1999決勝データ

1999年のデータを総括する2回目は決勝成績です。

優勝速度

平均速度の最高はイタリア・モンツァの238.143km/h、最低はモナコの143.865km/hです。1999年は前年と速度は横ばいでした。

 

チャンピオン争い

ポイントの変遷を見ると、ハッキネンとアーバインは6回も逆転し合っている接戦でした。

チャンピオンシップの決定は日本でしたが、見逃せないのがヨーロッパGPでの両者の直接バトル。前半にアーバインがハッキネンを抜きましたが、終盤にハッキネンが抜き返し、貴重な2点を獲得しました。そして選手権は最終的に76対74の2点差で決まったのです。

1位周回

1位周回数では、やはりハッキネンが最多。M・シューマッハは6レースを欠場しながら、次に多くなっています。ラップリーダー経験者が11人というのは近年では多い方です。ただ、マクラーレンとフェラーリの2強で8割以上を占めています。

完走率によるランキング

予選ランキング4位で最速とは言えないアーバインが、完走率ではNo.1になりました。サンマリノGPでエンジントラブルでリタイヤした以外は、すべて完走です。1シーズンで完走15回というのは1991年セナ、1993年プロストに並ぶ史上最多記録。入賞14回も史上最多タイ。今年の選手権2位の原動力は、着実な完走にありました。

最もアクシデントの多かったのは引退のヒルが5回。0周リタイヤが3回、撤退が1回ありました。また、最多スピンはディニスの5回。ディニスはアクシデントも4回あり、事故王と言えましょう。資産家の息子のディニス。車を壊しても金あればOK?

順位 ドライバー チーム 出走 完走 完走率 事故 トランスミッション スピン エンジン サスペンション 電気系 油圧系 ブレーキ クラッチ 燃料系 ホイール ディファレンシャル スロットル ドライブシャフト タイヤ 撤退 ウィング
1 アーバイン FER 16 15 94%       1                          
2 フレンツェン JOR 16 13 81% 1   1     1           1          
3 M・シューマッハ FER 10 8 80% 2                                
4 サロ BAR FER 9 7 78% 1             1                  
5 バリチェロ STW 16 12 75% 1     2               1          
6 R・シューマッハ WIL 16 12 75% 1   2                   1        
7 ハッキネン MCL 16 11 69% 2   1               1   1   1    
8 パニス PRO 16 10 63% 1 2   2             1   1        
9 ヘネ MIN 16 10 63% 2 2 2                            
10 ブルツ BEN 16 10 63% 2 2 1   1 1                      
11 クルサード MCL 16 9 56%   3 1 1   1 2                    
12 ハーバート STW 16 9 56%   3 1 2 1   1 1 1                
13 フィジケラ BEN 16 8 50%     3 2 1       1 1              
14 アレジ SAU 16 8 50% 1 3 2             2       1      
15 トゥルーリ PRO 16 8 50% 2 2 1 2   1                      
16 ヒル JOR 16 7 44% 5   1     1   1     1         1  
17 ツォンタ BAR 12 5 42% 1 1 1 2 1       1   1            
18 バドエル MIN 15 6 40% 2 2   4 1                        
19 ザナルディ WIL 16 6 38% 2 1 1 1   1 1 1   1   2          
20 デ・ラ・ロサ ARR 16 5 31% 2 5 1 1     1 1                  
21 高木虎之介 ARR 16 5 31%   3 1 3       1 1 1       1      
22 ビルヌーブ BAR 16 4 25% 3 3 1 1 1   1   2               1
23 ディニス SAU 16 4 25% 4 3 5                            
24 サラザン MIN 1 0 0%         1                        

リタイヤ理由

事故が最多ですが、トランスミッション(ギヤボックス含む)がエンジンより多かったのが特徴と言えます。

チーム別

コンストラクターズチャンピオンのフェラーリは、完走率が最も高くなっています。これにスチュワートが続きます。フォードエンジンの4回ブローは、3回が序盤3戦です。プロストのプジョーエンジンも4回ブロー。こちらは逆に後半戦に集中しており、新エンジンに問題がありました。また、弱小チームは遅いだけでなく、信頼性も低いことがわかります。アロウズのトランスミッショントラブルはシーズンを通じて多いものでした。

    出走 完走 完走率 事故 トランスミッション スピン エンジン サスペンション 電気系 油圧系 ブレーキ クラッチ 燃料系 ホイール ディファレンシャル スロットル ドライブシャフト タイヤ 撤退 ウィング
1 FER 32 28 88% 2     1       1                  
2 STW 32 21 66% 1 3 1 4 1   1 1 1     1          
3 MCL 32 20 63% 2 3 2 1   1 2       1   1   1    
4 JOR 32 20 63% 6   2     2   1     1 1       1  
5 BEN 32 18 56% 2 2 4 2 2 1     1 1              
6 WIL 32 18 56% 3 1 3 1   1 1 1   1   2 1        
7 PRO 32 18 56% 3 4 1 4   1         1   1        
8 MIN 32 16 50% 4 4 2 4 2                        
9 SAU 32 12 38% 5 6 7             2       1      
10 BAR 31 11 35% 5 4 2 3 2   1   3   1           1
11 ARR 32 10 31% 2 8 2 4     1 2 1 1       1