2001予選成績(3) セクタータイムでわかるミヒャの狙い

2001.10.20

2001年のシーズンサマリー、予選の3回目は、セクターごとのベストタイムについて見てみます。1年で3セクター×17GP=51セクターあります。

 

ミヒャがセクター1位数も最多、ラル・ミカは速さが結果に出ず

 

予選におけるセクターごとの最速タイム者と、ベストセクタータイム計、実際のPPです。
セクターベストは3強6人のみが記録しました。

M・シューマッハは最多の23セクターでベストを記録。前年の24から1減少しましたが、PP11回の結果に反映しています。セクター1位取得率が47%なのに、PP取得率が64%ということは、すべてのセクターが最速の必要はなく、サーキットごとに速く走るポイントを絞ればいいことを表します。

R・シューマッハは兄に次ぐ10セクターで最速。しかし、PP1回にしかつなげられませんでした。モントーヤは7セクターベストを3PPに生かしています。

ハッキネンはPPなしに終わりましたが、セクターベストは7回も記録していました。


 

 

GP・セクターごとのベストタイム記録者

  セクター1 セクター2 セクター3   セクターベスト計   ポールポジション

3セクターすべてトップタイムはM・シューマッハ
のみがカナダとハンガリーで記録。
フランスはセクターベスト計でトップながら、ミスで
PPは失いました。

バリチェロは開幕2戦でのみセクターベストを記録。
その後は最速争いに顔を出せません。

ウィリアムズ勢はPPを後半から記録しましたが、
セクターは序盤から速さを見せていました。
R・シューマッハはドイツで2セクターベストだが、
セクター3(低速スタジアムセクション)だけ
トップだったモントーヤにPPを奪われました。

ハッキネンは7回ともひとつのセクターだけ
ベストでした。

クルサードは前半戦わずか2セクターでトップ、
それをPPに生かしました。
しかし、後半は1度もセクターベストがありません。

 

オーストラリア バリチェロ R・シューマッハ M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
マレーシア R・シューマッハ M・シューマッハ バリチェロ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
ブラジル R・シューマッハ M・シューマッハ モントーヤ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
サンマリノ M・シューマッハ ハッキネン クルサード   クルサード   クルサード
スペイン M・シューマッハ M・シューマッハ ハッキネン   M・シューマッハ   M・シューマッハ
オーストリア モントーヤ M・シューマッハ M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
モナコ ハッキネン クルサード R・シューマッハ   クルサード   クルサード
カナダ M・シューマッハ M・シューマッハ M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
ヨーロッパ M・シューマッハ M・シューマッハ R・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
フランス M・シューマッハ R・シューマッハ ハッキネン   M・シューマッハ   R・シューマッハ
イギリス M・シューマッハ ハッキネン M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
ドイツ R・シューマッハ R・シューマッハ モントーヤ   モントーヤ   モントーヤ
ハンガリー M・シューマッハ M・シューマッハ M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
ベルギー ハッキネン モントーヤ モントーヤ   モントーヤ   モントーヤ
イタリア R・シューマッハ モントーヤ モントーヤ   モントーヤ   モントーヤ
アメリカ M・シューマッハ ハッキネン M・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ
日本 M・シューマッハ M・シューマッハ R・シューマッハ   M・シューマッハ   M・シューマッハ

 

 


日本GP予選 S字を攻めるM・シューマッハ

セクター1位と2位の差が離れた例

これを見ると、M・シューマッハが狙ったポイントがわかります。日本はM・シューマッハが鈴鹿のS字をアクセル全開・ブレーキ制御で回るドライビングのたまものでした。M・シューマッハが速い個所は、バリチェロも2位です。フェラーリ車の得意部分をM・シューマッハが最大限に生かしたと言えるでしょう。

GP セクター セクター1位 セクタータイム セクター2位 セクター差 予選2位 セクター差 1周差
日本 1(S字) M・シューマッハ(PP) 30.655 バリチェロ(4位) 0.350 モントーヤ 0.542 0.700
ハンガリー 2(シケイン) M・シューマッハ(PP) 29.441 バリチェロ(3位) 0.309 クルサード 0.389 0.801
ドイツ 3(低速コーナー) モントーヤ(PP) 26.255 R・シューマッハ(2位) 0.275     0.019
ブラジル 2(低速コーナー) M・シューマッハ(PP) 37.779 バリチェロ(6位) 0.226 R・シューマッハ 0.303 0.310
オーストリア 3(低速コーナー) M・シューマッハ(PP) 22.229 バリチェロ(4位) 0.249 モントーヤ 0.284 0.124

上はドライコンディションのみです。ウェットも含めると、ベルギーのセクター3でモントーヤがR・シューマッハにつけた0.440秒差が最大です。

 

 

 

予選タイムとセクターベスト計

予選最速周と、セクターベストの合計の比較です。3つのセクターベストを最速周で出せればいいのですが、そうもいきません。セットアップの違いと、ミスがあります。全体平均では、0.172%の差になっています。上位では、ハッキネンがセクターベスト計なら、バリチェロより速かったことを示しています。

セクターベストと予選タイムが離れすぎた例

GP 予選 ドライバー 予選タイム セクターベスト計
モナコ 15位 ライコネン 1:20.081 14位(1up) 1:19.439(-0.642)

セクターベストからPP・フロントローに行けた例

GP 予選 ドライバー 予選タイム セクターベスト計
フランス 2位 M・シューマッハ 1:12.999 1位(1up) 1:12.758(-0.241)
オーストラリア 3位 ハッキネン 1:27.461 2位(1up) 1:27.189(-0.272)
サンマリノ 4位 M・シューマッハ 1:23.649 2位(2up) 1:23.158(-0.491)
カナダ 3位 クルサード 1:16.423 2位(1up) 1:16.133(-0.290)
イタリア 3位 M・シューマッハ 1:22.624 2位(1up) 1:22.223(-0.401)

セクターベストで予選順位が大きく上がる例

GP 予選 ドライバー 予選タイム セクターベスト計
アメリカ 21位 エンゲ 1:14.185 16位(5up) 1:13.544(-0.641)
イタリア 16位 アレジ 1:24.198 11位(5up) 1:23.817(-0.381)
モナコ 13位 フレンツェン 1:19.316 9位(4up) 1:18.930(-0.386)
ブラジル 6位 バリチェロ 1:14.191 3位(3up) 1:14.068(-0.123)
カナダ 8位 ハッキネン 1:16.979 5位(3up) 1:16.401(-0.578)

 


 

つづく