2001第10戦終了

ミハエル7部門でトップ、アレジ周回数で1位

2001.7.8

2001年は17戦中10戦を終えて、ミハエル・シューマッハとフェラーリが独走の状況になりました。10戦のデータから各チーム、エンジン、タイヤの特徴を見ていきましょう。ミハエルの強さがあちこちにデータとして表れます。意外な選手ががんばっていることも見つかります。

 

最高速

予選最高速は10戦中、9戦をウィリアムズ勢が占めました。決勝はさまざまな要素が加味されますが、それでもウィリアムズ勢が半数の5戦でトップになっています。(決勝は測定位置も追加されます)

  予選 決勝
オーストラリア J-P.モントーヤ 302.5 J-P.モントーヤ 312.7
マレーシア R.シューマッハ 307.7 J.フェルスタッペン 313.6
ブラジル J.フェルスタッペン 314.4 L.ブルティ 314.5
サンマリノ J-P.モントーヤ 300.7 R.シューマッハ 312.3
スペイン J-P.モントーヤ 305.6 M.ハッキネン 320.7
オーストリア R.シューマッハ 311.2 R.バリチェロ 310.2
モナコ R.シューマッハ 273.0 D.クルサード 291.4
カナダ R.シューマッハ 298.2 R.シューマッハ 333.8
ヨーロッパ R.シューマッハ 293.5 R.シューマッハ 309.1
フランス J-P.モントーヤ 308.5 J-P.モントーヤ 311.2

最高速度の平均に対しての差を指標にしました。平均が300km/hで、指標が+5なら、305km/hとなります。

BMWエンジンを積むウィリアムズ勢が圧倒的な差をつけて1−2にいます。

これに続くのがフェラーリ。BMWにかないませんが、昨年よりも伸びが良くなりました。昨年型のプロスト、ザウバーの位置から、改善度がわかります。

一方、マクラーレン・メルセデスは昨年度の最高速トップの座から滑り落ちました。軽量素材のベリリウムが禁止された影響が出ました。

BAR、ジョーダンのホンダ勢は3強の下にいます。ビルヌーブはホンダエンジンは必ずしも強力ではないと言います。ホンダは改良エンジンの夏場投入をやめ、鈴鹿まで現行のままにしました。

最高速重視のアロウズは、アジアテック(旧プジョー)の進化が鈍く、昨年何度もトップに立ったようなことがなくなりました。

ジャガーはフォードエンジンがライバルの進化の前にメリット(軽量コンパクト)がなくなっています。

ベネトンはルノー110度バンク角エンジンがまったくの不振で、ミナルディの3年落ちエンジンといい勝負という始末です。
最高速を速度帯別に分布しました。140〜180km/hの場所で測定されたものから、300km/hで測定されたものまであります。

140〜180km/hの中低速区間では、ウィリアムズ勢が強いわけではなく、ジョーダンやジャガーも上位に来ています。

200〜210km/hの中速区間では、フェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズが互角。

220〜269km/hの高速区間、270〜310km/hのトップエンド区間にしたがって、ウィリアムズ勢が差を広げています。この速度区間は派手な面です。

F1サーキットの大半は200km/h前後の速度で走ることが多く、この区間をいかに速く抜ける、曲がるかがトータルタイムでは最も重要です。

 

ミハエル絶好調、10戦7PP

M・シューマッハが10戦中7PPと絶好調。昨年の9PPを上回るハイペースです。もともとミハエルは予選よりもレースに強いタイプでしたが、今年は7PP6勝と、逆になっています。マシンが最高で、鬼に金棒の状態です。

バリチェロは8戦以降、ミハエルとの差が大きくなり、順位も落ちました。

マクラーレンは波が大きく、サーキットによっては大きく沈むことがあります。過去3年で25PPのハッキネンにまだPPがありません。

ウィリアムズはシーズン序盤から予選で速さを見せつけていました。信頼性を身に付けた中盤戦からは、優勝争いの常連です。

ホンダ4台では、トゥルーリが最速。3強の一角を食うときもあり、健闘しています。

序盤をわかせたザウバーは中盤になっても力落ちせず、ホンダ勢をおびやかしています。



フリー走行と予選一発の速さの関係

金曜フリー走行、土曜フリー走行、そして予選の推移です。金曜の最初のセッションではフェラーリとマクラーレンが出足よいのですが、マクラーレンは土曜に失速します。フェラーリはミハエルただひとり、他を圧倒する速さで予選を駆け抜けます。マクラーレンが金曜トップでも誰も驚きません。金曜だけだからです。

ウィリアムズは金曜がスロースターターですが、土曜に急激に向上し、予選で上位グリッドへつけます。R・シューマッハはもっとも成績が良いのが予選という一発の速さを持っています。

フリー走行3・4と予選の間の角度が急なほど、予選一発の力があるわけです。そういう意味でがんばっているのは、トゥルーリ、ビルヌーブ、アーバイン、フィジケラといったあたりでしょう。

 


 

 

チームメイト同士の勝敗

マシンが同じチームメイト同士は、ドライバーの実力を比べる唯一の相手と言えます。

フェラーリは全チーム唯一で片方の全勝になっています。M・シューマッハは、昨年バリチェロに15勝2敗でしたが、今年は10戦全勝と相手にしません。M・シューマッハが好調であること、マシンがよりミハエル寄りに進化したのではないかと思われます。

マクラーレンは過去3年、ハッキネンが勝ち越していましたが、今年はクルサードがリード。第5戦まではハッキネンの4勝1敗でしたが、第6戦以降はクルサードが5連勝しています。

ウィリアムズはR・シューマッハが圧倒。モントーヤはまだ勉強中。

ジョーダンは昨年互角の勝負でしたが、今年はトゥルーリが圧倒。フレンツェンは引退が噂されるなど、元気がありません。

BARはベテラン同士、ザウバーは新鋭同士がいい勝負をしています。

ジャガーはアーバインがエースの力を誇示。

アレジはブルティの移籍後2戦を落とし、引退も噂されましたが、ハッスルして本来の実力を発揮しはじめました。

ベネトンはフィジケラが圧倒。パワーステアリングがなく、クセのあるマシンにバトンはなかなか慣れません。

アロウズは新人ベルノルディが先輩と互角の勝負。ミナルディも新人アロンソが元気です。


 

ファステストラップは3強混戦

予選はM・シューマッハの独壇場ですが、レースのファステストラップは混戦です。M・シューマッハが2度、トップを記録したのに対し、R。シューマッハとクルサードは3度です。ほかにはハッキネンとモントーヤが1度ずつ記録。

ミハエルは、トップをとれなくても、毎レース、トップに近い位置まで来ており、取ろうと思えば取れるが、無理しないという感じです。史上最多FL男も、スタイルが変わってきました。

3強以外で目立ったのは、オーストリアでのザウバー勢、ヨーロッパでのアーバインで、トップに近いタイムを出していました。

 

ブリヂストンとミシュラン、予選よりもレースで接近

ブリヂストン6チームとミシュラン5チームの、予選での平均の差です。

予選に関する限り、両者の差はあまり縮まっていませんでした。
レースのファステストラップの平均では、予選よりも差が縮まっています。

ヨーロッパGPでは、まったく差がなくなりました。

1位周回はミハエル独占、総周回数ではアレジ!

この図は、各順位ごとの周回数を示すとともに、トータルの周回数をも表しています。

1位周回の54%を占めたのはM・シューマッハで、弟の16%、クルサードの11%に大差です。ミハエルは2位周回でもトップでした。ミハエルは全周回の76%を1位か2位走行中です。

3位周回はバリチェロが28%で最も多く、クルサードが続きます。

総周回数では、なんと、アレジがトップ。アレジは10戦すべて完走扱いなのです。これには9戦完走のクルサードとミハエルも脱帽。

バトンが8戦完走で黙々と走ってます。ライコネンが総周回数で7位と、速い割に安定しています。

モントーヤは完走2回が極端に少ないのですが、周回数はラルフに大差というわけではありません。

ベルノルディはチームメイト(ヨス)の半分以下しか走っておらず、ちょっと問題です。


 

安定して上位走行のミハエル

レースのラップチャートから、各ドライバーの平均走行順位を時点別に出しました。

ミハエルが安定してトップ走行が多いことがわかります。他のドライバーは波があり、あるレースでミハエルをおびやかしても、次のレースは沈むなどしています。

ラルフが序盤に落ち込んでいるのは、前半戦にトラブルが多かったことが上げられます。カナダ以降は常に2位台を走っています。

モントーヤは完走さえすればかなり上位に来ています。

クルサードはスタートトラブルでグリッドを落としながら、何とか走り出しています。

ハッキネンは走り出せれば前半いいところを走っていながら、後半に上がってきません。これも勝てない原因のひとつです。

トゥルーリも前半いいのですが、後半息切れが課題です。

スタートはフェルスタッペンとフィジケラがジャンプしています。フェルスタッペンは燃料を軽くしているため、中盤にダウンします。フィジケラはマシンの遅さでズルズル後退します。

 

結果はミハエルの独走、年間130点ペース

上のデータのすべての結果が得点となって示されるわけです。そして、ミハエルの独走になりました。年間130点のペースで、本人も持つ年間最多得点108を大きく上回りそうです。また、年間最多勝利9を破るには、残り7戦で4勝で、不可能ではありません。

シーズン2位は、クルサードとR・シューマッハが争うのではないかと思われます。クルサードの歩みが鈍っているのに対し、ラルフは急上昇しています。

ハッキネンは埋もれたままです。いつ上がってくるか、年間5位以内には入りたいところ。

10戦終了時点部門別トップ

得点:M・シューマッハ 78
勝利数:M・シューマッハ 6
PP数:M・シューマッハ 7
FL数:R・シューマッハ、クルサード 3
1位周回数:M・シューマッハ 362
2位周回数:M・シューマッハ 149
3位周回数:バリチェロ 184
総周回数:アレジ 655
レース最高速1位数:R・シューマッハ 3
平均走行順位:M・シューマッハ 1.9位
対チームメイト予選勝数:M・シューマッハ 10