<三日目 その3>

 ご存知の方も多いかもしれませんが、このトロッコ列車は1997年に廃
止された旧信越本線の下り線を活用しています。そんな線路をしばらく
走っているうちに丸山変電所が見えてきました。丸山変電所は左車窓に
見えると予想していたので、ちょっと意外な展開。
 というわけで丸山変電所の前にある乗降場に到着。駅名票はシンプル
なものでした。この乗降場はどうやら「丸山」と名乗っているようで、平仮
名で「まるやま」と書かれた文字がなんか可愛らしい。ここでは5分ほど
停車するので、一旦降りて気分転換です。
 碓氷峠のトロッコ列車に乗ってると、列車自体を撮影できるチャンスは
そう多くありません。丸山変電所付近での5分停車はそれこそ貴重な
チャンスなので、ホームの外から撮影。記念撮影中の乗客がちょっと
写っているのは仕方ないところですな。
 ちなみに写真は最後尾で撮影。間違いなく「何で機関車が一番後ろな
のか」と疑問に思われますが、このトロッコ列車の場合は下りだと動力
がついてる(はずの)トロッコ客車が一番前になるんだよっ!
 こうして5分のインターバルが終わり、列車は再び発車。このトロッコ
列車は終始旧信越本線の上り線を活用した遊歩道と併走しますが、終
点峠の湯が近づいてくるとご覧の通り遊歩道と若干離れた感じになりま
す。ていうか旧上り線の遊歩道、この写真だと今にも列車が走ってきそ
うな雰囲気に見えるのは自分だけでしょうか。
 そんなわけで終点の峠の湯駅に到着。トロッコ列車の旅はここで終わ
りますが、ここからさらに西下。案内板にあるめがね橋まで歩いてみま
す。つまり、このトロッコ列車への乗車も、めがね橋訪問の一部として予
定に組み込まれた………なんて話は否定できません(苦笑
 峠の湯からめがね橋までの遊歩道も廃線跡を活用します。というわけ
なのか、こういったトンネルもいくつかあります。トンネルを歩いて通ると
いうのはなかなか経験しないことなので面白いですが、その反面、場所
によっては水滴が…。。。普段カメラを首にぶら下げて旅していますが、
そのカメラに水滴が落ちたら一大事。なのでその辺りは注意しながら進
みました。
 しばらく歩いてると、こんな光景を発見。草が生い茂ってる中にある線
路跡・さらによく見るとその奥にも線路らしきものが。でも線路にしては
間隔が狭いけど………といったところで種明かし(大体バレてるけど)。
これはアプト線時代の信越本線旧線の線路跡ですね。
 こうして峠の湯から歩いて30分、ようやくめがね橋(正式名称:碓氷第
三橋梁)に到着しました。写真は橋から撮影した風景ですが、見事なま
でに山奥感が漂いまくりですね〜。ちなみに奥にポツンと写っているの
は1997年まで使われていた新線の橋梁です。
 階段を下りてめがね橋の前に来てみました。って、やっぱりデカい…。
この碓氷第三橋梁は信越本線旧線の橋梁としては1963年まで使用さ
れました。レンガ造のアーチ橋としては日本最大だそうですが、それより
もレンガを何万個使っているのかが気になります…。
 めがね橋を見た後は次の目的地へ。もう1回めがね橋を渡るルート
もアリなんですが、あの高さまで階段を登るのは…(苦笑 というわけで
中山道を歩いて遊歩道に合流するというルートを歩きます。山道ではあ
りますが、意外と交通量が多かった。しかもかなりカーブが多いので、
歩く側にとってはなかなか危険だったりします。
 中山道をしばらく歩いてると遊歩道と合流。「遊歩道と合流する道がな
かったらどうしよう…」というのも少しだけありましたが、杞憂に終わって
何より。第一こんな山奥で迷いたくないですから。
 そういうわけで碓氷湖に到着。湖の周りには遊歩道が整備されている
ので、早速歩いてみようと思います。
 碓氷湖畔の各所から湖の風景を撮影してみましたが、中でもお気に
入りはこの写真。山々が湖面に映ってるのがいい感じです。今回の旅
が天気に恵まれていてよかったと思える瞬間でした。
 湖畔の遊歩道というと地面が板になっているのを想像しがちでしょう
が、この遊歩道地面はほとんど未整備の状態。というわけで、中には写
真のようにぬかるんでいる所もありました。日陰となると土が乾くの遅い
からな〜。とにかくこの辺りは進むのが大変でした。。。
 さてさて、碓氷湖は坂本ダムによる人造湖です。なのでダムの堰き止
め口みたいなのがあるわけですが、橋と併設されています。鉄道のトラ
ス橋みたいになっているのが面白いですな。
 というわけでスタート地点に戻り、碓氷湖1周を達成。休憩もそこそこ
に来た道を戻ります。
 峠の湯付近に戻ってきました。ずっと歩いてきたせいか、この時点で
疲労はピークに近い状態。まさに「ひとっ風呂浴びてぇ〜」ってな感じで
したが、ここで本当に風呂に入っちゃうと帰りが相当遅くなりそうなので
パス。トロッコ列車は既に本日の運行を終えているので、まだまだひた
すら徒歩の旅が続きそうです。
 ここからは旧信越本線の上り線を活用した遊歩道を歩きます。道は舗
装されているものの、架線柱はほぼそのまま残されています。まるで
実際の線路を歩いてるかのような感覚で、なかなか面白いです。ただ、
日暮れが近づきつつあるこの時間帯に人っ子一人いない山奥の道をひ
たすら歩くのはかなり虚しい…。。。
 しばらく歩いて再び丸山変電所が見えたので撮影。1963年の新線開
通まで使用されていた施設で、発電所からの電気を機関車に供給する
という役割を持っていたんだそうです。ちなみにこの丸山変電所の建物
は往路でも撮影していたはずなんですが、後で見返してみるとまともな
写真が無かった…。。
 さらに20分ほど歩き、文化むらの脇を通るとゴールの横川駅はもうす
ぐ。屋外展示場奥に展示(ていうか放置?)されているEF63の姿が見え
ました。そういえば文化むらにEF63は何両いるんでしょうか?
 そしていよいよ横川駅に到着〜!峠の湯駅でトロッコ列車を降りて
ウォーキングに出発したのが2時過ぎなので、かれこれ3時間は歩き続
けたことになります(多少のインターバルはあったものの)。とにもかくに
も、歩いて歩いて歩きまくった今回の旅も、後はもう帰るだけになりまし
た。
信越本線
普通
(高崎行き)
横川
[17:12]
高崎
[17:44]
 というわけで高崎行きの列車に乗車。予定より1本早い17時12分の列
車に間に合ったので乗り込みました。車両は107系でしたが、これまでさ
んざん歩いてきたせいか足の疲労は限界寸前。とにかく一刻も早く足を
休めたかったんです。ちなみに本来乗るはずだった17時38分横川発の
列車は115系。やっぱり1本待ったほうがよかったかな〜。
 終点の高崎に到着し、ここで夕食を摂るため駅ビルのレストラン街へ
行きました。さっきの碓氷峠ウォーキングで体は疲れきっていて、腹も
かなり減っている状況。こんな時はとにかく量が多いものに限る!という
わけでとあるレストランに行き、オムライスとスパゲッティのセットを食し
ました。
(それにしても……いくら平日とはいえ、夕食時のレストラン街にしては
ちょっと寂しすぎやしませんか、これ…)
 腹を満たして高崎駅のホームに戻ってきました。とここでホーム越しに
上信電鉄の車両を撮影。これ、高崎から八高線に乗る時の楽しみのひ
とつ(そんなにあるかはご想像にお任せしますが)なんです。今回は旧
型の車両が発車を待ってました。
八高線
普通
(高麗川行き)
高崎
[18:47]
高麗川
[20:13]
八高線
普通
(八王子行き)
高麗川
[20:21]
八王子
[21:15]
 高崎からは高麗川行きディーゼルカーに乗車。帰宅ラッシュの時間帯
というのもあってか、ホームには列ができてました。何とか1人掛け座席
に着席し、5分ほどで列車は発車。案の定群馬藤岡から先はガラガラで
した。

 高麗川で八王子行きに乗り換え、1時間ほどで八王子駅に到着。さす
がに疲れているので、絶賛開発中の南口からタクシーで帰ります。て
いうか地元民ながら駅南口の変貌ぶりに驚いた(笑


<三日目 その1>
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