妹の真実

その5

その日の夕方近くに亜美は帰ってきた。
玄関の閉まる音がすると、バタバタと駆け足が近づいてくる。

「お兄ちゃーん、直ったー?」

部屋のドアを開けるなり、亜美はやかましい声で水が流れたか聞いてきた。
僕が流しておいたと答えると、亜美はホッとしたようで、

「よかったあ、ありがとう、お兄ちゃん」

あっけらかんとした表情で僕にお礼を言ってきた。

僕は意を決し、ベッドから体を起こして、亜美に今日のことを聞いてみた。

「なあ、亜美。・・・本当に平気なの?」

本当に気にしてないのか、亜美はそれだけでは訳が分からないらしい。
自分のウンコが見られて平気なのかと、僕が付け加えると、

「えー、別に平気だよう。小さい時なんか、お兄ちゃんに一緒にトイレ入ってもらったし」

思いがけない言葉に、なんとか小さい頃の記憶をたどってみる。
そういえばそんな時期があった。

亜美は小学生になっても、よく母にお尻を拭いてもらっていた。
母の手が放せないときは、僕がさせられたりしていて、数回しかなかったが、
あの時の僕は、それが嫌でたまらなかったので、忘れていたのだろう。

今考えればなんて惜しい記憶を忘れてたんだと後悔した。
僕の目の前でウンコを出した後、僕に向かって無邪気にお尻を突き出す亜美。
それを僕は目を背けながら適当に拭いていた。惜しいことだ。

おぼろげな記憶が、僕に亜美のお尻を拭いてあげたいという欲求を生み出す。
何とかならないだろうか、僕は亜美と話しをしながら、そればかり考えていた。

「そういえばそうだったなあ、しょうがないなあ亜美は」
「だってえ、しょうがないよ。今はちゃんと自分で拭けるもん」

僕は、頭の中で亜美がお尻を拭いている姿を想像する。
可愛い指で丸めたトイレットペーパーをつまみ、汚れた肛門を拭く。
亜美のことだ、どうせいい加減に拭いているに違いない。

「本当?まだパンツを汚してるんじゃないの」
「・・・あ、ひどーい。そんなことないよー」

始めの沈黙が、亜美の動揺を物語っている。僕が亜美のウンコに興味を持ってから、
亜美が入浴している隙に、よくパンツを拝見させてもらったが、
小さい頃母に怒られていたように、まだパンツに黄色と茶色のシミを付けていた。

(トイレの後はもっとちゃんと拭かなきゃ・・・。お兄ちゃんにエッチな目で見られてるんだよ、亜美・・・)

僕の想像通りだということは確実だろう。それもまた亜美らしいが。

「じゃあ、お兄ちゃんに、ちゃんと拭けるかどうか見せることが出来るかな?」
「う・・・、」

調子に乗った僕の言葉にさすがに亜美は少し驚いたようで、顔がひきつった。
今までが今までなので、思い切って言ってみたのだが、亜美はどう出るか。

「み、見せられるよ。アタシ、もうちゃんと拭けるもん!」

期待通りとはいえ、あまりにもあっさり乗ってきた亜美。

「でも、お母さんに見られたら嫌だから、お兄ちゃんと二人だけになるまで待ってくれる?」

亜美からの申し出は、僕にとってますます好都合だ。
僕が快く返事をすると、亜美は自分の部屋へ帰っていった。

僕に見せて母に見せたくないというのも変だが、パンツのシミを怒られて
いつも泣いていたから、いまだに恐がってるのかもしれない。
だが、最近は、母も怒らない。諦めているのだろうか。

そんなこんなで、その日が来た。あの日と同じ、両親がいない朝、
亜美はまだ寝ている僕を起こしに来た。
よく自分から誘うなと思いながら、亜美と一緒にトイレに入る。

トイレの中は清潔にされている。亜美のウンコの残り香を邪魔されないように、
僕が掃除当番を引き受け、毎日清掃しているからだ。
子供の時以来、亜美と一緒に入るのは初めてだ。
いざ、トイレの中に入り、ドアを閉める。亜美とほとんど密着している状態に、
思わず目も覚める。

「それじゃ、ウンチしちゃうから待っててね」

可愛らしい顔で「ウンチ」なんて汚い単語を言う亜美。
あそこまであっけらかんに言われると、いやらしい感じすらしない。
(一緒にいるときの方が、かえって気が抜けるな・・・)

僕の目の前で、亜美はパジャマのズボンを下ろし、パンツをはいたお尻を丸出しにする。
色気も何もない白く布地の多いパンツ。

亜美が今度はパンツを下ろす。とうとう生のお尻が露わになった。
なんて綺麗なんだろう・・・。小ぶりだが、たるみのないツルツルしてそうな亜美のお尻、

(あのお尻で頬ずりしたら気持ちよさそうだよな・・・)

亜美はすでに便器の上にしゃがみ、排便をしようとしていた。
無防備に下半身を丸出しにし、しゃがんで排便に没頭する亜美。
しゃがんで小さくなっている、その後ろ姿を見下ろしているうちに、僕は妙な優越感に浸る。
そして、安心しきっている亜美を後ろから襲ってやりたい、という誘惑に駆られる。

(僕の前でウンコをすることがどれだけ危険なことか、思い知らせてやる・・・!)

妄想の中で、僕は凶悪な変質者となり、目で、体で、亜美を思う存分犯す。
自分の行為の恥ずかしさに気付き、顔を真っ赤にし、悲鳴を上げる亜美。
今だけでなく、そんな想像を僕は、たまにしてしまう。

とはいえ、実際に妹である亜美を強姦できるかどうかは別だ。
自分では、そんなにおかしくはならないと思っている。
こうやって妄想するだけでも、十分亜美を汚しているし、それで満足だ。
何よりも恥ずかしい排便姿が見れるのだから・・・。

ボッキを目立たなくするために着替えたキツめのズボンの中で、
既にモノをボッキさせている僕に気付きもせずに、亜美は排便行為に没頭していた。

個室の中に一緒にいるのに、亜美の力む声も、ウンコが出てくる音も、あまり聞こえない、
(今日はやわらかめのウンコなのかな)
そう思った僕は、しゃがんで確認してみる。

ブブ・・・ブ、プス、ブリリリッ、ベチッ、

僕が視線を落とした瞬間に、一本のウンコが亜美の肛門から落下した。
この湿った空気混じりの音の通り、やはり今日の亜美のウンコは軟便ではないが、
先端だけが固く、残りはまだしっかり固まってない、黄土色に近い茶色のウンコだった。
楽に出せるのだろう。力む声も聞こえないわけだ。

僕がすぐ後ろにいるというのに、いつもと変わらない様子で排便行為を行う亜美。

同じ亜美なのに、後ろ姿というだけで、こうも違うのか。
トイレだけでなく、普段でも表情が見えないというだけで、
まるで亜美が別の人間になったような感じがする。

その頭も、背中も、亜美の後ろ姿すべてが冷たい印象を僕に与える。
だけど、その後ろ姿の無表情さに、僕は欲情することも多い。
ただ、いつも見る後ろ姿とは違い、何よりも僕を魅了するのは、
その尻の谷間の奥にある肛門だけは、色々な表情を見せ、僕に語りかけてくれることだ。

谷間の奥で小さくなっていた肛門が、ゆっくりと開きはじめると同時に、
肛門周辺の肉も盛り上がり、成人女性のそれには及ばないが
火山の噴火口を逆さにしたように、プックリと膨らむ。

肛門が伸びきるとウンコが顔を出す。
ブスブスと微かな空気音を出しながら、スムーズにゆっくりと肛門を下りていく。
そしてウンコを吐き出すと、肛門は急速に縮まって、元に戻る。
無表情な亜美の後ろ姿で、肛門だけが亜美らしく元気良く動いている。
その動きに、僕は魅了されていた。
いつの間にか興奮することも忘れ、伸び縮みする肛門を、ただじっと見つめていた。

僕が亜美の肛門に視線を集中させていると、何か感じたのか
亜美が後ろをチラリと振り返り、しゃがんでいる僕を見て驚く。

「あー、ダメだよお兄ちゃん。しゃがんでると臭いから立った方がいいよ」

見られることは気にしなくても、直接ニオイを嗅がれるのは恥ずかしいのか、
それとも単に僕を気遣っているのか、
僕が亜美に平気だからと答えると、亜美はちょっと膨れるが、すぐにまた排便に没頭する。

その後ろで、僕は出したてのウンコのニオイを亜美に気付かれないように、
ゆっくりと鼻に吸い込む。
やっぱり出したては違う。僕の鼻孔の中で、空気のニオイに少しずつ便臭が混ざり、
やがて、それが充満していく瞬間がたまらない。軟便気味ということもあり、その臭さも格別だ。

これで亜美が恥ずかしがればもっと興奮できるのに、と思ったりもするが、
今の僕は、それよりも、このニオイを亜美と共有できることが、
このニオイを僕に嗅がれるのを亜美が嫌がっていないことが、
何となく嬉しい、奇妙にくすぐったい気持ちだった。
亜美の警戒心のなさが、僕の性欲を吸収してしまっているのだろうか・・・。

その6

結局亜美は3本のウンコを出した。さてどうするかと、僕は注目する。

「うん・・・うん、」

おもむろに尻を浮かしたかと思いきや、そのまま尻が少し浮いた状態で、
上下に揺すり、再び元の体勢に戻る亜美。
たぶんアソコにたまったオシッコの雫を切ってるのだろうか。

「それじゃ、拭くよ」

トイレットペーパーを巻き取り、クシャクシャに丸める。
僕の想像通りの紙の使い方だ。そのまま前から手をやり、アソコを拭き始める亜美。
アソコのスジにそって、適当に紙を擦り付けて手を戻す。

(もうちょっとゆっくり拭かないと、雫が残ると思うんだけどなあ・・・)
こっちの心配もお構いなしに、今度は後ろに手を回す亜美。いよいよ肛門を拭くようだ。

僕に審査してもらっているせいか、亜美の表情には少し緊張の色が見える。
こんな事に真剣な顔をしている亜美を見ていると、おかしくなってしまう。

「笑わないでよー。ちゃんと拭いてるんだから」

思わず吹き出す僕に、亜美はまた膨れる。とはいっても拭き方を見ると
ちゃんと拭いてるとはとても思えない。

丸めた一枚の紙を、一カ所が汚れると持つところを変え、汚れてないところでまた拭く。
紙のあちこちが汚れていくと、そうでない部分を細い指先で必死につまみながら拭いている、
もしかしたら紙についたウンコを触ってしまうかもしれない。
(亜美の綺麗な指が実はウンコ臭かったり、なんてね・・・)

「はい、終わったよ」
「えっ、もう終わり!?」

亜美は紙を一回使っただけで終わりにしてしまった。
ウンコを拭ききれず汚れている、亜美の肛門を想像するのもいいが、
それよりも、兄として妹の躾の悪さをこのままにはしておけないという、
僕らしくない衝動に駆られてしまった。

「ダメダメ、そんなのじゃちっとも拭けてないよ。僕がちゃんと拭いてあげるよ」

あの時とは違い、自分から亜美のお尻を綺麗にしてやろうと、すぐに紙を巻き取る。
亜美のために、丁寧に紙を折りたたみ、いざ拭こうとすると、亜美が立ち上がる。

「うーん、拭けたと思うんだけどなあ・・・。じゃ、お兄ちゃん拭いてみて」

亜美は、そういうや僕の目の前で前屈みになる。
馬飛びの馬のような体勢で、僕にお尻を突きだしてきた亜美。
まさか子供の時と同じ格好で、僕にお尻を拭かせようとするなんて。

何と衝撃的な光景だろう。僕のすぐ下から突き上げるように向けられた桃尻の、
割れ目の中央で息づいている、茶色く汚れた肛門がイヤでも目に飛び込んでくる。
声を出すこともできない、全てが僕の想像を超えてしまった。

「どうしたの、お兄ちゃん?」
「い、いや・・・。ほ、ほら、駄目じゃないか。まだお尻が汚れてるよ」

気の動転を振り払おうとするが、何とも頼りのない声になってしまう。
それでも、視線はしっかりと亜美の肛門に釘付けになっている。
一瞬の間をおいて、僕の手はそこへ、震えながらもゆっくりと伸びていった。

薄く折り畳んだ紙を挟んで、僕の手が、指が、亜美の肛門に触れる。
感触を確かめるように、肛門を指でなぞってみる。ピクリと亜美のお尻が震えた。

適当にお尻の拭き方を教えながら、さらに肛門をいじってみる。
肛門を指で押し、紙を奥深くへと押し込む。それを歓迎するかのように肛門が拡がり、
紙、そして指を受け入れていく。肛門とは裏腹に、違和感に小さく呻く亜美。
僕はさらに指を押し込み、肛門の内側にこびりついているウンコを紙になすりつけてやる。
指を押し込むたびに亜美の呻き声は大きくなり、足が一瞬ガクリとなる。
いったん指を抜いて紙を広げてみると、中央にはべっとりとウンコがこびりついていた。

「ほら、こんなに汚れてるだろ。もっと奥まで拭かなきゃ駄目なんだ」

その汚れた紙を見せたわけではないが、僕の言葉に亜美はショックを受けたようで、
そうなのかなあ、とか、ちゃんと拭いているのに、とか一人で呟いている。
その紙は、後でオナニーに使わせてもらおうと、ポケットにしまい込んだ。

亜美が独り言をいっている間に、僕は調子に乗って、肛門に顔を近づけてみる。
真っ赤な肛門の内側に、茶色い汚れがまだ残っているのが分かる。
夜寝ている間に蒸れた尻の谷間の、亜美の体臭も混ざったその臭いは、
すっぱいような、香ばしい臭いだ。

(アソコもきっとオシッコが残ってるだろうな・・・)
肛門の臭いを嗅ぎながら、新しく紙を取り、その手を亜美のアソコにやる。
紙がアソコに触れた瞬間、尿の雫が滲みていくのがわかる。指も湿ってきた。

「ここも、ちゃんと拭かないからまだ雫が残ってる」

思わず言葉が厳しくなってくる。亜美はシュンとしてしまった。
これも亜美のためだと、アソコを拭こうとすると、湿った紙が破れてしまい、
僕の指が直接アソコに触れてしまった。

初めての、その柔らかい感触にハッとした僕は、指が尿で濡れるのも気にならなかった。
軽く指を動かし、アソコをさすってみる。指に感じる複雑な形の
心地よい弾力には、思わず我を忘れそうだ。
亜美の方も何か感じたのか、体がピクリと震える。アソコを指でさするたびに、
その震えが目立ってくる。感じているのだろうか。

「ふ、んんっ、・・・く、くすぐったいよ、お兄ちゃん」

当然、オナニーも知らないんだろうな。このままサービスしてあげるか。
なおもアソコをさする僕。亜美の体が大きく揺れる。
僕の目の前のお尻も左右に揺れる。そのくねりがまたいやらしくてたまらない。

興奮がさらに増してくる。指の動きはますます速度を増してくる。
アソコの感触が、濡れているのは尿なのか愛液なのかよくわからないのが惜しい。
が、確かに亜美の体は紅潮している。
初めてかもしれない、それが快楽とは分からない感覚におちいっているのだろう。
次第に僕も恍惚におちいり、肛門の臭いを嗅いでいるだけでは飽きたらず、
ついに僕の舌が亜美の肛門へと伸びる。

(舐めるぐらいどうって事ない、もっと気持ちよくしてあげるよ、亜美!)
新たな快感に目覚めようとする亜美は、それにも気付かず、腰をくねらせる。

「あ、ああっ、お兄ちゃん・・・やめてよお・・・、我慢できな、あっ!」

「プゥゥゥゥーッ!」
何と突然の亜美の放屁。それを僕は顔面に直撃されてしまった。
生ぬるく、勢いは強いが皮膚に柔らかい空気の流れ。
そして出したての放屁の香りが、一瞬沈黙した僕の感情に火をつける。

僕は思わず立ち上がる。すでに亜美に襲いかかろうとしていた。が、

「プッ、ククク・・・、あはははははっ、ごめーんお兄ちゃん」

僕は悲しくなった。これ程のことをしておきながら、亜美は何と笑っていた。
亜美は、まだ笑えるほど僕を信頼している、安心しきっている、
そんな亜美の気持ちを、僕は台無しにしようとしていたのかと。

しかし、すでにいきり立っていた僕のモノが示すとおり、
この欲情を全て収めることは出来ない。
その亜美の笑顔を滅茶苦茶にしてやりたい!こんな無知な女は犯られて当然なんだ!
そこまで信頼しているなら、僕に犯されてもその信頼は変わらない。そうだろ、亜美・・・!
だけど・・・だけど!

「亜美ぃっ!!」
「きゃあっ!」

・・・僕の怒鳴り声に、笑っていた亜美は驚き、
下半身を丸出しにしたまま僕の方を見て、目をパチクリとさせている・・・。

・・・目を血走らせ、歯ぎしりまでしている僕の形相は、
僕の生涯で最も恐ろしい顔であっただろう・・・。

・・・あと少ししか持たない最後の理性を振り絞り、欲情を自分への怒りに変え、
僕はその形相のまま、黙ってゆっくりとトイレを出た・・・。

「お兄ちゃん、ゴメン!本当にご免なさい!だから、許してぇ!」

僕の部屋のドアの向こうで、亜美が泣き叫びながらそのドアを叩き、
僕に許しを乞う。今の僕はその声などまったく気にならなかった、
気にする余裕もなかった。自分を劣情から解放してやることに精一杯だった。

やがて僕が達すると、その熱い劣情の塊は、すさまじい勢いで飛び出し、
僕の向こうの壁を直撃した。その勢いと量は、自分でも初めて見るものだった。

気が付けば、亜美の声はしなくなっていた、自分の部屋に戻ったのだろう。
理性を取り戻した今、このままには出来ない。僕は、亜美の部屋へ向かった。

ドアを軽くノックし、亜美の部屋に入る。
亜美が僕の方を振り向く、今も机で泣いていたのか、頬を伝う涙がハッキリと分かった。

「ゴメンなさい・・・、もう、あんなことしないから・・・」

その涙を拭おうともせず、亜美はただ謝るばかりだった。

僕は、亜美が僕に向かってオナラをしたことを怒ってはいない。
真実を話すわけにもいかず、罪悪感を感じながらも、亜美を慰める。

「ゴメン、僕もつい怒っちゃったけど、もう何とも思っちゃいないよ」
「・・・本当?許してくれる・・・」

不安げに僕の表情を伺う亜美が、とてもいじらしく見える。
今は何とか笑顔を取り戻してほしい。

「ああ、もう安心だよ・・・。でも、あの時はビックリしちゃったよ」
「ありがとう、お兄ちゃん、・・・うん、驚くよね、やっぱり・・・」

そこまで言うと、亜美はやっと笑顔になったと思ったら、今度は口を押さえて笑い出した。

「でも・・・、なんかおかしくって・・・、ゴメンなさい、つい笑っちゃう・・・」

安心で気がゆるんだのか、ついさっきまで泣いていたことも忘れ、
涙でクシャクシャになった顔のまま笑う亜美。

「そうだよね、確かに考えるとおかしくなってくるよ」

いつしか、僕と亜美は二人で笑っていた。

結局、この日のことは二人の間で、単なる笑い話になってしまった。
僕が最後の一線を越えずに済んだのも、亜美の不思議な力なのだろうか。
大切な妹だから、守らなければならない。あの時の僕を引き留めたのは、
確かにそんな気持ちだった。
もしかしたら、僕は亜美のウンコだけでなく、亜美自身を好きになっていたのかもしれない。

ずっとこのままの亜美でいてほしい。無知だが、純粋な心を持つ亜美のままで。
それなら、僕もこれ以上はおかしくならないはず。
我ながら問題のある兄だが、ずっと守ってあげたいから・・・。

しかし、3年生になった亜美は、徐々におかしくなっていく、
どうして・・・。

(その7へ続く)