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大学教授時代の授 業
                                           
 
<主たる担当科目>

「生命倫理」
「キリスト教学6(実践)」(倫理神学)

キリスト教学演習3


(参考書)
 松本信愛著
 
『いのちの福音と教育』

ーキリスト教的生命倫理のヒントー




「生命倫理」


「生命倫理」では、人間にとって最も大切な「人間の尊厳性」について学んでいく。
   
「教科の
成績がよければ立派な人間か?」
なぜ、人は尊いのか?
「何を基準に人の価値を決めるのか?」
という質問に対する答は?

 少なくともはっきりしていることは、
教科の成績がどんなによくても
「人殺し」するような人は駄目だし、
「包丁」による殺人事件があったからといって、世の中から包丁をすべて消し去るべきとは主張しない。

大切なことは
「どのように使うか」「どのように生きていくか」である。

「人はどのように生きればよいのか?」
この答えを探すのがこの講座の目的である。


まず、
「人間の価値」について考えてみる。
「特に成績がよくなくても」「特に足が速くなくても」
・・・
立派な人はたくさんいる。

いろいろなハンディキャップにもかかわらず、
多くの人々が尊敬するような生き方をしている人もたくさんいる。

そのような人々の生き方を参考に「人の価値」について考え、
自分の生き方を吟味してみる。

次に、その価値ある
「すばらしいいのち」そのものに焦点を当てて考察する。
さらに、
その「すばらしいいのち」を誕生させるであろう一人の人間として
考えるべきことについても考察する。

この講座では、まず、
「いのちの初め」との関係を中心に考えていく。
具体的には以下のテーマを取り上げる:


命の尊さ(なぜ・どのように尊い?)
人工受胎(人工授精・体外受精)/代理母
受精卵/胎児/人工妊娠中絶
性と愛


「生命倫理」では次に「いのちの終わり」に焦点を当てて学んでいく。

「死」にもいろいろな側面があるが、
親しい人々の死や、まして自分の死についてしっかりと見据えることは、
これからの生き方にも大いに関係してくるはずである。

「死」について、考え、学ぶことによって、
よりよく生きることを学ぶのがこの講座の目的である。
具体的には以下のテーマを取り上げる:

いろいろな死
自死
安楽死・尊厳死・慈悲殺

死ぬ権利
遷延性意識障害者(植物人間)
死の判定(心臓死・脳死)
臓器移植

ターミナル・ケア



本講座は、プリントやビデオを利用して、
授業中に考え、意見をまとめ、それを表現することを要求している。
そのため、受講生は、毎回授業の終わりに「コメント」を書く
学期末の成績は、そのコメントに点数をつけ、
それを集計して出す。




「キリスト教学6(実践)」(倫 理 神 学)

 



授業の最終目的:
 
<キリスト教的価値観をベースに
成熟した人間形成を目指す>





「キリスト教学6A(実践)」

 
「実践と言う言葉は広い概念であるが、
この講座では
キリスト教(特にカトリック)の「倫理」の問題を扱う。

伝統的に
「倫理神学」(Moral Theology)と言われていた分野である。

倫理的判断はその規範によって大きく左右される。

そこで、まず、「キリスト教倫理の規範」について学ぶ。

具体的には、教会の公文書や聖書を利用して
「主観的基準としての
良心」および「客観的基準としての」について学ぶ。

その後、人間にとってすべての価値の基礎である
「いのち」について取り上げる。

具体的には、
まず
「人の命の尊厳性」についてキリスト教の立場から再吟味し、
ついで、そのいのちを誕生させる「制度」としての
「結婚」について考え、
さらに、人工的にいのちをスタートさせる最近の科学技術の倫理性について考えていく。


 


「キリスト教学6B(実践)」


この講座では、人間として生きていく時に直面する倫理的諸問題のうち、
この世で生きていく上で最も根源的な価値である
「いのち」にまつわる諸問題を取り上げ、
カトリック倫理の立場から考察する。

  
<取り上げるテーマ>
 
人のいのちの始期
人工妊娠中絶
安楽死、尊厳死
死の判定
脳死と遷延性意識障害(植物状態)
臓器移植
ターミナルケア、ホスピ


 これらのテーマに関する生物学的・医学的事実および問題点は一般の生命倫理と同様なので、当大学で、すでに「人間学」「いのちの教育」「生命科学」等を受講した者には重複するところがあるであろう。しかし、キリスト教学の観点からそれらについて吟味するためには全員がその事実を正しく理解しておく必要があるので、当講義でもそれらの科学的事実に関しては基礎から取り扱う。
授業形態としては講義形式をとるが、ビデオやプリントを多用し、授業中に一緒に考えを深めていく。
 



「キリスト教学演習3」
 
ある程度「受動的」な講義形式の授業ではなく、
あくまでも「積極的」に自分で働く形式の
「演習」である。

授業時間中にも図書館で本を探して研究を深めたり、
受講者同士で意見を交換したりしながら、
テーマに沿ってより深く学んでいく。



「キリスト教学演習3A」


この演習のテーマとして「スピリチュアルケア」を取り上げる。

日本では、WHO(世界保健機関)の関係で、
2000年ごろから、急に取り上げられるようになった言葉であるが、
実際には、
60年以上も前から、
「パストラルケア」という分野で、
その内容は実践されていた。

この講座(キリスト教学演習3A)では、まず、そのような歴史的なところ
および、
理論的なところを
(頭で!)学び、
後期の
「キリスト教学演習3B」の方で、その実践的なところを(心と体で!)学ぶ予定である。

そのため、この講座を受講するものは、
後期の「キリスト教学演習3B」も受講することを勧める。



「キリスト教学演習3B」


この演習のテーマとして「スピリチュアルケアの実践」を取り上げる。

「スピリチュアルケア」という言葉は、
日本では、
WHO(世界保健機関)の関係で、
2000年ごろから急に取り上げられるようになった言葉であるが、
実際には、
60年以上も前から、
「パストラルケア」という分野で、
その内容は実践されていた。

前期の
「キリスト教学演習3A」で、
まず、そのような歴史的なところおよび、理論的なところを
「頭で」学んだので、

後期の
この講座(キリスト教学演習3B)では、
その実践的なところを
「心と体で」学ぶ。

そのため、この講座を受講するものは、
前期の「キリスト教学演習3A」を受講していることが望ましい。



<参考書>



松本信愛著  『いのちの福音と教育』ーキリスト教的生命倫理のヒントー
サンパウロ、1998年 (ISBN4-8056-0450-6 C0014) (本体)1400円
  
    カトリック倫理の立場より生命倫理の諸問題に光を当てる。
   分かり易いと好評!
   全国有名書店にて発売中!(在庫がないときは書店にて取り寄せてもらって下さい。)

<目次>

第1章 若者たちに命の尊厳を教える

   1.人間の尊厳性 2.人工受胎 3.受精卵・胎児 4.人工妊娠中絶 5.性
   6.安楽死 7.死の判定 8.臓器移植 9.ターミナル・ケア 10.パストラルケア

第2章 キリスト教的価値観の原理

  1.「信じる」ということ・・・この科学の時代に?
  2.「愛する」ということ・・・嫌いな人でも?
  3.「悪の存在」について・・・理性的な説明の試み
  4.人生両端神聖説
  5.二重結果の原則
  6.目的は手段を正当化しない

<付録>「終末期治療および看護に関する要望書」


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