病は気から

その13

ブビチィ…ブブブス、ブブリュッ…

(このぐらいかな…)

軟便もようやく出きったあかり。
だが、その軟便を吐き出すときに肛門に附着した、
粘り気のあるウンコカスのせいで、残便感がまだ残っている。

その残便感のせいで、
あかり自身はまだ軟便が出そうな感覚に陥っていた。
もう尻の中にはウンコらしいウンコは残ってないというのに、
何度も肛門に力を入れては、ウンコを吐き出そうとしている。

パクパクと何度も肛門を開閉させるあかり。
だが、当然の事だがウンコは出てこない。

開閉させるたびに力むのを強くするが、
尻が疲れるばかりで、肛門の感覚も鈍ってきた。
ここまでやって、ようやくウンコを出し切ったとあかりも判断する。

軟便の時にこうなるのは、いつものことではあるが、
最後まで油断をしないあかりは、常にこの動作を欠かすことはない。
この肛門の開閉は、尻拭きに移る前の、儀式のようなものであろうか。

 

まことにバレずにベッドを抜け出ることができた。
いつもよりも静まり返ったトイレの中で、
多少の怖さはあったが、一人でウンコをすることもでき、
後は肛門を拭いて、急いでベッドに戻るだけである。

肛門にベットリとこびり付いた軟便を早く拭き取ろうと、
紙を巻き取り始めたときに、大きな声がドアの向こうから響いてきたのである。

「待って!あかりちゃん!」

まるで、声の主が真後ろに迫っておいたのではないかと思うぐらい、
大きく、よく聞こえた声。

「……だ…、誰…?」

初めは、恐怖で思わず体が大きく震えたあかりだが、
さすがにその声の主が、まことということはすぐに理解できた。
しかし、それでも誰であるか確認せずにはいられない。

「アタシだよ。まことだよ」

まことの声を聞いて、ようやく安堵するあかり。
しかし、次の瞬間には、どうしてまことがここにいるのかと、大いに動揺しだす。

「どうして…、どうして…」

動揺のあまり、声にならない声で呟くことしかできないあかり。
その呟きは、まことには届かない。
まことには、あかりは沈黙してるのだと受け取られる。

「あかりちゃん…お腹が痛かったのかい…?」

あかりの言葉を待たずして、
まことはドアの向こうから先に声をかけてくる。

たった一言だけで、まことの無念さと悲しい気持ちが
あかりにも伝わってくる、重く、悲しげな声。

まことの気持ちは分かっていながら、
こっそりとトイレに行くことしかできなかったあかりは、
それに罪悪感を感じていたのである。
だからこそ、まことの言葉が重かった。

「その…、気持ちは分かるけど…言ってくれれば良かったのに…」

「ご、ゴメンなさい…。私…」

まことの声を聞いているうちに、罪悪感が大きくなっていくあかり。
まことは、決してあかりを責めているのではないが、
どうしても悪い気になり、とうとうあかりも謝ってしまう。

「いや。謝らなくていいんだよ。仕方のないことだから」

自分だってあかりにウンコをしてくるとは言えなかった。
だから、あかりの行動は当然であるかもしれないし、
あかりだけがこんな事をするのではないと、まことは思っている。

しかし、あかりはそのせいでお漏らしをしてしまった。
まことにトイレに行きたいと言えなかったために、
中学時代に、ウンコをするのをためらったために、
あかりは、してはならない失敗を2度もしてしまったのである。

「でも…。もうあんな事がないために…、
 せめて、アタシの前だけでも安心してトイレに行ってほしかったんだ」

だからこそ、あかりのために積極的に信頼関係を作ろうと接近した。
オシッコだけでなく、ウンコの方まで。
自分がいれば、あかりも安心してウンコが出来る、そんな関係を築きたかったのである。

「だけど、普通そんなこと簡単には出来ないよね。
 いくら友達とはいえ、ウンチがしたい、なんて、無理かもしれないけど…」

それでも、自分はそう言われたい。
ウンコを我慢する苦痛に顔を歪めるあかりや、
お漏らしをしてしまって泣きはらすあかりを、もう見たくはない。
そんなことであかりを独りぼっちにはしたくない。

自分が、自分があかりの全てを受け止めてあげられれば、
あかりはもっと笑顔のあかりになれるはず。

「…変かもしれない…。おかしいかもしれないけど、
 アタシはあかりのウンチなら平気だよ…。だから…」

だから、自分にはウンコがしたいときは言ってほしい、
お漏らしをしても気にしなくていい。自分は、絶対あかりを裏切ることはしない。
ウンコでさえ、しっかり受け止めることが出来るのだから。
そう、まことはあかりに告げる。

(どうして…。どうしてアタシなんかのために…)

いくらまことのことを信頼するようになったといっても、
さすがにウンコのことだけは例外と思っていたあかりにとって、
本当にまことがウンコも平気だとは、想像できなかったし、
聞いても、すぐに信じることは出来なかった。

「こんな事、あかりちゃんからは心が開きづらいかもしれない…。
 アタシが…アタシが、あかりちゃんを安心させられる証拠を見せてあげる」

(…?証拠って…)

一体どんな証拠なんだろうと、あかりは考えてみるが、
まことの考える事は、とてもあかりが予想できるものではなかった。

「まだウンチ流してないよね…。
 ねえ、あかりちゃん、アタシをトイレに入れてくれない?」

とんでもないまことの願いに、あかりは思わず硬直してしまう。
まことが何を考えているのか?そして、まことはトイレに入って何をしたいのか?
どれだけ考えても分からない。

「アタシが、あかりちゃんと一緒にトイレに入って、
 あかりちゃんのウンチなら平気だって所を見せて上げるよ」

さらに続くまことの言葉で、ようやくまことの考えが分かったあかり。
だが、その考えを受け入れるのは、容易ではなかった。

「…もし、あかりちゃんが少しでもアタシを信用してくれるなら…。
 アタシに期待をしてくれるなら、ドアのカギを、開けてくれるかい…」

まことは、決して強制をしなかった。
あくまで、あかりの決心にまかせたのであった。

 

(どうしよう…どうしよう…)

まことの願いを受け入れるか、拒むか。悩むあかり。
あかりは、未だに便器の上でしゃがんで、尻を丸出しにしたままである。

果たして、自分のウンコを晒すことまで出来るかだろうか。
まことは信頼しているが、ウンコを見ても平気だとは、考えにくい。

あかりは、お漏らしがあってから、全てを失っていった。
臭く、汚いウンコを晒してしまってから、回りの生徒のあかりを見る目が、
『あかり=ウンコ』となり、自分が常に汚いものとしてみられているのを
あかりは感じ続けていた。

オシッコの方は、休み時間は常にトイレに人がいるように、
みんなが平気でしてるものとして、あかりも多少は気が楽であったが、
ウンコの方は、誰もが他人に悟られないようにし、
まるでウンコをしたのは誰もいないようなまでに、学校生活から隔離されていた。

それだけ人目に晒してはいけないものであるし、
ひとたび晒してしまえばどうなるのかは、あかりは本当に痛いほど知っている。

もし、まことの願いを受け入れてトイレに入れたは良いが、
あまりのウンコの醜さに、まことが離れていってしまったらと思うと、怖い。

しかし、その恐怖の中で、もしもまことが
自分のウンコを受け入れてくれたらという期待が、大きくなってくる。

今までずっと、自分のために積極的に近付いてくれて、
自分なんかと親友になりたいとまで言い、
自分がお漏らしをしたときは、汚れるのも構わず自分をキレイにしてくれた
まことの優しさを、まことの心の広さを、あかりは思い出す。

まことなら、本当に受け入れてくれるのではないか。
まことなら、自分のウンコを見ても今まで通りにつき合ってくれるのではないか。

このドアの向こうに、まことがいる。
自分を抱きしめてくれるまことがいる。

どうなるかはまだ分からない。

しかし、自分はもうまことに期待してしまった。
不思議なぐらいに、まことへの期待だけが、恐怖を超えて自分の中で膨らみ続ける。

もう、この後はどうなってもいい。
まことが入りたいと言ってくれるのだから、入れてあげる。

意識とは裏腹に鼓動は高鳴り、体はガクガクと震え、思うように動かないが、
何とか立ち上がり、下ろしていたパジャマのズボンを上げると、
その震える手を、ドアへと伸ばしていった。

 

ガチャリと、ドアのカギが開く音が、まことの耳に入ってきた。
半ば拒まれることも覚悟していた分、逆にこの音が意外であったのか、
すぐにはドアを開けられなかったが、
ゆっくりと呼吸をして心を落ち着け、ようやくドアノブに手をかける。

生唾を飲み込むまこと。やはり緊張は隠せない。
だが、あかりが勇気を出してくれたのだ、何としても入らなくてはならない。
そして、あかりのウンコを受け止めなくてはならない。

あかりと同じように、意を決したまこと。
とうとう、目の前のドアを開ける。
まず視界に入ってきたのは、真っ赤な顔でうつむきながらも、
上目遣いにまことの表情を窺うあかりの姿であった。

意識してなのか、それとも無意識なのか、
まことは、まだ視線を下に向けていない。
そのまま、何も言わずに、トイレのドアを閉めた。

「…ありがとう、あかりちゃん」

まことがまず口にしたのは、あかりへのお礼の言葉であった。
次に、あかりの動揺を抑えるために、おもむろにあかりを抱きしめる。
だが、これはまこと自身の動揺も示しているのだろう。
あかりを抱きしめるその手は、ブルブルと震えていた。

震えるまことの手に抱かれるあかりも、やはり同じように震えている。
二人とも、激しい緊張の中で、自分がどうするべきか考えている。
お互いに湧き起こって来ている、ある感情が、二人を導いているのであろうか。

 

あかりを抱きしめたまま、ゆっくりと鼻で息をし、
トイレの中に籠もる軟便の臭いを、改めて意識して嗅ぐまこと。

出したての、新鮮な、ほんのりと酸っぱく、そして臭い。
気分的に生暖かく感じるその臭いが、今は愛しく感じられる。

「あかりちゃんの出したてのウンチの香り…。そして…」

そういうと、今度もゆっくりと横を向き、下の便器へ目をやる。
まことの目の前には、こんもりと積み重なった軟便が、
便器の中で大きく広がっている。

やや薄い茶色の、積み重なったまま一つになってしまったような軟便。
積み重なっていく内に、下にあった軟便が潰され、横へ広がっていったのだろう。
その自然に出来た泥山のような形が、また卑猥であるし、
これがあかりの出したものだと思うと、さらに胸がドキドキとしてくる。

「そして…これが、あかりちゃんのウンチなんだね」

「は…恥ずかしいよ…。あんまり見ないで…」

ついにあかりのウンコの臭いを堂々と、
あかりと一緒に嗅ぎ、見ることが出来た感動で
思ったことが全て口に出てしまい、それがあかりを一層恥ずかしがらせてしまった。

「はは、ゴメンゴメン。…でも、平気だろう、アタシ?」

軽く笑ってあかりの緊張をほぐそうとするまこと。
あかりの軟便の臭いを嗅いでいる内に、いつのまにか
気が大きくなっているまこと。舌も滑らかになってきている。

「初めてあった時の事、憶えてる?」

具体的には、二人が初めて会う直前のことでもある。
トイレで、まことが下痢便をしているあかりの後ろの個室に入り、
大声で臭いと叫んでしまったこと。そして、初対面のあかりに向かって、
まことがそれをなじるような注意をしてしまったことである。

「あの時は、本当に悪かったけど、臭いって思っちゃったんだ」

だけど、今は違う。あの時と似ている、この軟便の臭いも、
嗅ぎたくてたまらなかったし、嗅げて嬉しかった。

誰のだか分からなければ、非常に不愉快になったであろう軟便の形も、
あかりのだと思うと、どんなにじっくりと見ても平気だし、
やはりこれが見たくてたまらなかった。と、まことは語る。

「でも…どうして…ウンチなんか…」

まことの胸に顔をうずめたまま喋る、あかりのもっともな問いかけにも、
まことは正直に答える。

「初めは…同情だけだったかもしれない…。
 でも、今はそれだけじゃなくなってきてるんだ…」

きっかけは確かに同情心だった。
そして、それに友情が加わり、やがては愛情に変わっていく。

「あかりちゃんが好きだから…。あかりちゃんを愛しちゃったから…!
 あかりちゃんの全てが知りたい…。ウンチでさえ、あかりちゃんのだと思うと、
 愛おしくなってくる…。狂いそうだった…あかりちゃんのウンチを知りたくて…!」

まことの切なる思いに、たとえ言っていることは常識外れなことであっても、
あかりには、その思いが理解できるようになってきた。

自分のウンコなんかを、自ら見たい嗅ぎたいと言ってくれる
まことの気持ちが、ようやく現実のものとして感じられてくる。
徐々に激しくなってくる、この胸の鼓動は、もう不安ではない。
確かではなくとも、きっと、まことへのときめく思いなのであろう。

 

「はぁ〜…。本当にいい臭いだよ…。ずっと…ずっと…嗅いでいたいな…」

あかりが安心してきたのが分かってきたのか、
堂々と、あかりに聞こえるような深呼吸をして、
今なお立ちこめる軟便の香りを、嗅ぎ続けている。

クンクンと下品に嗅ぎまくるのではなく、
ゆっくりと、一度にたくさんの香りを吸い込む。

そのまことの呼吸の音も、今のあかりには妙に心地よい。
こんなにも嬉しそうに自分の軟便の臭いを堪能してくれるなんて。
とてつもなく恥ずかしい臭いを嗅がれているのに、
まことになら、もっと嗅いでほしい。そんな思いがよぎる。

だが、もちろんそこはあかりである。
「もっと嗅いで、まこちゃん…」なんて色っぽく言うことは出来ないし、
嗅がれて嬉しいという思いも、あかり自身が気付いて思ってるわけではないのである。

あかり自身が気付いてないのに、どうして嗅がれたいという思いが分かるのか。
それは、あかりの全身が熱くなっていく中で、
ひときわ熱くなっていくあかりのアソコが、それを示していた。

自分の恥ずかしいものが相手に知られていく、体が痺れるような感覚。
その相手が、信頼したまことだというだけで、
ビリビリと痺れるような感覚は、かすかに快感を帯び、心地よいものになっていった。

 

「…あかりちゃん」

深呼吸をあらかた繰り返すと、まことはあかりを抱く手を離し、
今度は両手を握り、あかりの顔を真っ直ぐに見つめる。

急に両手を握られて、驚いたあかりも、思わずまことを見上げ
視線が合ってしまうと、まるで金縛りのように、その目をそらせなくなってしまった。

見つめ合ったまま、しばしの沈黙の時が流れる。
自分を見つめるまことの視線に、体も心も緊張が止まなくなるあかり。

「これが、アタシに出来るあかりちゃんへの、愛…」

そういうと、まことは不意に横を向き、その下に見える便器へと目をやる。
そして、便器に広がる軟便に、これまた真っ直ぐと目をやると、
体を落とし、便器の前にひざまずくような姿勢をとる。

そのまま体を前へと伸ばし、顔を便器のすぐ上に持っていき、
その中の軟便に顔を近づけ、あかりに聞こえるように
軟便の臭いを思いっきり吸い込む。

本当に目と鼻の先、そんな近くで軟便の臭いを吸い込んでいる。
さすがにまことが大丈夫なのか、不安になってくるあかりだが、
もうここまで来るとまことのしたいようにさせるしかない。

(私のウンチの臭いを嗅いでる…。私の…ウンチの…)

胸に両手をあてて、心配しながらも、
まことの行為に、ときめきが興奮へと変わっていくあかり。
頭の中で、自分がされていることを呟くたびに、
股間が熱くなる。アソコが熱くなっていく。

「あかりちゃんを愛しているから、ここまでしたい…」

数回、軟便の臭いを吸い込んだまことが、顔を上げ、
あかりの方を振り向き、そう言う。

「あかりちゃんを愛しているから…。あかりちゃんの全てを知りたいから…」

もう何回も同じような言葉を繰り返したことか。

何度言っても言い足りない。
この思いがあかりに完全に伝わるまで、言い続ける。
それが、まことの思いであろうか。

しゃがんだまま、あかりを見つめながら、
さりげなく右手を便器へと持っていくまこと。
そして、その右手は便器の中の軟便へと向かっていくのである。

「ま!まこちゃん!」

グチャ…という気色の悪い音があかりの耳に聞こえた。
それが何の音であるかは、あかりにもとっさに分かった。

慌ててまことを呼び止めても、もう遅い。
まことがゆっくりと右手を便器から上げると、
その手の指先には、ベットリとあかりの軟便が附着してしまっていた。

「大丈夫…。全然汚くなんか無いよ…。ホラ…」

微かに引きつった微笑みで、あかりにそう答えると、
おもむろに軟便まみれの指先を口元へ持っていくまこと。

「え…?え…!?…そ、そんな…」

あかりにとって、全くの未知の世界であったが、
まことがこれから何をするのか、あかりは本能で悟った。
しかし、悟ったところでどうすれば良いのかまでは、頭に浮かんでは来ない。

そして、あかりの動揺をよそに、
とうとうまことは、あかりの想像通りの行為をしたのである。

 

ピチャ…、グチュ、ジュルルッ…

「・・・!!」

まことの口から伸びた舌が、指についた軟便を舐め、
その軟便を口の中へ運んでいく。

グジュルゥ…、ジュバ、ブジュ、ジュビュルゥ…

それだけでは飽きたらず、指ごと口の中へ持っていくと、
指一本一本についた軟便を丹念にしゃぶり、口の中で堪能していく。

「あ…ああ…、あああ…」

おぞましいとも言えるまことの行為に、体がガクガクと震えだす。

(私のウンチ舐めてる…。私のウンチがまこちゃんに舐められてる…。
 まこちゃんの口に…ウンチが…。私の…ウンチが…!)

自分のウンコの臭いを嗅がれてしまっただけでなく、
とうとう味まで知られてしまった。
ウンコを舐め、味わうというおぞましい行為の上に、この羞恥。

それでも、やはりこの震えは恐怖ではない。
自分のウンコがまことに味あわれていると思うたびに、アソコが熱くなる。
訳も分からずに、アソコが触りたくなる。アソコを弄りたくなる。

「ああ…まこちゃん…。まこちゃん…!」

「…あかりちゃんのなら、ウンチだって食べたかった…。
 …あかりちゃんのウンチ、美味しかったよ…」

全身が限界なまでに熱くなり、今すぐにでもアソコをかき回したくなるのを
必死に堪えるあかりに、まことはすっかり綺麗になった右手を口から出し、
あかりに手の平を広げて、あかりのウンチが美味しかったと囁くような声で言う。

本当は美味しいわけがない。
しかし、気分が高揚、興奮し、味なんてほとんど分からない。

いや、まことにとっては、その舌が痺れる味こそが、
今や本当に美味しいと感じられるようになっているのかもしれない。
あかりのウンコは、もはや美味しいものとしか考えられないのかもしれない。

(私のウンチ…味わってくれてる…。
 …まこちゃん…私のウンチ美味しいって言ってくれてる…)

ただでさえアソコがうずいてたまらないところへ、
まことの「美味しい」という言葉。
震えはますます激しくなり、足のそれは、まことにも分かるぐらい大きかった。

 

全身が大きく震えているあかりを見ても、
まことはそれが恐怖や嫌悪によるものだとは感じなかった。

あかりの顔を見れば分かる。
あかりの目は、あきらかに興奮しているのが分かる目であった。

どうして興奮しているのか、本人が分かってなくても、体は正直である。
荒い息継ぎからも、それが窺われる。
おそらく、自分の体の興奮を制御しきれていないのであろう。

それを見て取ったまことも、やはり興奮していた。
努めて落ち着いて振る舞おうとするが、あかりと同じく、体は震えている。

その震える体を何とか押さえつつ、立ち上がるまこと。
そして、あかりの両肩に手をかけると、また大きく深呼吸をする。
今度は、軟便の臭いを嗅ぐためではない。自分を落ち着けるためである。

「ハア、ハア、ハッ、ハア…!ハッ…!」

あかりの呼吸はまだ安定していない。
それでも、その目はまことの目をじっと見つめたまま、そらそうとはしない。
その目は、まことの告白をじっと待っているかのようである。

本能なのか。これが、女の本能であるのか。
今、二人がどういう流れに巻き込まれているのか、次にまことが何を言ってくるのか。
あかりの、女としての本能が、それを察知し、ただひたすら待っている。

まことも、あかりが何も言わないのは、
自分の言葉を待っているだというのが、何故か分かった。

もはやあかりの本心を聞くような、野暮なことなど必要ない。
ただ自分の気持ちに正直に、自分のしたいことを告白すればいいのである。

「あかりちゃん…。あかりちゃんの全てが知りたい…。
 ウンチだけじゃない。あかりちゃんの体を…体の…全ても…」

あかりへの告白をしたまことは、
瞬きもせずに、あかりをじっと見つめたまま、返事を待つ。

「…ハアッ、ハアッ、わ…私…、こんなの…よく…分からないけど…
 まこちゃんが…したいんなら…いい…よ…」

荒い息継ぎをしながら、必死にまことへの返事をするあかり。
気は動転していても、自分の興奮を抑えることはできなくても、
返答はしっかりしている。それが、まことの告白をちゃんと受け止めた証でもある。

「あかりちゃん…好き…愛してる…」

まことが、あかりへ顔を近づけていき、
お互いの顔が、吐息の感触まで感じる所まで、限りなく接近する。

あかりの顔にも、まことの吐息が触れる。
その吐息は、元々の口臭に、微かに自分の軟便の臭いが混ざった、複雑な臭いを醸し出す。
頭がほとんどボーっとしているあかりには、
今やまことと同じように、その臭いが興奮をかき立てるものでしかなかった。

自分をますますおかしくさせていく、
その臭いを嗅ぎながらまことの目を見つめるあかり。
そして、まことは唇を近づけ、あかりに口づけをする。

その臭いを、その感触を、その味を。
あかりは何も考えずに受け入れながら、ただまことのするがままに体をまかす。

まだ舌は絡めない、軽い口づけ。
そのまま、まことは右手をあかりの肩から離すと、
今度はその手をあかりの尻へと回し、揉むように撫で回し始めた。

 

その14

「ああ…、あかりちゃん…あかりちゃん…」

感極まったようにあかりの名前を呼び続けながら、
まことは、いつしか片手だけでなく、両手で尻を揉み、撫で回す。

両手はふさがってしまったが、
自分の体を、自分の胸をあかりに押しつけるようにして、
あかりと密着する。

触れるだけで熱いぐらいのまことの体と、
懐かしいような柔らかい胸の感触が、あかりを夢心地にさせる。

そして、自分の尻を丹念にまさぐられる感触。
パジャマの上から触られるのが、まことが手の強さをやわらげ、
尻に擦れるパジャマの生地の微妙な感触が、尻の性感帯を刺激する。

夢心地の中で、尻の性感帯を刺激されるあかり。
あまりの心地よさに立つのもままならないように、
まことの背中を抱きしめ、感じるままに体をまかせる。

 

あかりの尻の感触を思う存分に堪能しつつ、
まことは、あかりの髪を嗅いでみる。
ほのかに残るシャンプーの香りも、あかりの匂いだと思うと
たまらなく愛しいものに感じてくる。

自分があかりの尻を揉み、撫でるたびに、あかりの体がビクンと震え、
その度にあかりの吐息を胸に感じるのが、まことにも心地よい。

「んぁっ…!んふぅ…はぁっ…!」

あかりの体の震えが、より大きく、激しくなってくると、
まことも尻を触るだけでは我慢が出来なくなってきた。
右手を尻から離すと、今度はそれをパジャマの中へ入れていく。

「ふぅ…ん!!」

既に体の感度も十分高まったあかりの尻を、
今度はまことの指が、直に上から下へなぞっていくと、
あかりの尻に、今までのくすぐったい感触から一転して、
今度は軽い電気ショックのような刺激が襲う。

夢見心地をさます、突然の強い刺激に、
あかりは思わず一瞬背伸びをするような体勢になってしまう。

今までのあかりでも受け止めることのできる快感から、
急に本格的な性の刺激に襲われ、一瞬だがあかりの頭の中は空になり、
まるで自分が飛んでいくかのような感覚に陥った。

(はぁ…何…今の…!?)

いつもやるオナニーとは比べものにならない、
他人に性感帯を刺激されるという快感。
その、あかりにはあまりにも強すぎた刺激が、
驚きと恐怖を、あかりの脳裏によぎらせる。

(まこちゃん…怖い…!)

声にならないあかりの声。
まことの胸に抱かれたままでは、どうしてもそうなってしまう。
だから、まことにはあかりの恐怖は伝わらず、
まことは、そのままパジャマの中に手を潜らせたまま、
手をあかりの尻の割れ目へと進ませていく。

そして、キュッと閉じられた尻の割れ目に中指を滑り込ませ、
割れ目の中央部である、あかりの肛門を目指す。

グニュ…

「はっ、あふぅっ!」

(ん…?なんだろう、この感触は…)

まことの指が、あかりの肛門へ触れた瞬間、
奇妙な感触が、まことの指とあかりの肛門の両方に起こる。

あかりには、単に指で触られただけとはまったく違う、
肛門に走る、ローションのようなヌルリとした感覚が、さらなる性の刺激を与え、
まことには、頭に描いていたイメージと
まったく違った肛門の感触と、何かが指に附着した感覚が、疑問を憶えさせた。

 

まことが肛門から指を離しても、指先の粘った感触はまだ残っている。
やはり何かが指に附着していることは明白だ。

(そうか…もしかして、これは…)

指先をあかりの尻に付けないように注意しながら、
ゆっくりとパジャマの中から手を出したまこと。
その中指を見ると、まことの予想したとおり、指先には軟便のカスがベットリと附着していた。

「ゴメン…、まだお尻拭いてなかったんだね…」

自分の胸の中でハアハアと息を荒げているあかりに、声をかけるまこと。
そして、愛おしそうに指先の軟便のカスを口に含みつつ、
いったん密着した体を離す。

「あかりちゃん、ちょっと後ろを向いてごらん」

再びあかりにそう声をかけるが、そう言いつつも、
結局自分の手であかりを後ろに向かせててしまうまこと。
そして、あかりに壁に手をつかせると、まことはその場にしゃがむ。

「アタシが、綺麗にしてあげるよ…。いいよね、あかりちゃん」

「え…?あ…うん…」

意識が少し朦朧としてる中で、
あかりはまことの言う「綺麗にしてあげる」の意味を、
単純にお尻を拭いてくれるものだと考え、何となく頷き、
まことは、あかりの返事を聞くや、
すぐさま腰の当たりに手を伸ばし、パジャマのズボンを下ろそうとする。

緊張か遠慮か、一瞬まことの手が止まったが、
すぐにズボンとパンツをまとめて下ろし始めた。

いきなりではなく、ゆっくりと下ろす。
少しずつあかりの尻が姿を見せていき、
やがて、小ぶりだが張りのある、形の良い尻が完全に露わになった。

以前、あかりがお漏らしをしたときにも、
同じような形であかりの尻を見る機会はあった。

しかし、あの時は、あかりの尻は完全に軟便にまみれ、
じっくりと見ることもできない事情もあって、
その尻の肉付きまで堪能することは出来なかったのである。

初めてその尻を堪能する時間が来たのだが、
今のまことにとって、もっと堪能したい所、肛門を、
早く見たくてたまらなかったのである。

「あかりちゃん、ちょっとお尻をこっちに向けて…。うん、足を開いて」

まだ分かってないあかりは、まことが言うままに両足を少し左右に広げ、
壁に手をついて、尻を軽く突き出すような体勢をとる。
すると、まことはおもむろに両手で左右の尻たぶを広げ、
その中央で下痢便にまみれながら、すぼまっている肛門を露わにした。

(ふわぁ……)

まことのすぐ目の前で完全に剥き出しとなった、あかりの肛門。
軟便のカスでベトベトになっていながらも、キュッと締まっている様が、
愛らしく、またいやらしくてたまらない。

お尻を綺麗にすると言っておきながら、
うっかり肛門に見とれてしまったまことは、
しばらく肛門を見つめたまま動きが止まってしまう。

(…あれ?…まこちゃん…?)

無防備に肛門をさらけ出されたまま、
まことが尻を拭いてくれるのを待っていたあかり。

だが、尻を出したものの、その後が何もないことに気がついて、
まことに声をかけようとしたとき、
まことの顔はあかりの尻に密着するぐらいに近付いていて、
さらに、そこから舌を肛門に伸ばしていたのである。

ピチャ…

「ひぃっ!!」

突然肛門に感じる滑った感触。
冷たくなった軟便のカスの感触をかき消し、
それよりも、より感じる、より生暖かいまことの舌の感触。
あかりは、一体何が起こったのか、
自分は一体何をされているのかが理解できず、ただ悲鳴を上げただけであった。

 

ピチャ…ペロペロペロ…、ピチャ…、ペロッ…

まことは、まず軽く肛門を舐め、あかりの反応を確かめたところで、
すぐにピチャピチャと音を立てながら、肛門を舐めまくり始める。

初めは、ウンコの味だけが舌に走り、
舐めているうちに、唾液でその味がだんだんと薄れ、
やがては自分の唾液の味しかしなくなっていく。

だが、その無味の中でまことは、あかりの肛門の味、
ひいては、あかり自身の味を感じていた。

初めて自分の舌があかりに触れ、
その感触、その味を確かめることができる。

あかりの出したウンコの味に比べれば、大したことはないであろうが、
それによって起こる感動は、ウンコの時に勝るとも劣らない。

たとえ味とは言えない味であっても、
今、自分の舌に広がる微かな感触こそ、あかりの味であり、
自分だけが味わうことのできる味なのである。

(あかりちゃんのお尻の穴…美味しい…美味しい…!)

「ハフ、ハフッ…ハッ…!ふぁふっ…!」

歓喜のまこと。
もはやあかりに気遣う様子もなく、犬のようにベロベロと激しく音を立てながら
肛門だけでなく、その回り、尻の谷間全体を舐めまくる。

舌だけでなく、顔も大きく上下させ、上は尻のエクボから
下はあかりの股下、ほとんどアソコにかするぐらいの所まで舐め、
顔を密着させすぎたせいで、鼻や額に自分の唾液がつくのも気にしていない。

舐める。ただひたすら舐めまくる。
目をつぶって舐めまくり、あかりの肛門の感触と味だけを頭の中に浮かべ、
他の感覚はいっさい入れずにそれだけを堪能するのであった。

 

まことが肛門を舐めるたびに、大きくあかりは尻を揺らし、足を震えさせる。
ここにきて、あかりもようやく自分のされていることが分かってきていた。

生暖かい、気色悪いという感覚は、
自分の肛門を中心に、全身が痺れていくような感覚にかき消されていく。

それが、気持ち良いのか悪いのかは分からない。
その痺れが、その気持ちすら分からなくしてしまう。
しかし、あかりの体の震え、尻の揺れは、
まことの舌の動きに感じている動きであった。

「は…あぁ…、お尻が…お尻が…!」

あまりの強烈な刺激に、あかりの尻が
無意識にまことの舌から逃れようと揺れるのを、逃さまいとするまこと。

「ああぁ…!ううっ!う、く!くぅぅぅぅっ!」

まことの両手ががっしりとあかりの腰を支えるため、
尻もほとんど動かせなくなり、あかりの尻はまことの舌から逃れることもできず、
ただ肛門を舐められるままにまかせるしかなかった。

なおも容赦なく続くまことの肛門舐めに、
とうとうあかりは全身を振るわせて苦しそうな声を漏らす。
気がつけば、あかりの股間はまことの唾液だけでなく、自分の愛液でもベタベタになっていた。

「はぅ…!う…く、はあぁぁっ!」

その声も、苦しみによるためのものではなかった。
あかりのアソコから休まることなくトロトロと溢れる愛液が、
その声があまりの快感の強さに堪えられなくなったことから
出ているものだということを示している。

ヌヌッ・・・!

そして、ついにまことの舌があかりの肛門の中に侵入しようとした瞬間、
あかりは、自分の体を支えられなくなってしまう。

ドクドクと激しく愛液があふれ出す。
肛門だけでなく、アソコまでもが熱くなり、下半身の感覚が一気に失われていく。
あかりは、まるで失神したかのように、ガクリと体が崩れた。

 

「ん?うわたた、おっ…と」

突如自分の顔にあかりの尻が覆い被さり、
一気にあかりの全体重がかけられたまことは、慌てて舌を引っ込め、
崩れ落ちるあかりの体を支える。

「だ、大丈夫!?ゴメン、ちょっとやり過ぎちゃった」

立ち上がり、あかりに声をかけるまこと。
だが、ようやく強烈な快感から解放されたあかりは、
グッタリと疲れたようにせつない吐息を吐くばかりで、返事ができない。

危うく狭いトイレの中で転倒して頭でも壁にぶつけるところだったと、
まことはこんな所で調子に乗りすぎた自分を反省し、
とりあえずあかりを横にするために、ベッドまで支えていった。

しかし、ベッドで横にして、もう終わりということではない。

「ちょっと横になって、落ち着いたらさ…ね」

あかりに聞こえてるかは分からないが、
まことは、まだ続きをやるのだということを匂わす言葉を呟いた。

 

「落ち着いてきた…?あかりちゃん」

ベッドに寝かされたあかりも、少し横になると呼吸も整ってきたようで、
ハアハアという荒い息づかいもなくなっていた。

「ハァ、ハァ…、まだ…なんか…熱い…」

「熱い…どこが…体?」

熱いと話すあかりに、まことが言葉を返すと、
あかりは横になったまま、コクリと頷く。
その言葉を聞いて、次の言葉を言おうと思ったまことの口が止まる。

しかし、一呼吸して緊張をふりほどいたまことは、
胸の鼓動を高まらせながら、あかりのパジャマに手を伸ばしていく。

「それならさ、服を脱いだほうが早く涼しくなるよ…」

さりげなく振る舞い平静を保ちながらも、手は震えているまこと。
それでも、自分の言葉にあかりが何も疑問を抱いてないと見るや、
静かにパジャマのボタンを外していく。

「ありがと…まこちゃん…」

まことの真意を分かっているのかいないのか、
パジャマを脱がしてくれることに、お礼を言うあかり。

まことの手は、あくまで優しく、邪念は感じられない。
しかし、その行為があかりの体を冷やすためでなく、
まことが、あかりの裸を見たいための行為であることは、分かっているのかもしれない。

いやらしい行為が終わった空気は流れてないが、
まことも、さあ続きをとストレートに裸にするのは嫌であったし、
あかりも、自分から脱ぐわけにはいかない。

さりげなく、さりげなく最後の行為に近付こうとするまことの気持ちに、
あかりも、分からないフリをしながら答えたのであろう。
一つ一つボタンが外されていくのをじっと待っているあかりも、
やはり、胸の高鳴りは治まることはなかった。

 

「・・・・・・」

お互いに沈黙の時間が続くまま。
ようやく、まこともボタンを外し終えた。

「ゴメン、ちょっと体…起こすね」

そう言って、あかりの背中に手を入れ、
上半身を起こしながらパジャマを脱がしていく。

明かりを消した寝室の中で露わになったあかりの裸体が、
窓から差し込む明かりに映える。

まことは生唾を飲み込むのも忘れて、食い入るようにあかりの体を見つめる。
暗い中でも分かる、その肌のツヤと軟らかそうな乳房は、
入浴中には分からなかった色気を出している。

和やかなムードで楽しみながらの入浴中に見た乳房と、
この静けさの中、胸を激しく高まらせながら見た乳房では、湧き起こる欲求が違う。
まるで当然のように、まことの手はあかりの乳房へ吸い寄せられていく。

「ん…」

片手であかりの背中を支えながら、
もう一方の手であかりの乳房に触れ、そして、包み込むように揉んでいく。

こちらが乳房を包んでいるのに、
まるで逆にあかりの乳房に包まれていくような感覚。
指に吸い付き、そのまま吸い込まれてしまいそうな柔らかい感触は、
弾力性のあるまことの胸とは、また違った心地よいものである。

(凄い…。オッパイに触るだけで、こんなに気持ちが良いなんて…)

あかりの尻を触ったときも感激したが、
胸を触ったときの感激は、それ以上である。
この柔らかい感触は、尻肉にはとても味わえないものであるのだから。

 

「は、う、ぅんん…」

いったん、あかりを横にしたまことは、今度は両手を使って
左右の乳房を揉み始めていた。

丁寧に、丹念に、乳房全体を包み込むように掴み、
円を描くように手を動かして揉む。
その動きは、まことだけでなく、あかりにも快感を与えていた。

「気持ちいい…?まだ、刺激が強いかな…?」

「ん、うう…ん。大丈夫…これなら…」

「これなら…?」

胸を揉まれながらまことと話していたあかりだったが、
まことにその言葉の先を聞かれると、急に横を向いて口をつぐむ。

おそらく、「これなら平気。気持ちいいよ(快感が強すぎない)」
というつもりだったのだろう。だが、理性の戻ってきた状態で
「気持ちいい」と感じていることをいうのが恥ずかしかったのだろう。

顔をそらしてしまったあかりだが、嫌がっている表情ではない。
照れくさそうにしているあかりの表情で、その気持ちを悟ったまことも、
それ以上は聞かず、クスリと微笑んで、手を止める。
それに反応して、あかりも顔を戻して上を向く。

微笑んでいたまことも、緊張で顔がこわばっているあかりを見て、
思わずおかしくなって噴き出してしまう。

「そ、そんな…。だって…ドキドキしちゃって…」

「ゴメンゴメン。…でも、緊張してるのはアタシも一緒だよ」

あかりをリードしようと、一生懸命平然さを保とうとはしていても、
やはりあかりと同じく緊張しているのである。
噴き出してしまったことによって、まことも堪えていた緊張が出てきてしまったのか、
そうあかりに語る言葉も、どことなく声が震えている。

見つめ合ったまま、緊張で体を震わす二人。
二人とも、次の言葉を出そうとはしているが、
ここに来て急激に激しくなった胸の鼓動が、それを妨げている。

「あ…あの、あのっ」

意外にも、勇気を振り絞って先に口を開いたのは、あかりの方であった。

「私…ホントに…何にも知らないから…どうしていいのか…」

まったく無知ということではないだろうが、
二人でのHという行為に、経験もなければ自信もない不安を覗かせるあかり。

だが、経験も自信もないのは、まことも一緒である。
ただ心の赴くままに、失敗を恐れずにできるかできないかの違いである。

「大丈夫だよ…。あかりちゃんはじっとしてればいいよ…。
 アタシだって知ってるわけじゃないし…でも、一生懸命やってみるから」

あかりの一言のおかげで、まこともすんなり口を開けるようになり、
あかりの不安を振り払うため、優しく言葉をかける。

「だから…いいよね…」

「…うん…」

もはや、言葉は一言だけで通じる。
あかりの返事を聞くや、まことは素早くパジャマの上を脱ぎ、
自分も上半身をさらけ出すと、仰向けに寝るあかりの上に、
四つん這いの格好で上になる。

「目を閉じて…」

そのまま、ゆっくりと顔を近づけながらあかりに声をかけるまこと。
あかりが言われるがままに目を閉じると、まことも目を閉じる。
そして、二人の唇と唇が触れる。

トイレでのキスよりも、もう一歩進んだキス。
まことは、今度はあかりの口へ自分の舌を絡ませていく。
まことの舌を唇に感じると、あかりも少しずつ唇を開いていき
まことの舌を口へと受け入れていく。

口の中で動き回るまことの舌へ、
あかりも見よう見まねで自分の舌を伸ばし、ぎこちなく絡ませていく。

口の中で自分の唾液とまことの唾液が混ざり合い、複雑な味を醸し出す。
その味の中には、あかりの肛門に附着していたウンコカスの味も混ざっている。

今度は臭いだけではない、自分のウンコの味まで感じてしまっている。
しかし、やはりその味も不快なものとは、あかりは感じなかった。
まことと一緒に、この味を貪るように舌を絡ませ続ける。

その味がどんなものであるのかすら、分からないのかもしれないが、
あかりにとっては、この不思議な味こそが、初めてのキスの味となるのであろうか。

その15へ続く