 左折の時にどうしても大きく膨らむのだが、指導員からは、S字やクランクの通過途中の段階から、走行車線に出やすいライン取りをするようにとアドバイスされる。出口のところでではなく、通過途中から走行車線の左右の安全を確認し、もし対向車が来ている場合には、出口の3,4メートル手前で止まって待つようにとも言われる。とにかく、出口から直角に出ないようにする対策が必要のようだ。
 S字とクランクは、進入後のウインカーの消灯、走行車線への進入のためのウインカーの点灯、パイロンに当てないよう注意しながらの走行、走行道路の左右の安全の確認、対向車がある場合の1速へのギアチェンジとブレーキング、加えて、走行車線にスムーズに出るライン取りと、短い時間でやることが多くて、決して楽な課題ではないことを再認識する。

(教習第4日  第2段階の2時間目)

  午前中所用があったため、今日は2時間とも午後遅くからの連続教習。午後はつい緊張感がなくなり、先週のようにこけたりしたら大変なので、気休めとは思いながら、リゲインを一本飲んで行く。我ながらおじさんっぽいこと、この上ない。

 普通2輪の茶髪の若者と2人で、急制動の教習。最初に指導員から「ルール」の説明がある。40キロ以上出して、乾燥路では11メートル以内で止まるとか、いろいろ説明がある。何か質問は?というので、「40キロ以上出ているかどうか、どれかランプを見れば分かりますか」と、バカな質問をしたら、「ランプは点きますが、それは検定員が見るもので、皆さんは速度計で40キロ以上出てるかどうか確認してください」と、あきれ顔をされる(ちなみに、教習車には前後に、デコレーションランプがいっぱい付いていて、何速で走っているか、前ブレーキをかけたか等が分かるようになっている)。

 「この前は検定の時、60キロで走ってきて転倒し、あそこまで滑っていって、ヘルメットのお陰で怪我はなかったが、標識の柱で頭を強打した人がいた。メーターでよく確認しながら走り、くれぐれもスピードを出しすぎないように」とか、ブレーキを強くかけすぎて、タイヤがロックした場合の危険性とかを注意され、緊張感が高まる。普通2輪の若者は、「おっかねーなー」とつぶやいている。

 緊張する科目ではあるのだが、実は私は急制動には自信を持っていた。と言うのは、本来、制動の動作は指定された地点に前輪が達してから開始するのだが、「アクセルは2、3メートル手前から戻す」という裏技をある人から教えてもらっていたからだ。普通2輪免許の教習の時もこれで問題なく終了した。手前から戻しても、通過速度は変わらないし、外からもその動作は分からない。 ところが、今回もその技を使って、停止線の11メートルにかなりの余裕を持って止まったところ、前から見ていた指導員に、「アクセル戻すのが早すぎます。あのポールに達してからにしてください」と、あっさり見破られてしまった。

 普通2輪教習の時と違い、その後、公道を走りスピードになれているためか、今回の教習では、指定速度の40キロ以上というのが少しも速い速度に思えない。余裕を持ってメーターを確認できるし、ブレーキの操作もできるのだが、アクセル操作のインチキをしなくなってからは、なかなか停止線前に止まれない。少し強めにブレーキをかけると手前に止まれるのだが、たいてい「タイヤがロックしていましたよ」と指摘される。

 途中で指導員に、中型に乗り換えてやってみるように言われる。いつも乗っているCB400だ。大型よりも簡単に停止線前に止まることが出来る。大型、中型の比較体験だ。「大型は中型よりブレーキの距離が多くなるのがよく分かったと思います。これがリッターバイクやハーレーのようにもっと重たいバイクでは、もっと距離がかかると言うことです」とのこと。本当にそうなんだろうか。大型には大型のブレーキを付けたりすれば、技術的に解決できそうなものだが。

(教習第4日 第2段階の3時間目)

 連続教習の2時間目。この教習所では毎回指導員が変わるが、よく引継がなされている。前の時間の終わりに、「次の時間は検定コースの1を走りますから、よくコースを覚えておいてください」と言われ、休み時間にコース表を指でなぞりながら丸暗記に努め、やや覚えたころ、次の指導員が「覚えましたか?」と、タイミングよく現れる。まだ波状路を教わってないが、いよいよ検定コースを試走することとなり、ファイトがわいてくる。

 検定コースの1号は、S字とクランクがいずれも出口から走行車線に左折して出るようになっている。事務所前から発進して、外周を回り、坂道発進、信号のある交差点、S字、クランク、見通しの悪い交差点、踏切、急制動、一本橋、スラロームをこなして、再び事務所前に戻って終了。本来は、急制動の前に波状路が入る。

 最初の一回は指導員が付いてきて、あとは1人で練習するよう言われる。この1人で練習が好きだ。見られているとつい緊張するが、1人だと、ここはこういう風にやってみようなどと、自分のペースでいろいろ試すことも出来る。それにしても、まだまだすべてぎこちない。いずれの課題も即検定中止になるような失敗はしないが、減点を取られるだろうということばかり。何回か繰り返した後、また指導員が付いてきてチェック。いろいろ言ってもきりがないと思われたのか、S字を出た後のふくらみを注意されただけであった。

 検定コースの練習の後は、急回避というのを行う。40キロ以上のスピードで走ってきて、指導員が赤旗を上げたら左に回避、白旗を上げたら右に回避、両方いっぺんに上げたら急制動というもの。赤旗を左手で上げたら素直に左に行けるが、赤旗を右手に上げても左に回避しなくてはならないので、ややこしい。反射神経を見られるところであるが、私の場合、指導員が赤旗も白旗も素直な上げ方だけをしてくれて、問題なく終了。

 次いで、30キロのスピードでブレーキングをしないままカーブを走行するという体験。指導員はカーブになるとぺたりと車体を寝かせ、きれいにクリアーしていくが、私は寝かせ方が足りないのか、どうしてもふくらんでしまう。それでも、反対側の車線にはみ出すほどではない。

 教習終了時のコメントは、「S字を出るときのふくらみを直すように頑張ってください」と、「急制動の時、スピードが50キロくらい出ています。速度計の針が40キロを少し超える程度でよいのですから気を付けて」の2点。次回は波状路とのこと。

(教習第5日  第2段階の4時間目)

 教習開始前、指導員から、「今日は最初に波状路を練習してから、それを入れて検定コースの2を走ってください」と言われる。「え、2ですか。検定コースの2をやるとは聞いてなかったので、全然覚えていません。昨日、はじめて1をやったばかりです」と言うと、「1をやれば次は2というのが当然でしょうが・・・」とおしかりを受ける。それでも、「教習前のちょこっとした時間でコース覚えるのは難しいですよ・・・」と口答えをすると、「家では予習しないんですか」と言い返される。「えっ、コースを書いたプリントかなんかいただけるんですか」と驚くと、「最初に入校式の時に渡してあるでしょう」と言われる。そこまで言われてはじめて、最初にもらった「大型2輪免許ハンドブック」という本の後ろのほうに確かにコース図があったなと、やっと思い出す。「仕方ないから、今日も1号コースで行きましょう」と言われ、自分のうかつさを反省することしきり。

 実は、大型教習で一番不安に思っていたのが「波状路」であった。他の科目は普通2輪教習時にもやるが、波状路は大型だけの科目だ。延長10メートルくらいのところに高さ5センチの突起物が不等間隔で9本置いてあり、それを、スタンディングの姿勢で5秒以上をかけて乗り越えていく。この「スタンディングの姿勢」というのが何となく怖い。大型バイクにまたがって乗るのがやっとなのに、立ち上がった姿勢で制御できるのかどうか、一度もやったことがないので不安がよぎる。最初は、センタースタンドをかけてステップに両足の土踏まずを乗せて立ち上がり、少し腰を下ろしてひざでタンクを強くニーグリップして、お尻も膝の上あたりまで前に出すという、スタンディングの練習。お尻が後ろにある「へっぴり腰」になりやすい人が多いので、気を付けるようにとの指導。

 「ではやってみましょう」と、指導員の模範演技の後、早速やらされる。ところが意外と、あっさりと出来た。「まだ腰が引けています。それに、時間が少し早い。クラッチをつないだままではスピードが出過ぎるので、クラッチは切ったり、半クラッチにしたりで速度調整してください」と言われたことを取り入れながら練習を繰り返すと、ほぼ問題のないレベルに達した(ようだ)。一番気にかかっていた波状路が出来て、心が軽くなったところで、大きな石ころが敷き詰められた「悪路走行」、不等間隔スラローム、狭路のUターンと、任意科目をいっぺんに習う。この三つの科目で出来なかったのがUターン。ハンドルフルロック状態で幅4メートルくらいのスペースをUターンする。指導員はパイロンの手前を余裕をもって出来るのに、私はパイロンの外側にふくらんでなら出来るが内側はどうしても無理。指導員のやり方を見ていると、半クラッチでアクセルを吹かせながらバランスを取っているし、ハンドルだけでなく、車体も寝かせている。しかし、これはできなくてもそれ以上追及されず、検定コースの1の走行に移る。

 コース走行は、コースを途中で間違えたりしながらも、課題は何とかこなして、終了。教習簿を返してもらうとき、指導員が「次はシミュレーターを受けてください」と言うので、「連続で次の時間も予約を取っているのですが、次の時間でシミュレーター受けることが出来ますか」と聞くと、「シミュレーターは週何回か、特定の時間になっていますので、配車係で予約してください」と言われる。「それでは次の時間に予約しているのは・・・」とつぶやくと、「キャンセルしてください」とのこと。先述した「ハンドブック」をあとで開いてみたら、第2段階の技能教習を4時間受けたら、シミュレーターを受け、それが終わらないと残り2時間の技能講習を受けられない仕組みとなっていた。いやはや。

(教習第6日 第2段階の5時間目)

 この時間はシミュレーター。平日しか空いていなかったため、仕事を休んでの参加となる。いつもの控え室で待っていると、ゼッケンを付けずに待っている人(シミュレーター組)が私の他に2名いる。1人は初めて見る顔で、意外や、50歳くらいの感じ。もう1人は、30歳位の女性。背が高く、足が長い。指導員が来てシミュレーター室に連れて行かれ、まずは筆記台付きの椅子に座って、本を渡される。

 交差点を直進しようとするオートバイがあり、信号は青、オートバイの斜め前にはトラックがおり、右折しようとしている。この絵を見て、「オートバイに乗っているのがあなただとしたら、この場面で、次にどのような危険を予測しますか。各自、10個ずつ考えてください」と言われる。5分位考える時間を与えられた後、まず、もう1人の男性氏が回答を求められる。「トラックの陰から右折してくる対向車がいるかもしれない、左横から歩行者が飛び出すかもしれない、くらいかなあ・・・」と、2個しか言わない。次いで私に回答を求められたので、「その他としては、左から信号無視の車が来るかもしれない、トラックの後ろに付いていた車が、左折しようとして自分の前に出てくるかもしれない、くらいしか考えつきません」と言うと、「もっとないか」と迫られたので、「路面にオイルのようなものがこぼれていて、スリップする、なんてのはどうでしょう」」と適当なことを言う。最後に女性が「もう全部出ちゃったので・・・」と笑ったところでおしまい。指導員の模範解答は、「信号無視で横から飛び出してくるのが、車の場合、自転車の場合、バイクの場合、歩行者の場合と分けて答 えればすぐ10個くらいいくでしょうが」というもの。なんだかしまらない問答だが、要するに、交差点には危険がいっぱいという話。

 次いで、いよいよシミュレーター。先ほどと逆に、まず女性が実物そっくりのバイクにまたがり、目の前の画面を見ながら、次々と現れる危険な場面をブレーキをかけたり、ハンドルを切ったりしながら避けていく。この女性はなかなかうまく、一度も衝突をせず、無事駐車場にたどり着いた。2番目は私。普通2輪の教習の時に衝突ばかりで完走しなかった苦い経験があるので、慎重に進むが、結局、トラックや自転車に計3回も衝突して、駐車場へのゴール前に終了となる。最後にもう1人の男性氏が乗るが、この人は、右折や左折についての機械から流れてくる女性の指示を何度も間違え、コースを戻されたりしながらも、1回しか衝突せず、無事駐車場まで行き着く。機械相手とはいえ、又も完走できなかった自分が情けない。

 時間が余ったので、指導員がリードしながらのバイク談義。女性は、普通2輪の免許は持っているが、バイクは持っていないとのこと。それにしては(シミュレーターで見る限り)とてもうまい。もう1人の男性は、バイクは持っているが、「ここのところ全然乗っていない」という。なら、なぜ大型免許を取りたいのだろう。私は、毎回教習所にバイクで通っていて、一番条件が良いはずだが、うまくないのはなぜだろう・・・。指導員は、リッターバイクに乗っているようだ。プライベートに乗っているときも教習生に教えるように、法規走行を守っているのだろうか。それとも思いっきりかっ飛ばしているのだろうか。聞いてみたかったが、遠慮した。

(教習第6日 第2段階の6時間目)

 いよいよ技能教習も大詰めに近づき、この時間は検定コースの1号と2号の両方をやりますとのこと。前回、コースを全然覚えてこないで叱られたのに懲りて、ハンドブックの巻末に小さく載っているコース図を拡大コピーし、大きなパート別に違う色のマーカーで線をなぞったものをつくり、ここ数日、朝晩の通勤時間を利用して暗記に励んだ。その成果を試すべく、絶対の自信を持ってコース走行に臨んだのだが、法規や課題走行に夢中になっているうち、記憶が空白になる一瞬があり、最初の1回はミスコースをしてしまう。おまけに、5,6日、間があいたためか、一本橋で脱輪してしまう。

 指導員の注意もだんだん細かくなってきて、スラロームを終了後、走行車線に戻るときのライン取りが悪いとか、ゴール地点での停車位置をもう少し前になど、今まで指摘されなかったことをいくつも言われる。そのたびに、「こんなところで減点を食うのは惜しいでしょう」などと脅されると、ますます緊張する。それでも、言われれば、その後の走行では少し注意して、だんだん洗練されていくように感じる。「波状路はなかなか良いですね」など、ほめ言葉もいただく。ただ、急制動で停止線の1,2メートル手前で止まれていたので安心していたのだが、「もう少し制動距離を伸ばして、停止線近くで止まってください」とのこと。「??」と思っていたら、「ブレーキが強過ぎる。うまく行くときはよいが、ロックする危険性のほうが高い」とのこと。加減が難しいものだ。

 教習終了後、家に戻り、種々思案する。規定時間内で終わるなら、明日の1時間で第2段階の見極めとなるので、あさって日曜日の卒業検定を受けられるのだが、果たして見極めをもらえるかどうか。可能性は半々だ。ただ、もし見極めをもらえたとしても、検定に一発で受かるほどの実力はまだない。今日も一本橋で脱輪したり、クランクでもたついたりしたではないか。もし検定に落ちたら、1時間の補習が義務づけられるし、次の検定は水曜日となるが、そうそう仕事を休んではおれない。結局、私が出した結論は、とりあえず明日は2時間分予約をする。1時間目で見極めをもらえたら、このような制度があるかどうか分からないが、無理にお願いして、あとの1時間は検定のための練習をさせてもらう。しかし、もし最初の1時間で見極めをもらえなかったら、2時間目になんとしてももらえるよう頑張る、というもの。まさか、2時間目も見極めをもらえないという展開は・・・考えたくない。

(教習第7日 第2段階の7時間目)

 朝一番の教習。早く着きすぎたので、教習所の自転車とバイクの置き場で白線を一本橋に見立てて自分のバイクで練習していたら、私のよりバージョンが古いCB400に乗った若者が来て、見ている。その若者も大型教習生で、2輪の控え室にいるときにひとしきりバイク談義をする。彼は、大型免許を取ったら、CB750か、CBR600を買いたいというので、それなら絶対CBR600の方が良いよとアドバイスする。軽いし、スタイルも良い。彼は2段階の1時間目。私はこの時間が2段階の見極めだと言うと、「頑張ってください」と励ましてくれる。

 今日は、指導員の主任のような人で、「検定コースの1号と、2号を交互に走ってください」と言うので、外周3周の慣らし後、1号から走る。途中、ふと気がつくと、その指導員は別の教習生の面倒を見ていたので、やれやれ、それでは自分の好きなように練習しようと、割とのんきに1号コースを走ってゴール地点に戻ってきたら、いつの間にやら、また私のあとを走ってきていて、「コースを間違えていますよ。1号コースのS字で左折から入るということはありませんよ」とのこと。まったく恐縮の至り。緊張感がなくなると、すぐミスをするのが私の悪い癖だ。コースもうろ覚えの状態ということを知られたので、見極めは無理か、との思いが胸をよぎる。、

 その後も、1号、2号と変わるたびに、コースを懸命に思い出しながら走り、ミスはしなかったが、走りがいかにもぎこちなくなる。課題そのものは何とかこなすが、ライン取りにいくつか問題を指摘される。

 そして、教習終了後、「今日はまだ予約は取っていますか」との問いに、「ええ、この後連続で1時間取っています」と答えると、急ににこやかな顔になって、「それではもう一時間乗ってみましょう」とのこと。要するに、もし予約を取っていなかったら、不安を抱えながらも見極めを出そうと思っていたが、もう一時間あるならばその後で見極め、という形にしたかったらしい。これで、規定時間内に教習終了という、自分にとっての「快挙」はなくなったが、実力を考えたら致し方ない。

(教習第7日 第2段階の延長1時間目)

 前の時間と同じ指導員で、また、1号、2号を交互に走ってくださいとのこと。今回は、やはり見極め待ちの、若い女性が一緒。この女性が何ともにぎやかで、始業前点検のセンタースタンドがけの時には「ヤダー、ヤダー・・」と苦戦していたが、コースを走り出してからは、何かあると、「キャー、キャー」と悲鳴を上げている。足はバレリーナ状態。しかし、結構、うまく乗っている。

 まあ、この時間はオマケで乗っているようなもので、とにかく一生懸命走るが、1時間で急にうまくなるものでもなく、技術的には前の時間と同じ程度。ただ、コースは完全に覚え、間違いは一回もなし。

 教習終了後、指導員からは、「ま、うまく行けば検定も合格するでしょう。一応これで終わりにしますか?」と、希望するならば見極めせず、さらに延長してもよいような言い方をされる。とっさに、「検定受けてみます」と宣言する。もう少し練習したい気もするが、いつまでもズルズルやってもしょうがない。ここは一か八かに賭けようという気になったのだ。太鼓判を押されての終了ではないが、見極めは見極めだ!

 指導員のハンコをもらい、事務所で明日の検定の申し込みをする。一緒に教習を受けた女性も見極めをもらい、検定の申し込みをしている。集合時間の説明や持参するものの説明を受け、一気にやる気が高まったまま帰宅。女房に報告すると、「もっと練習した方が良かったんじゃないの。中途半端で受かって事故でも起こしたら大変よ」と、気に障ることを言う。こうなったら明日絶対検定に受かって、実地で腕を上げるんだ!と、決意する。