美少年達のショートストーリー
太郎君の困ったオチンチン

-7-

「俊男君、もうすぐトイレだけど、そこに行っておいた方が良いんじゃないかな?」

普通はマラソンの途中でトイレに行くという事は考えられないので
コースMAPやコースの途中にトイレのポイントが示されることはありません。
しかし、この「美少年フルチンマラソン大会」では
まるでトイレを利用してほしいかの如く、トイレの案内がされているのです。

それを見て、太郎君は俊男君のお腹の調子を気遣いますが
俊男君はまだ決心が出来ないでいます。
ウンチをしたいとは思っていますが、太郎君に気を遣わせて
頑張りを無駄にしてしまうのが辛く、出来ることなら我慢したかったのです。

でも、もう自分の下痢は我慢できるレベルではなく
ここのトイレを逃したら、もう次のトイレまで耐えることも出来ずに
野糞という最悪の事態を迎えることは理解しています。

これも、ある意味トイレが罠になるという事でしょう。
トイレが用意されてるが故に、どんなに我慢をするつもりでも
気持ちが弛んでしまうのです。トイレでウンチが出来るのだから、と。

ちなみに、このマラソン大会で野糞というのは
ただの野糞よりも、はるかに不幸な出来事になってしまいます。

美少年達のフルチン姿を見守っている、観客のお姉さんお母さん達が
コースから外れて物陰に隠れようとする美少年に
注目しない訳がありません。すぐに騒ぎになって美少年を追いかけ
心配と好奇の入り交じった顔で取り囲み、美少年は大勢の人に
見つめられながら、ウンチを肛門から吐き出さなくてはならないのです。

「こないで! こないでったら!!」

「ううぅ…見ないで下さい…。 あっちへ行って下さい…」

きっと、ハズレのドリンクを飲んでしまった美少年の中には
物陰なのに大勢の女の人達に見守られながら
あまりにも辛すぎる脱糞をしてしまった子もいたのかもしれません。



「ゴメンね、太郎君。僕、トイレに行ってくるから、先行ってて」

トイレポイントに辿り着いた太郎君と俊男君。
しかし俊男君が太郎君を先に行かせようとしたことで、揉めているようです。

「いやだよ、俊男君を置いていくなんて。
 僕、待ってるから、俊男君早くトイレに行ってきていいよ」

太郎君がどんなに待つと言っても、俊男君は安心してトイレに行けません。
下痢というのは、ウンチを吐き出してすぐに終わりではないのです。
溜まっていたウンチを吐き出しても、腹痛はすぐには治らず
その腹痛が新たな下痢便を少しずつ生み出し、お尻の中に
再び下痢の悪寒を走らせるのです。

その悪寒が落ち着くまで、何度も少量の下痢便を吐き出し
最後には泥水を何度も捻り出して、ようやく下痢が終わるのです。
それを待っていたら、果たして終わるまで何分かかってしまうのでしょうか。
その間に他の美少年達が自分達を追い越し、太郎君の優勝が
無くなってしまっては、俊男君は悔やんでも悔やみ切れません。

「太郎君、これは太郎君にとって大切な大会なんだよ?
 僕を待ってたら太郎君が優勝を逃しちゃうんだから
 太郎君は先に行かなきゃ駄目なんだよ」

もう笑顔を作っている余裕もなく、痛むお腹と肛門の激痛を堪えながら
太郎君を説得する俊男君に根負けし、太郎君は先に行くことを了解しました。

「…分かった。僕、絶対に優勝してみせるから。俊男君も頑張って」

太郎君が再び走り出したことでようやく安堵した俊男君は
改めてトイレの方へ向かいます。しかし俊男君の側にはすぐに
女の人達が続々と集まってきました。

「君、もしかしてお腹痛いの?下痢?」

「大丈夫?お腹壊したんだったら、そこのトイレでウンチすればすぐ治るわよ」

「可哀想…。ウンチ柔らかそう?ウンチいっぱい出そう?」

女の人達は皆、心配そうな表情で俊男君を取り囲みますが
そんな風に話しかけられても、もう中学生の俊男君には
答えることすら恥ずかしくなりそうな質問ばかりです。

ですが、人の良い俊男君はその質問一つ一つに
全て返事をしてしまうのです。お行儀の良さもありますが
自分を心配してくれる他人を無視することは悪いと感じてしまうのです。

そんな女の人達の質問から逃れるかのように、俊男君は
お腹を手で押さえながらトイレに向かって小走りで駆けていきます。
そうでなくても駆け足でトイレに向かわなければ
ウンチを漏らしてしまいそうなのですから、なおさらです。

「えっ?もう漏れそうなの? しっかり!頑張って!」

俊男君が逃げ出しても、女の人達はまだ追いかけてくるどころか
俊男君をさらに恥ずかしがらせるような大声で心配して、後についてきます。
そしてとうとうトイレの中にまで押しかけてきてしまいました。



基本的には、美少年フルチンマラソン大会のために建てられた
このトイレは簡素な作りで、男女用の区別もなく
ただ大用の和式便器の個室が三つほど用意されているだけです。

そのため、女の人達が美少年が使用しているトイレの中に
入ってきても、まったく咎める理由はありません。
俊男君も、それを分かっているからこそさっさと個室に
入ってしまいましたし、出来る限り気にしないように努めています。

ですが、どんなに恥ずかしくても、下痢の時に
トイレでウンチが出来るという喜びは、何物にも代え難いものです。
太郎君も先に行ってくれたことで、後は安心して下痢便を
吐き出し、腹痛が治まるまで待てばいいだけなのですから。

俊男君が個室に入った途端に、急に声を潜めてしまった
女の人達のことは、もう諦めれば良いだけのことです。

なにせフルチン姿なのですから、服を脱ぐ煩わしい手間もなく
俊男君は個室に入って便器をまたいだら、すぐにしゃがんで
ウンチをするだけです。いよいよ、俊男君のウンチが始まります。



−8−

あれほど俊男君のお尻を内側から圧迫し、便意を強烈に刺激させていた
下痢便なのに、いざ便器をまたいでも、すぐには出てこなかったりするのです。

便器の上にしゃがみ込んだ俊男君ですが
あれほど限界かと思われた下痢便は、即座には溢れ出ませんでした。

痛むお腹、今にも破裂しそうな感覚の肛門。
お漏らし怖さに必死に我慢したのが何だったのかと思いそうになりますが
押し引きの激しい下痢の痛みが、直腸の感覚に
錯覚を引き起こして、今にも漏れそうという恐れを抱かせるときもありますし
我慢によって限界を通り越した肛門が、俊男君の意思とは裏腹に
すぐに弛んでくれない場合もあるのです。

キチキチに締まった肛門の中には、かなりの量と思われる
下痢便がたっぷり詰まっているのを感じますが
ただお尻の力を抜くだけでは、それはすぐに出てきそうにありません。
どうやら、俊男君のあと一押しが必要なようです。

(難しいなあ…)

俊男君は、ウンチをするために肛門に力を入れることに不安を感じていました。
下痢便はなるべくお尻の力を弛めるだけで、肛門から垂れ流すように
自然に任せて吐き出すのが、もっともウンチの音の漏れない方法なのですが
しゃがんで待機している最中も腹痛は続くので、それを待ってはいられません。

直腸内で渋滞している下痢便を、力を入れて吐き出そうとしては
加減も出来ずに押し出された下痢便の破裂音が出てしまうことは必死です。
ですが、力を入れた俊男君の肛門が最初に奏でた音は
下痢便の音ではありませんでした。

バフゥゥゥゥッ!!

なんと、俊男君の肛門から最初に吐き出されたのは
重たい音が爆発したオナラだったのです。
下痢によってお腹の中で発生したガスが、締まりっぱなしだった
肛門に阻まれて外に出ることも出来ず、さらに後から
押し寄せてくる下痢便にも圧迫されて行き場を失っていたのでしょう。
便意とは別の、肛門を刺激する痛みの正体は
圧縮されたオナラだったのです。

「ちょっと、笑ったら可哀想でしょ」

あまりに大きな音のオナラに、失敗を悔やむ俊男君ですが
既に遅く、オナラの音は個室の外で静かにしている女の人達に
丸聞こえで、クスクスという笑い声が俊男君にも聞こえてきます。

「気にしなくて良いわよ!
 遠慮しないで、思いっきりウンチ出しちゃいましょうね!」

そう声をかけてくれる女の人は、慰めのつもりなのでしょうけど
ウンチをしている最中に声をかけられるのは
俊男君にとって、結局恥ずかしいことに変わりはないのです。



どんなに恥ずかしくてもウンチを止める訳にはいきません。
後はもう、出来る限り早くウンチを終えてしまうしかありませんでした。

ブリブリ……  ブリッ!ブリッブリッ!ブリブブブブブブブブッ!

ブバチュ!ブバッ!ブップブフッ! ブブブッフ!ブッブブブブブパッ!

ようやく顔を出した下痢便の先端は
柔らかめでもそれなりに形になっているウンチでした。
ですが、それが顔を出すに従ってウンチが急激に変色し
いかにもドロドロに柔らかそうな下痢便に変わっていきます。

ニュルニュルと繋がって吐き出される下痢便は
ほどなくして水分をたっぷり含んだ小さな固まりに変わり
断続的に噴出されていきます。

おそらくマラソン途中の俊男君のお腹の中は
健康そうなウンチが順調に作られている最中だったのでしょう。
それが、急激に下痢が引き起こされたことによって
ウンチはほとんど完成されてない状態で
お腹を下っていくことになってしまったのです。

たっぷりと水分を含みすぎた下痢便は
もう俊男君がどう肛門を調整してみたところで
破裂音は小さくなりません。

それどころか、下痢便の吐き出される速度には
どんどん加速がついて、俊男君のお尻は
まるで台風で決壊したダムのように無抵抗になり
茶色い濁流が物凄いスピードで溢れ出していくのです。

あまりにも加速度が増した下痢便は、もはや溢れ出る順番も
待とうとはせず、それぞれの固まりが我先に俊男君の肛門から
飛び出そうとするので、それに伴って肛門の破裂音も
どんどん恥ずかしいものになっていきます。

ボンッ! ボフブッ!ッブッブブブブブブッ!

ボバフッ!ブホバッ!ボンッ!ボッ!ボッ!   ボフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

美少年である俊男君の可愛い顔と体には
とても似合わない重低音の破裂音がひとしきり続いた後
最後にとても長いオナラが出て、俊男君のウンチは終わりました。



「終わったのかな?間に合って良かったね。
 いっぱいウンチ出して、スッキリしたかな」

外で待つ女の人達は、もうウンチが終わったと判断したようですが
下痢の場合は、ウンチを全て吐き出したつもりでも安心できません。
腹痛が完全に治まるまでにはまだ時間がかかりますし
腹痛の第二波が襲って来るとも限らないのです。

早くトイレから出てコースに戻りたい気持ちは急いでも
焦ってトイレを出て、また腹痛に襲われてトイレに戻るのは
単にウンチをしにトイレに行くよりも、ずっと恥ずかしいことです。

何度も個室に出入りを繰り返せば、それは周りの人達に
「僕は今、下痢をしています」と宣言しているのと同じ事でしょう。
ウンチ自体の恥ずかしさと、下痢をしていることの恥ずかしさで
二倍恥ずかしくなってしまいます。

フルチン姿でしゃがんだまま、腹痛が軽くなるのを待つ俊男君。
お尻の下で悲惨な状態になっている下痢便を流すこともしません。
どんなに恥ずかしくても、水を流すのは最後の最後。
なぜか美少年は、みんなそれを頑なに守ってしまうのです。
ママや先生の教育のたまものでしょうか。

(続く)