美少年達のショートストーリー
太郎君の困ったオチンチン

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「どうしたの?まだお腹痛むの?」

腹痛が治まるまでしゃがんでいることにした俊男君ですが
どうやら今、俊男君を悩ませるのは
徐々に引きつつあるお腹の痛みよりも、個室の外で待っている
女の人達のお節介なのかもしれません。

「お腹が痛むんだったら、まだトイレにいた方が良いかもしれないわね。
 先にお尻拭いておいたらどうかしら?良かったらおばさんが
 君のお尻をフキフキしてあげてもいいわよ」

わざとらしく幼児語を使う女の人の言葉に
周りの人達が一斉に笑い出します。
もう立派な中学生の俊男君であっても、美少年として
指定されているだけで、幼く扱われるのがどうしても似合ってしまい
俊男君が一人前であろうとしても、周りはそう扱ってはくれません。

「大丈夫ですから」と、度重なるお節介にも丁寧に返事をする
俊男君は、なかなか静かにさせてもらえません。
フルチン姿でしゃがみながら、ウンチをしたばかりの状態で
女の人達と話すというのは、なかなかの苦痛です。

しかも、俊男君がとりあえずウンチを全て吐き出し終えたことで
一安心した女の人達は、いつの間にか俊男君の心配ではなく
俊男君への興味本位な気持ちでのヒソヒソ話を始めていたのです。

「でも、本当、凄く臭いわよね。あんな可愛いのに
 ちょっとビックリしちゃったかも」

「あらやだ、私は好きよ。美少年君って、ウンチの臭いを嗅がれると
 物凄く恥ずかしがって、すっごく可愛いの。もっともっと嗅ぎたくなっちゃう」

まるで俊男君を恥ずかしがらせることが目的で
ウンチの臭いを嗅いでいるような女の人達ですが
その一方で俊男君に対して感心してもいます。

「でも偉いわよねえ、美少年君って。みんな絶対に
 途中でウンチを流さないものねえ。真面目で感心しちゃうわ」

『トイレでも水を大切に』と教育された俊男君は
どんなに恥ずかしい状況であっても、頑なにそれを守ってしまいます。
個室だけではなく、トイレ中に自分のウンチの臭いが充満してしまっても
それを観念しているかのように、水を流すコックには手を付けません。



そんな中、個室の外がまた騒がしくなってきました。
どうやら俊男君以外にもハズレのドリンクを飲んだ美少年が
二人トイレに駆けつけてきたようです。

お節介な女の人達に誘導され、空いている個室に
次々と入っていく美少年達が、俊男君と同じように
便器の上にしゃがんで下痢便を一気に吐き出しています。

ブッブドロッ! ドボロブボッ! ブボドボロッ!

一人目の美少年は、たっぷりと水分を含んで重たそうな下痢便を
何十センチも繋がったままの状態で、肛門から吐き出しています。

ビシュビチィッ! ビチュビッ! ビパッ! ビッ!ビュッビィッ!

二人目の美少年は、尖ったように膨らんだ肛門から細切れの下痢便が
水っぽく渋った音と共に、途切れることなく吐き出し続けています。

この様子ですと、まだ何人かがドリンクの犠牲になって
トイレに駆け込んでくるかもしれません。
ドアをノックされて、せかされたりすると、かえって出づらくなるので
そろそろ頃合いかもしれないと、俊男君は個室を出ることを決めました。

丸めた紙で数回肛門を拭い、紙に付着した汚れを確認する俊男君。
これを数回繰り返し、紙に汚れが付かなくなるのを見てから
ようやくトイレの水を流し、個室から出て行きます。

「あっ、もう大丈夫なの?良かったわねえ。
 お尻はちゃんと拭けた?まだウンチが付いてたら恥ずかしいわよ」

いきなりお尻を覗き込もうとしてくる女の人からも、何とか逃れた俊男君は
ようやくトイレを脱出して外に出たのですが、そこにも
まだ大勢の女の人達が俊男君を待ちかまえていました。

大勢の女の人達に、下痢の痛みに負けないで頑張ってと口々に励まされ
暖かい拍手で送られるのは、やっぱり恥ずかしくなってしまいます。
でも、俊男君はそれよりも再び駆けだして揺れるお尻に注目を浴びるのが
気になっているようです。

今の俊男君のお尻は、ただのお尻ではありません。
たった今、ウンチを肛門からたっぷりと吐き出したばかりのお尻なのです。
そんな恥ずかしいお尻を、丸出しにして走らなくてはいけないなんて
フルチンマラソンとは何て酷な大会なのでしょうか。



(太郎君、頑張ってるかな…。なんとか優勝してほしいな)

再び走り出した俊男君の周囲もようやく落ち着いた頃
俊男君は太郎君のことを思ってました。
これだけ太郎君と離れてしまっては、もう太郎君のサポートを
する事は出来ませんが、心の中で応援することは忘れません。

そんな応援を受けてか、太郎君は俊男君の心配も吹き飛ばすような
頑張りを見せていました。

既に体中汗だくになって、体力は限界を迎えつつあるのに
走ることが楽しくて仕方がありません。
一位で走る太郎君に向けられる、女の人達の注目も
まったく気にならず、ただただ一生懸命走り続けているのです。

フルチンになるだけで体が体が縮こまり、まともに走れなかった
今までの太郎君とは全然違います。
自信と目標が太郎君を強くしたのももちろんですが
一番太郎君の心に勇気を出させているのは、一生懸命走り続けている間は
絶対にオチンチンが勃起をしてしまうことが無いからなのです。

常に意識をしていないと、いつ勃起をしてしまうか
分からない太郎君のオチンチン。まるで誰かが操っているかのように
勃起をしたらとても恥ずかしい場面で勃起をしてしまうオチンチン。

おしゃべりや居眠り、太郎君の気が弛みがちな時間は
最も勃起してしまう確率が高く、そのせいで太郎君は
いつも勃起を気にして、真剣に集中できることがなかったのです。

ですが、スポーツをしている時は勃起したことがないというのを
何となく感じるようになってからは、太郎君は徐々に
スポーツが好きになっていきました。

どんなに熱中しても、どんなに打ち込んでも
スポーツをやっている限り勃起しないんだという思い。
ずっと走り続けて勃起しないでいられるマラソンが
大好きになるのも当然でした。



「今回の美少年フルチンマラソン大会の優勝は、睦月太郎君です!」

その後の給水所でも無事にハズレのドリンクを飲むこともなく
見事一位でゴールにたどり着いて優勝した太郎君。

自分を大写しにしようとするTVカメラや
集中砲火のように浴びせられるフラッシュの光さえも
今の太郎君には嬉しい誇り以外の何物でもありませんでした。
今までの太郎君が嘘のように、自分からカメラに体を向けて
堂々とフルチン姿を誇示しているぐらいです。

「優勝したんだね!おめでとう、太郎君!」

ゴールの喧騒の中で、自分を呼ぶ一人の声。
それはもちろん俊男君の声でした。
太郎君は俊男君の姿を見るや、すぐに走り寄って二人で抱き合います。

体中汗まみれの太郎君と、同じく汗まみれの俊男君。
汗まみれの二人が抱き合い、ヌルヌルとした感触で
二人の体がまるで絡みつくように吸い付き、ちょっぴり艶めかしくなります。

二人はオチンチン同士が触れあうぐらいピッタリと抱きしめ合い
表彰台に太郎君が呼ばれるまで、ずっとそのままで喜び合っていました。
長い道のりを走ってゴールを迎えたときの感動と興奮。
この大会ではそんな親友同士の美少年の光景も良く見られます。



「それでは、メダル授与式を行います」

表彰台の一番高いところに上った太郎君は
さすがにちょっと緊張してきました。でも、それよりも今は
嬉しい思いでいっぱいなのでそれほど気にしてはいません。

疲れた体をゆっくり休めながら、表彰台の上でメダルを待つ太郎君。
前方を見渡せば、大勢の女の人達や、走り終わった美少年達の拍手が
とても心地良く、まるで夢のような時間を味わっています。

そんな中、暖かい拍手に驚きと疑問の声が混じり始め
いつしかそれにクスクス笑いが加わっていきます。

太郎君はそれに気が付きながらも、それがどうしてなのか分からず
思わず俊男君の方を見てみると、俊男君は顔を赤くして
バツが悪そうに俯いてしまったので、もしかしたら自分に
何かあったのかと下を向いた瞬間、いつの間にか逞しく勃起していた
オチンチンが目に入ってしまいました。

「うっ!うわっ!うわあぁっ!」

マラソンを終え、すっかり気を抜いてしまった太郎君。
まさしく最悪の場面でオチンチンの勃起に襲われてしまったのです。
思わず飛び出た太郎君の悲鳴に、女の人達は
いっそうクスクス笑いを強くし、太郎君を冷やかす人まで出てきました。

(どうしよう!どうしよう!)

隠れようがない表彰台の上でオロオロする太郎君ですが
この場面で逃げ出そうにも逃げ出せず、とりあえずオチンチンを
手で隠そうとしますが、そんな太郎君に大会長の女の人が声を掛けます。

「こら!優勝した君がそんなにオロオロしたらみっともないわよ!
 恥ずかしがらずに、両手はピッと気を付けをしてなさい!」

みんなの前で叱られて、勃起したオチンチンをさらけ出す方が
よっぽどみっともないと思いつつも、泣く泣く気を付けをする太郎君。
自信が身に付いた太郎君も、すっかり涙目になってしまいます。

完全に勃起した美少年が表彰台の上で気を付けをしている。
何て不思議でいやらしい光景なのでしょうか。
それでも、太郎君が勃起したオチンチンを隠すのを止めたことで
女の人達は再び大きな拍手を送り始めました。

太郎君を元気づけるためなのか、冷やかしのためなのか。
ともかく、太郎君のオチンチンはやっぱり見事にそそり勃っています。

「はい、優勝おめでとう」

大会長の言葉で、メダルを首にかけてもらうために頭を下げる太郎君。
ですが、大会長は太郎君の首にはメダルをかけず
どうしたのかなと頭を下げたまま待っている太郎君の目の前で
なんと太郎君のオチンチンにメダルをかけてしまったのです。

そそり勃ったオチンチンにかけられた金色のメダル。
それを見て、会場は再び女の人達の笑い声に包まれます。
もはや太郎君は顔を真っ赤にしながら
式が終わるのを待つしかありませんでした。



せっかくの晴れ舞台が、結局オチンチンの勃起のせいで
恥ずかしい思いをしてしまって、しょんぼりしてしまった太郎君を
俊男君が慰めながら歩く、二人っきりの帰り道。

それでも、恥ずかしい思いはしても優勝は優勝。
その事だけを思い出にすれば、きっと立ち直れそうだと
太郎君は少しずつ元気を取り戻し、俊男君も太郎君の頑張りを
必死に褒めて元気づけます。

「それじゃあ俊男君、ここで」

二人の帰り道が別になる地点で、別れようとする太郎君。
その時、俊男君がモジモジしながら話したいことがあると引き留めました。

「あの…太郎君のオチンチンって、ボッキすると…凄く、大きくなるんだね」

突然の話題に驚く太郎君に、俊男君は決してからかうためじゃないと
説明してから話を続けます。

「僕のオチンチンも時々ボッキするんだけど…ボッキしたオチンチンって
 凄く不思議な形をしていると思わない?」

恥ずかしい対象でありながらも、興味の対象でもあるオチンチン。
勃起をして本当の姿を現したオチンチンの形は
どんな恥ずかしがり屋の美少年でも気になってしまいます。

「だから、その…一度、太郎君のオチンチンも
 じっくり見てみたいっていうか…比べてみたいっていうか…」

俊男君の言葉に、太郎君も自分の勃起したオチンチンだけではなく
親友の俊男君の勃起したオチンチンを見てみたいと思うようになりました。
フルチンマラソン大会の時でも、さすがにじっくり見ることはしませんし
勃起してしまったオチンチンなら、なおさら見られません。

比べ合いと二人で決めれば、心おきなく勃起したオチンチンを
観察することが出来る。太郎君もどんどん興味が沸いてきました。
そして、いつかはまだ分からないけどそうしようと約束したのです。

「でも、なんでオチンチンって勃起するのかな?」

「しても全然意味ないよね。恥ずかしいだけなんだもん」

オチンチンの勃起する意味さえも良く分かってない二人ですが
勃起したオチンチンの形には興味を感じているようです。
そんな二人がオチンチンの比べ合いをしたくなるという衝動が
オチンチンを通じての、お互いへの性欲だと理解できるようになるのは
いつのことになるのでしょうか。

 

(完)