98年2月15日(日)     「下田ツーリング」 

(準備)

 1月に入って二度も大雪が降ったりしてバイクに乗れない日が多かったため、購入後ひと月半経つが、愛車の走行距離はまだ800キロを超えたばかり。早く1000キロを突破しないと、初回点検を受けられないし、慣らし運転も終わらない。

 というわけで、今日は天気も良いので、距離稼ぎと割り切って、伊豆の下田までツーリングに行くことにした。片道100キロは超えるから、帰着時には1000キロを突破するはずであるので、そのままバイク屋に初回点検に持ち込むこととし、昨日予約の電話も入れておいた。

 距離的には本格的なツーリングであるので、準備は入念にする。寒さ対策に、革ジャンの下にはサンステートフリース、革パンの下にはスキー用のタイツにスキー用の靴下を着用する。タンクバッグの中には、カメラのほか、途中疲れたら飲もうと、リゲインも入れておく。タンクバッグの一番上にはビニールカバーで地図を入れるようになっているので、先日買ったツーリングマップルの伊豆半島のページを開いて入れておく。サイドバッグも、両方きちんと取り付ける。

 フル装備で、9時頃勇躍出発。今日の課題として、下田まで最短、最速のコースを通ることとし、そのため、まだ難しいと思い敬遠していた、自動車専用道路(有料道路)を徹底して使ってみることにした。

(海岸ルート)

 まず入った新湘南バイパスは、車も少なく、いくらでもスピードが出せるのだが、高架道路のせいか、横風が強くバイクがあおられる。スピードを控えめにして通過し、次に西湘バイパスへ入ったが、ここでは海からの横風が強い。スピードを90キロくらいに控えて走っていると、4輪がどんどん追い越して行く。時おり大型のバイクにも抜かされる。慣らし運転中でもあり、気にせずマイペースで走る。

 風の影響以外、自動車専用道路は極めて快適だ。信号がなく、路面の整備状況も良いので、走りやすい。飛ばさなければ、初心者向きと言える。陽が射しているので、寒くもない。
 真鶴道路、熱海ビーチラインと、海岸沿いの自動車専用道路を快調に走っているうちに、風の中の走行にも慣れて、気が付いたら、4輪に追い越されなくなっていた。

 熱海市内からは、国道135号線の一般道であるが、そこも比較的すいていて走りやすい。信号待ちからの発進をもたつかないよう、その都度、気合いを入れてギア操作する。ローから素早くセカンドに入れると同時に、アクセルを思い切り開いて加速すると、4輪の出足より遅くなることはない。
 ときおり出現するワインディング道路も、カーブに入る前の減速と、直線に入ってからの加速とを丁寧にこなしながら、4輪に煽られることもなく、抜けて行く。オートバイの醍醐味はワインディングにあるといわれるが、少し分かってきた気がする。

(下田にて) 

 それにしても、下田までは結構遠い。途中、稲取の近くの道路沿いで海を見ながら10分間ほど休憩をとったが、下田駅前に到着したときには、12時を少し回っていた。

 お腹がすいたので、取りあえず昼食をとることとし、駅前の食堂に入って、鰺のタタキ丼定食というのを注文する。鰺のタタキが丼飯の上にたくさん乗っており、茶碗蒸しと、かに足の味噌汁が付いてくる。割とボリュームがあって旨い。

 昼食のあと、駅の中の大きな土産物屋で、お土産にわさび漬けと魚の干物を買う。女房へのご機嫌とりに、ツーリングの都度、お土産を買って帰ることにしたい。

 買い物を済ませ、またバイクにまたがって、下田市内をゆっくりと流す。道が狭く、結構車も多い。旅行で何度か来たことがあるが、温泉街はやはり泊まらないと風情がわかない。下田公園まで行ったところで引き返し、1時半頃、来たときと同じルートで、帰途についた。

(初回点検)

 帰り道はあちこちでだいぶん混んでおり、特にひどい国道1号線の原宿までの渋滞をやっと抜けてバイク屋にたどり着いたときには、5時を過ぎて、すっかり暗くなっていた。バイク屋に着いた時点で、距離メーターは約1100キロ。早速、初回点検とオイル交換に取りかかってもらう。

 驚いたのは、担当するのが17,8才の若い人であったことだ。どう見ても見習い中の感じだ。まあ、いろんな整備のうち、初回点検は一番簡単なことだから、若い人がやるのであろう。
 それはよいとして、不満だったのは、ガラスで仕切ってある作業場から閉め出されたことだ。今後、自分でも多少の整備はできるようになるため、作業の模様を後ろで眺めていようと思っていたのに、工場の主任みたいな者が、「お客さんは外に出ていてください」と言う。
 子供の頃、自転車屋でパンク修理をやってもらいながら後ろで見ていて、自分でもできるようになったようなことは、今どきの量販店の整備のシステムの中では無理らしい。

 1時間足らずですべての作業が終わる。引き取りの日、なかなか乗り出せなかった国道1号線に、今日は悠々と乗り出す。

【走行距離】  286Km