ヨーロッパGPラップタイム分析

"逆"オーダーが速いミヒャを抜かさせなかった

(2002.6.25)

マクはウィリーより速かったが抑えられた

フェラーリが2ストップ、ウィリーとマクが1ストップだったヨーロッパGP。差は24周目で40秒近くに広がってしまいました。1周あたり1.65秒も差があったことになります。特にひどかったのは3〜5周目で、ルビとラルはこの3周で7.2秒(1周平均2.4秒)も広がっています。

フェラーリは給油直後も速く、ミヒャは1回目の給油23周目のあと26周目に1分32秒226のファステストラップを記録しました。ウィリーは31周目のラル給油後も序盤と同じ36秒台です。燃料満載時にマシンバランスがかなり悪いように思えます。また、22周目からペースがどんどん落ちていきました。ミシュランのタレに対し、マシンがもろに影響を受けています。ウィリーは2ストップで行くべきだったかもしれません。

同じミシュランを履くマクは、序盤こそ1分36秒台でしたが、キミが36周目の給油直後に34秒台をマークしています。前半はもっと速く走れたのにウィリーに詰まったことが考えられます。キミはラルがピットインしたあとは34秒台で走れています。終盤もペースダウンしていません。ミシュランの20周過ぎタレの影響はさほど受けていません。

"逆"チームオーダーがミヒャを抜かさせなかった

優勝者ルビと他とのタイム差をラップごと推移で見ていきます。ミヒャは2回不利でした。3周目にラルを抜いて2位に上がったとき、ルビとの差は3.6秒でした。しかし10周目には0.9秒差に詰めています。24周目にスピンした時、ルビとの差は11秒に広がりました。1回目のピット後、41周目には2.5秒差に縮まりました。そして2回目のピット後、49周目に0.7秒差に接近しました。ミヒャはルビより速いペースで走れたので、レース中に追いつけることができたのです。

もう一度ラップタイムペースを見ると、2ストップ以降、ルビはペースがどんどん落ちています。チームからはペースを落とせという指令が出ていました。それは、このままの順位をキープしろという意味でした。言い換えると、ミヒャに「抜くな」というチームオーダーが出ていたのです。オーストリアでの世論反発と6月26日の査問が、ミヒャのオーバーテイクを阻んだのかもしれません。

ミヒャとルビの各周ごとタイムの勝敗は、ミヒャの42勝18敗でした。7割もミヒャが速かったのです。

前半1-20周ではミヒャ13勝7敗、中盤21-40周ではミヒャ14勝6敗、後半41-60周はミヒャ15勝5敗です。

このことからも、ニュルで全般的に速かったのはミヒャだったことがわかります。

中団以降も興味深い争い

ラップチャートを見ると、中団以降も興味深いこと争いがあったことがわかります。ルノーのジェンスは2ストップであわやウィリーのラルを食うところまで行きました。ヤルノは序盤のコースアウトでザウバー勢に抜かれたことが最後まで響き、入賞を逃しました。

ザウバーのフェリペとニックの勝負で大きかったのは、スタートでした。

BARは予選12番手のオリビエが1ストップだったのに、19番手のジャックは2ストップ策で抜く作戦に出ていました。しかしジャックは1ストップのペドロに敗れました。

トヨタは深刻な問題に直面しています。サロのみならず、健闘していたマクニッシュも後半にズルズルと後退してしまいました。トラブルの原因がすぐに解明できていません。