バイク道楽日誌No.11

98年5月16日(土)  「コーナリング特訓」

(箱根まで)

 クラブのツーリングでは、なんとか皆さんに迷惑をかけない程度にはついて行っているが、ワインディング道路になると、コーナリングの時に膨らみがちになる、直線に出ての加速が遅れがちなど、自分で問題意識を感じていた。

 そのことを、ツーリングの際に先輩会員の皆さんに洩らしていたところ、先日、松本さんから、「近いうちに箱根でコーナリングの練習をしませんか」とのメールが入っていた。場所は箱根の椿ラインというところで、「峠小僧」たちが、膝をこすりつけながらコーナリングを楽しんでいるという。

 二つ返事でOKしていたところ、今朝電話が入り、「今日ヒマだったら行きませんか」とのこと。11時に平塚のバイク量販店で待ち合わせをする。2人でいろんなバイクの品定めなどをしていたところに、一緒に行ってくれる土井さんも到着。3人で箱根に向かう。

 途中、小休止のため西湘バイパスのP.Aに入ると、ビューエルが停まっている。珍しいバイクなので、3人で「ひょっとすると・・・」とつぶやいていると、案の定、クラブの松山さんが姿を現した。ぶらっと遊びに来ていたのだという。一緒に行ってもよいというので、結局4人で箱根へ向かう。
 先ずは湯河原で昼食をとった後、オレンジラインを経た後、いよいよ椿ラインに入る。

(特訓)

 先頭が松山さんで、次が私。そして、私の後ろを土井さんと松本さんが走る。
 深い木立の中の道を、右に左に抜けながら登っていく。松山さんがスピードを上げるので、遅れないよう追いかけるが、コーナーではどうしても遅れがちになる。直線で挽回するようアクセルを全開にするが、馬力が足りないのか加速がいまいちで、差がだんだん開いていく。後ろの二人はおそらく抜きたいのを我慢して付いてきているはずだ。違うグループのバイクからは時々追い抜かされる。

 15、6分も登っただろうか、急なカーブを曲がりきると、道が広く、やや平らになった所があり、小休止となる。
 ここは椿ラインの一つのポイントになっているのか、バイクを停め、ヘルメットを脱いで寛いでいると、「峠小僧」が爆音を響かせて次々と飛び込んでくる。そして、我々の目の前でくるりとUターンしては、また爆音を響かせて下って行く。登ったり下ったり、これを何回も繰り返しているらしい。
 そのスピードといい、Uターンのうまさといい、さすがここに来る連中はすごい。見ているだけでも良い刺激となる。

 「オヤジ4人(3人は40代)、小僧たちの走りっぷりを眺める」の図であるが、その時間を利用して、3人に私の走り方へのアドバイスを求める。
 ショックだったのは、コーナーで、バイクは内側に傾けているが、体は反対側に傾いているとの指摘。バイクと一緒に同じ方向に体を向けているつもりだったが、恐がって、無意識のうちに体が逃げていたらしい。

 使用するギアについても指摘される。高いギアの方がスピードが出ると思って4速を使っていたが、むしろ3速くらいに下げて思いっきりアクセルを回した方が、加速がついて良いとのこと。きめ細かいギアチェンジも必要のようだ。
 傾け方が足りないことも指摘される。バイクは、ステップを擦るくらいに傾けても倒れないものだという。後ろからタイヤを見ると、私のは中央部の色が変わっているだけであるが、3人のはかなり横の方まで色が変わっていて、よく倒し込んでいることが分かる。

(大観山・ゴーグル誌の取材)

 長い小休止の後、我々はさらに上の、大観山に向かう。アドバイスを踏まえ、指摘されたことをできる限り是正するよう意識しながら走る。途中で、パトカーが停まり、バイクに乗った若い女性が捕まっているのが見え、あわててスピードを落とす。

 大観山の駐車場には、たくさんのバイクが停まっている。4輪よりも多いくらいだ。
 休憩所前の展望が良いところでソフトクリームを舐めながら雑談などした後、駐車場に降りてまたバイクに乗ろうとしていると、バイク雑誌「ゴーグル誌」の記者とカメラマンという2人が近寄ってきて、松本さんと土井さんに取材させてほしいと頼んでいる。

 8月号で、大型バイクに乗っているライダーの声の特集をやるのだという。松本さんの愛車は速度計の表示が320キロまでもある、ホンダのCBR1100XXであるし、土井さんのは往年の名車ヤマハのXJ750Dで、それぞれ目立つから取材の対象となったのだろうが、なぜか松山さんのビューエルは対象となっていない。国産車だけの特集かもしれない。
 2人とも、アンケート用紙のようなものに記入し、記者のいろんな質問を受けた後、それぞれのバイクにまたがらせられて、何枚も写真を撮られている。私は取材の埒外であったが、良い記念となった。 

(名車)

 土井さんのXJ750Dは、15年以上も前に発売された旧車だが、驚くほどのハイテク車だ。ハンドルの上の液晶表示板に、走行距離、ガソリン消費量、走行可能距離、平均車速など、コンピューター処理された情報が、表示を切り替えると次々と出てくる。走行性能もかなりのものらしい。 

 土井さんはこれまでたくさんのバイクを乗り継ぎ、今も複数のバイクを所有しているようだが、XJ750Dへの思い入れはかなりのもので、当面これがメインバイクになるようだ。このバイクの紹介を中心に、インターネットにホームページを開設しているともいう。
 バイクの写真と一緒にURLなどを記した私製名刺をもらい、帰宅後、さっそく「土井さんのホームページ」を開いてみる。