2000年前半戦（R1-R9）総括

2000年シーズンも、17戦中9戦が終わりました。成績を見ていきましょう。

予選成績

予選ではＭ・シューマッハが第5戦以降、4度のＰＰを記録し、開幕3連続ＰＰのハッキネンを逆転しました。クルサードを含む上位3人は0.1秒未満の僅差の争いになっています。クルサードはハッキネンとの対戦成績で5連敗のあと4連勝、両者の勢いが変わりました。

これに続くのがジョーダンの二人。トゥルーリはフレンツェンとの差がなくなり、拮抗してきました。ラルフ、アーバイン、ビルヌーブの3人はチームメイトに圧勝しているのが共通項で、３、４列目のグリッドを争っています。

ベネトンとアロウズは同じエンジンを積み、僅差の争いを展開。全体的に中団グループも0.3秒ほど速くなり、進化しているのがわかります。

ライバルチーム比較

ＰＰタイムを１００％として、各選手のＰＰタイムとの比率をグラフ化しました。1%が約1秒に相当。ライバルチームごとに推移を見ます。

マクラーレン ＶＳ フェラーリ

激化する両者の対決。特にＭ・シューマッハとクルサードのチャンピオン争いは、予選でも如実に表れています。ここ2年のＰＰ王だったハッキネンはバリチェロとの争いに成り下がりました。

ジョーダン ＶＳ ジャガー　

一進一退が続く両チーム。グリッド3列目を争いますが、101%の壁（1秒の差）を破るくらいではないと優勝の目はありません。

ウィリアムズ ＶＳ ＢＡＲ

ＢＭＷとホンダという自動車メーカーの対決。両者はトップチームとの差を努力して縮めています。後半戦が楽しみ。

ベネトン ＶＳ アロウズ　

スーパーテック・エンジンを積む両チームは、ほとんど同じ傾向があります。しかしトップチームとの差は少しずつ開きつつあります。これが開発力の差でしょうか。

プロスト ＶＳ ザウバー ＶＳ ミナルディ　

102%以下をうろつくプロストとザウバー。アレジがモナコで７位とがんばりました。それ以外は目立たず。

ミナルディは力の差がつき、最後尾に定着しつつあります。

最高速度ランキング

予選での最高速度の高い順に並べました。指標は平均との差です。マクラーレン・メルセデスに割って入ったのがアロウズ・スーパーテック。同じエンジンのベネトンに比べ、最高速重視の空力セットアップにしています。フェラーリはＢＭＷやホンダと同等レベルと思われます。

スタートキング

スターティンググリッドからオープニングラップでの順位変動です。○はポジションを上げたレース数、△は変わらず、●は下げ。スタート収支は全レースの変動合計。再スタートやピットスタートの変化も加味してあります。

評判通り、ビルヌーブがスタートキングになりました。中団のフェルスタッペンやサロも負けてはいません。

ジャガー２台が最悪なのは、クラッチに構造的な欠陥があるためです。

レース走行距離とリタイヤ理由

フィジケラが全戦完走でトップです。ブルツに比べて事故もなく、ドライバーとして安定感があります。

フェラーリとマクラーレンは新兵器投入と信頼性のかねあいでハイレベルな総合力の勝負になっています。

ＢＡＲのビルヌーブも粘走してます。ラルフは事故が多くなってきました。ジョーダンとジャガーは信頼性の向上が見られません。

１位周回数のシェア

Ｍ・シューマッハの１位周回シェアがさらに増大。全戦でかならずトップに立っています。最多リーダーラップも７回記録。しかし、スペイン・モナコ・フランスなど前半をリードしながら敗れるという、彼らしくないレースも目立ってきました。

クルサードはトップに立ったレースが３戦しかなく、そのすべてを勝つという効率のよさです。

レース結果

Ｍ・シューマッハを追うクルサード。最近は交互に優勝しています。ハッキネンが我慢のレースが続きますが、まだチャンスはあるでしょう。予選が速くないフィジケラが抜群の完走率で５位。

まだノーポイントのチームは、プロストとミナルディだけになりました。