一日目 U(犬吠の地で、海風と海水を受ける)


 犬吠で下車して、早速犬吠埼へ行こうとしたら、こんなことを聞く。
 『雨降ってる』
 空を見たら、雲の間から僅かに青空も見える。とても雨が降ってるような天気とは思えないが…。そう思って外に出てみ
ると、確かに小降りながらも雨が降っていた。しかしながら空は明るく、時折晴れ間も見える。俗に言う「狐の嫁入り」という
天気だ。個人的には晴れなのか雨なのかどっちつかずのこの天気はあまり好きではない。行く気力も若干薄れてきたの
で、雨が止むまで犬吠駅の構内で待つことにした。

 数分経って行く気力が戻ってきたので、駅を出て犬吠埼へ歩く。まだ雨は降っていたのだが…。歩いてる途中、「雨が
降っているのならどっかに雨雲があるはず…」と思って空を見上げたが、それらしき雲は全く見当たらなかった。何なんだ
この天気は…。
 5分ほど歩いて海がよく見える所にたどり着いた。非常にいい風景の場所があったので、まずはそこに行った。雲間から
光のカーテンが降り注いでるのもいい感じである。さらに少し歩いて海沿いに降り立った。北側には岩場の道が、南側に
は遊歩道が続いている。どっちの道を先に行くか迷ったが、岩場の方へ行くことにした。

 岩場に入ってすぐの所は特に難なく歩けたのだが、奥に行くごとに段々きつくなってきて、これぞ「自然のアスレチック」
状態に。写真じゃ伝わりにくいが、軽く傾斜になっている所や、さらには崖みたいにになってた所まであった。歩いてみて
「もしかしてここ立ち入り禁止じゃないか!?」と思うほどだった。でも見たところそのような旨を伝える看板なんてどこにもな
かったから行ったわけなんだが…。そして岩場を歩いてみて一番思った事は、「僕みたいなおっちょこちょいはどっかで絶
対転ぶな。」

 少し歩いて引き返し、続いて南側の遊歩道へ…とその前に波打ち際を撮影。ここ最近海沿いに行くと必ず波打ち際を
撮ってるような気がするが、ここは今まで行った場所よりも波がはるかに強く打っている。しかも、奥の方は遊歩道にまで
見事に波がかかっていた。ここまで強烈な波の打ち方は初めて見るので、波が打つタイミングを見計らって写真に収めた
ところ…。
 ザッパーン!!!!
 ………見事に海水を被ってしまった(笑 当然カメラもびしょ濡れだったが、幸いにも何とか一命を取り留めた。カメラは
生活防水しかしてないのでかなり焦った〜。そんなわけでタオルで体を拭くなどの応急処置をした後、さらに奥に進む。す
ると、トンネルがあった。こういう遊歩道でトンネルというのも初めてなので、これも新鮮だった。トンネルの中に階段があっ
たのもまた面白かった。

 トンネルを抜けてすぐの所まで行き、来た道を引き返す。トンネルを抜けて少し歩くと、最大の鬼門が待っている。さっき
モロに海水を被った、波がかかりやすい遊歩道である。ここは結構頻繁に波打っているが、逆に言えば波が打ってない間
に急いで駆け抜けないと大変なことになる。しかも地面は濡れて滑りやすく、条件はあまり良くない。タイミングを見計らっ
て、波が落ち着いてきたその時。一気にダッシュ!!そしてどうにか走り抜けたその時、大波が…。いや〜危機一髪だった
わ。

 そろそろ腹が減ってきたところなので、昼食を食べる所を探す。当初の予定では犬吠埼マリンパーク内で食べることにし
ていたが、犬吠埼の近くにもいい店がありそうなので、そこで探すことにした。あっさりと食堂を見つけたので、そこで海鮮
丼を注文した。この店からは海が見えたので、海鮮丼が運ばれてくるまでは海を眺めていた。10分ほど経って海鮮丼が運
ばれてきた。丼の他にも味噌汁やお新香、さらには玉ねぎのサラダまであった。肝心の海鮮丼の味だが、海老を食べるの
に難儀したものの、かなり美味だった。ちなみに、半分以上食べ終わるまでしょう油をかけるのをすっかり忘れていた…(笑


犬吠埼付近にあった高浜虚子の句碑

水面との高低差はかなりのものだった

やっぱりここでも波打ち際の撮影に夢中

遊歩道の奥にあったトンネル、その中にあった階段

左写真の場所から撮った風景

「自然のアスレチック」から海を見る

この後、悲劇が…

お遊びショットin食堂

 満腹になったところで、次は犬吠埼灯台に登る。入場料(犬吠埼灯台の場合、本当は入場料とは言わないが、正式には
何ていうか忘れた…)200円を払い、99段あるという階段を上る。階段は灯台らしくらせん階段で、随所にイラスト付きのメッ
セージが書いてあったのもまた面白い。写真では「休憩しながら行きましょう」と言ってるが、まだまだ十分歩けるため休ま
ずに行く。でも後半になってくると足が疲れてきた…。そして少し疲れながらも99段の階段を上りきった…と思ったら…。階
段自体は全く違うものだったが、まだ階段が続いていた。つまり、大雑把に言うとこの階段、99段ではない。

 そしてようやく階段を上り終え、展望台に到着。天気が回復したこともあって、眺めはかなり綺麗…ではあったが、感覚
的にかなり高いし、それに何より海風が強く吹きつけて…。「落ちちゃうんじゃないか」と思わせるほどのスリルがあった。な
るほど、ここは高所恐怖症の方にはあまりオススメできないな。僕も高所恐怖症のため怖かったが、それでも楽しまなけ
ればわざわざ登った意味が無い。ということで、恐怖心に負けずに灯台からの景色を眺める。

 東を見ると太平洋が、北西には銚子の街の景色が広がっていた。街の方を見ると、奥には風車や工場群が連なっている
のが見えた。そして犬吠埼灯台から見る大海原は非常に素晴らしかった。眺める場所によっては視界のほとんどで果てし
ない水平線が広がっているというところもあった。これは本当に素晴らしかったので、何度も何度もシャッターを押した。い
や〜晴れてよかった!ちなみに灯台の宿命なのか、展望台はかなり狭く、人間2人通るのがやっとだった。なので通る時
は左回りの一方通行最初から決まっていたが、風景を眺めるために右へ左へ動いたため、しばしば逆行していた…。

 灯台からの眺めを心行くまで満喫したところで下へ戻る。ついでに灯台に隣接していた展示室にも行き、その後再び犬
吠埼へ行った。


次に訪れたのは犬吠埼灯台

99段登り終えた後、まだ階段が…

灯台からの眺望A 地球の丸く見える丘展望館方面

銚子の街並みをズームアップして撮影

らせん階段にはこんな助言が書かれていた

灯台からの眺望@ 銚子市街地方面

灯台からの眺望B 太平洋の大海原

銚子ポートタワーもズームアップして撮影

<一日目 V>
この旅のプロローグ
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