バイク道楽日誌No.8

98年3月15日(日)  「日本平ツーリング」

(霧の箱根)

 今日は、クラブのツーリングに初参加の日だ。毎月のミーティングを行うマクドナルドが最初の集合場所だが、江ノ島で待っていてもよいとのことなので、道をよく知っている江ノ島に向かうことにする。集合時間は6時45分なので、余裕を見ても、家を6時過ぎに出ればよいと思っていたが、早めに目が覚めたため、6時前に出発する。

 まだ夜も明けていないので、近所に迷惑をかけないよう、バイクは大通りまで押して行ってから、エンジンをかけることとする。暗い道をバイクを押して歩いていると、向こうからカブに乗ってやってきた新聞配達のオバサンが、びっくりした顔をして挨拶してくる。何となく照れくさい。

 江ノ島公園でしばらく待っていると、爆音を響かせて本隊が到着する。ほんの少し休憩し、数人の江ノ島組を含めて、まずは湘南バイパス経由、箱根に向かう。箱根口を降りた付近でさらに数人が合流し、箱根新道を登って箱根峠で大休止。そこで改めて会長から、私を含めた新入メンバーが紹介される。箱根新道の途中から霧が出てきたが、箱根峠では空も暗く冷え冷えとしている。雨か雪が降り出すのではないかと心配でならない。そんな状況下で乗ったことがないからだ。 

 しかし、三島方面に降りるにしたがい霧が晴れて空も明るくなり、気温も上がってきた。途中、道の駅での1回の休憩をはさみ、国道1号線を清水方面に向かう。

(三保の松原手前で迷子に)

 清水の手前で国道149号線に入り、最初の目的地、三保の松原へ向かう途中で、失敗をやらかした。いつの間にやら他のツーリンググループの中に紛れ込んで走っていたのだ。

 交差点で赤信号で分断された後、追いついたところに横浜ナンバーのバイクが5,6台いたものだから、迷いもしないでその最後尾にくっついて走っていたところ、三保の松原には確か左折のはずなのに、そのグループは右折する。おかしいとは思いながら、なお一緒にくっついて走ってしばらくしたら、とあるドライブインに入る。
 そこで停めて、みな一斉にヘルメットを脱いだところで、全然違うグループだということに初めて気が付いたのであった。みな若い人ばかりだ。いやはや何とも言えない恥ずかしい気持ちのまま、すぐにまたヘルメットをかぶりUターン。ひとり三保の松原を目指したのであった。

 三保の松原の駐車場の入り口付近で、佐藤さんがバイクで巡回しながら、迎えてくださる。ほかに2人まだ着いていないとのこと。私以外にも、道を間違えた人がいるらしい。

(仲間のバイク)

 今日の参加者は全部で26人。そのバイクが、ずらりと駐車場に並んだところは壮観だ。いろんなバイクがある。特に、ハーレーなどのアメリカンが目立つ。沢田さんのスティードは、個性的に改造してある。大型スクーターの人たちは、積載性がよいので、持参品が豊富だ。ポットを持ってきている人もいる。

 国産のリッターバイクに乗っている人たちも多く、参考までにと、またがらせてもらう。やはり、バリオス2に比べて横幅があり、足つきもややきついのが多い。
 牧山さんのBMWはかなり大きいが、慣れればどうと言うことはないとおっしゃる。笠原さんのBMWは、左右にパニアケースを付けているので、横幅が1メートルくらいもあり、すり抜けが大変なのではないかと思う。松山さんのビューエルという外車は、その存在も初めて知った。

 女性も2人参加していたが、そのうちの田中さんは、まだ免許は持たないが、バイクを先に買った人。今日は、佐藤さんにそのバイクに乗ってもらい、タンデムしてやってきたとのこと。250CCで後ろに人を乗せての箱根越えは大変だったと思うが、他の方に聞くと、佐藤さんはメカや走行技術等の専門家で、クラブのアドバイザーという立場の人だという。

 いろんな人が、いろんなバイクに乗って、バイクライフを楽しんでいる。

(三保の松原、日本平、登呂遺跡) 

 三保の松原の「羽衣の松」は昔と少しも変わらない。写真を撮ったりした後、食堂で昼食。ゆっくりしてから、日本平パークウエイのワインディングを楽しみながら、日本平へ。頂上からの眺望は素晴らしい。全員で記念写真を撮った後、登呂遺跡へ。

 登呂遺跡は小学校の社会科で習ったことはあるが、来たのは初めてだ。復元した縦穴住居をのぞいたり、売店で土産に安倍川餅を買ったりする。

 登呂遺跡を見終わったところで、東名高速を使って帰る人と、国道1号線を使って帰る人のグループに分かれることになる。下道の人の方が多かったが、私は、まだ経験のない東名高速を使ってみたかったため、そちらのグループに入った。

(東名高速で富士山を見る)

 静岡インターから東名高速に乗る手前のところで、他の方たちに、「あまりスピードを出せないので、かまわず先に行ってください」と言っておく。

 案の定、100キロくらいしか出せずに、皆さんからだんだん遅れがちとなる。風が強いので、大型トラックを風よけにしてその後ろを走っていたら、インターの手前でガソリンを補給していたため遅れて高速に乗った仲間が、ピッとクラクションを鳴らし片手をあげて合図をして抜いて行く。合図を返したかったが、片手を離すことができない。

 一人で走り、富士川サービスエリアに近づいた頃、大きな富士山がくっきりと目に入ってきたので、思わずそのままサービスエリアに入っていった。バイクを停めて、心ゆくまで富士山を観賞する。 

 その後、秦野中井インターを過ぎたあたりから渋滞しだしたので、厚木インターで降り、下道から我が家に帰る。寒さでこわばった体をすぐに風呂に入ってほぐすと、心地良い疲労感に包まれる。

【走行距離】    339km