99年11月14日(日) 「バイク考2(クルマとの比較)」
(クルマに戻った2ヶ月)
9月下旬、娘がクルマの免許を取った。「ヤングまる特」という、卒検に合格するまでは規定時間分以上の教習料は不要という特典を利用した結果?、補習はほとんどなく、あっという間に卒業した。
促成栽培のためか、本人は、免許は手にしたものの、まるきし自信がないという。そこで、このままペーパードライバーにならないよう、特訓をすることとし、毎週末ごとに私が横に乗って、娘の運転であちこちにドライブをすることになった。
おまけにそのドライブの途中、8年間乗ったクルマが不調を来たしたため、急きょ新車に買い換えたが、今度は私がその新車に夢中になり、この2ヶ月近く、バイクはほったらかして、クルマにばかり乗っている有様となった。
(クルマの再評価)
娘の運転は、高速道路への合流で高速側のクルマに急ブレーキを踏ませたり、箱根越えで後続車をずらり従える結果になるなど、肝を冷やしたり、恥ずかしかったりの連続であったが、久しぶりの父娘のドライブ自体は大変楽しいものであった。
バイクに乗り始めてからは、家族でドライブに行くこともなかったが、クルマは家族の絆を深めることを再認識した。
バイクに走った理由の一つでもある駐車難や渋滞は、ある程度覚悟して待てば必ず解決することも再発見した。実際、少し気が長くなったのか、我慢のできないような渋滞はなかった。
何より再評価したのは、バイクに乗っているときいつも感じている、転倒等、我が身の危険の度合いがまるで違うことである。身体むき出しのバイクと鉄の箱に入ったクルマとの差であるが、クルマではそれほどの緊張感なく高速移動でき、心安らかにいられることがありがたい。
(カーナビの威力)
新車はトヨタ車であるが、最近のクルマらしく、種々、先進的な装備がある。
一番画期的であったのは、オプションで付けたトヨタ純正のDVDカーナビである。カーナビは全くの初体験だが、これにすっかりはまり込んでしまった。
とにかく、自分が今どこを走っているのかが常に分かるのである。そして、目的地を設定しておけば、そこまで自動的に案内してくれる。進路がディスプレイに分かりやすく表示されるし、右左折等の指示は音声でもやってくれるから安全上の問題もない。
目的地の設定がやや面倒くさいが、全国各地を何丁目何番何号単位で特定できる。最初に自宅を登録するから、往路に比べ、帰路の設定は全く簡単であり、どこにドライブしても道に迷って家に帰ってこれなくなることはない。
カーナビの案内するルートをわざと外してみると、その時点で即座に修正した新しいルートを示してくれる。VICSにも対応し、渋滞情報等も表示する。
ハイテクの威力をまざまざと見せつけられた思いだが、ドライブにおいて道に迷う心配がないということの意味は大きい。迷わない分時間が短縮できるし、運転に専念できて安全、風景等を楽しむ余裕もできる。
あまり便利すぎて頭がぼけないかという気もするが、ペーパー地図を見て苦労するのは単なる作業であってイライラするだけだし、その時間をもっとクリエイティブな思考に当てた方がよい。
(クルマとの比較において、改めてバイクを考える)
以上のような次第で、このところクルマと深く関わったが、このことは併せて、バイクについて改めて深く考えるきっかけともなった。バイクを始めて2年、バイクにのめり込んできたが、バイクの限界や、自分の操作能力の限界等について少し気になっていた頃でもあった。
安全性や利便性という点では、バイクはクルマにかなわない。バイクでは、雨の日、酷暑、酷寒の日、夜間などに辛い思いや危ない思いをする。このような場面でもクルマは全く快適だ。
バイクは、季節も天気も良い日だけに快適に乗っていたい。これが結局はいつまでもバイクの楽しさを持続させられるコツではないか。本当のバイク好きからは「軟弱」と叱られそうであるが・・・