変態女と美少年シリーズ

「コギャル二人の挑戦」

その3

女子高生にも変態女の権利をと叫ぶ樹里と瑠華。
その相手となる変態女の王、君恵。

そして、その戦いを撮ることになるTV局と、
注目の対決を見逃すまいと、当日は会場に詰めかける変態女たち。

それぞれの思惑を秘めながら、対決の日々はついに訪れる。
対決の場所は、スカトロ女王杯が行われる会場と同じ、
ドーム型のスポーツスタジアムである。

 

「さあ!いよいよこの日がやってまいりました!」

無駄に盛り上げてるともいえるオープニングセレモニーで、
司会者がやかましくマイクで叫んでいる。

「女子高生、しかもコギャルのくせに!
 スカトロ女王である我らが紫藤君恵に立ち向かう愚かな二人!
 川島樹里と宇佐美瑠華の入場です!」

司会者の何げに敵意に満ちたコールと同時に、
これまたやかましいテーマソングが響き、
盛大なスモーク、花火と共にコギャル二人が花道を入場してくる。

こんな時でも、まるで誇りであるかのように制服に身を包み、
少々履き古してはいるが、頑丈そうなシューズで入場の二人。
スタジアムの雰囲気に、すっかりノリノリの樹里の方は、
両手を広げて、大きく観客にアピールを送っている。

しかし、観客から樹里たちに送られるのは、声援ではなく、激しいブーイングである。

「お〜お〜、まさにプロレス感覚って奴だよね〜。たまんね〜」

ブーイングにもめげることはなく、かえって嬉々とする樹里。
自分達が悪役だということは、分かっているのである。

瑠華の方も平然としているが、面倒くさがり屋のためかノリは悪く、
普通に歩き、普通に入場している。
しかし、この雰囲気は樹里と同じぐらい敏感に感じていて、
変態女たちへの燃える敵対心と、このような大舞台で
自分達が主役になるという興奮を、堪能しているのである。

「いよいよじゃん。…ねえ、樹里」

「ああ、アイツらに吠え面かかせてやるよ。
 若さこそが強烈な臭いを生み出すんだってね!」

樹里達が、決戦の舞台があるスタジアムの中央へたどり着いたところで、
テーマは鳴りやみ、いよいよ君恵の入場が始まる。

「さあ!生意気なコギャル軍団を蹴散らして下さい!
 現スカトロ女王!紫藤君恵の入場です!」

樹里たちの時とは違う、雄大かつ美しいテーマが静かに鳴り響き、
君恵も、女王としての威厳を持ってゆっくりと入場してくる。

「あ〜っ!タリいな〜!」

その威厳も、樹里達にとっては鬱陶しいだけである。
今日、スカトロ女王杯を剥ぎ取られる運命の女になど、何も感じない。
そう言ってるかのようである。

 

「いよいよ、両者が初めて直接に向かい合うときが来ました。
 凄まじい敵意が火花となって燃えているかのようです!」

両者の入場が終わっても、いまだやかましい司会者。
本来ならば、こんなセレモニーなど君恵は望まなかったのに、
樹里の意向を受けた局側が、それは面白そうだと乗ってしまったせいで
こんな事をしなければならなくなったのである。

面倒なことでも、断れば樹里から何やかやと挑発があるだろう。
さらに、スカトロ女王としてのプライドが、
ノリが悪いと思われることを嫌ったのである。

観客もこの雰囲気を喜んでいるようであるし、
今はやっても良かったわね。と思う君恵であった。

そして、いつの間にか女王らしい
凛とした立ちポーズで身構えている君恵に、マイクが向けられる。
女子高生は立ち入ってはならない変態女の世界に、
無謀にも挑戦を仕掛けてきたコギャル達に、何か一言を要求しているのである。

君恵は、さっとマイクを受け取り、マイクアピールを始める。

「フフ…。よくもまあ恐れもせずにやってきたわね。
 口だけじゃなかったその勇気は、かってあげるわ」

そして、最後に「恐れを知らない無知なバカ二人に」と付け加えると、
観客席の変態女たちが一斉に歓声を上げる。

しかし、その歓声にも樹里はどこ吹く風。
マイクをこっちにも寄こしなと手招きの仕草をし、
君恵の持つマイクを放り投げさせる。

マイクが樹里に渡った瞬間、早くもブーイングが起こり始めるが、
これまた平然と観客席を見渡した樹里は、まずは観客に向かって口を開いた。

「るっせ〜んだよ、テメーらは!」

大いに棘を含んだ樹里の叫びが、観客席にビリビリとした衝撃を与える。
まだ若い少女のはずなのに、ドスの利いたその声は、かなりの威圧感があった。
さらに言うなら、相変わらず臆することなく
大勢の敵がいる観客席を睨み付けるその目つきの悪さも、大したものである。

たった一言で観客席を黙らせてしまった樹里。
静かになった空気に満足そうに頷くと、改めてまくし立て始める。

「アンタ達はなぁ、変態女は大人になんないと
 太くて固い、臭いウンコはできないって言うけどさぁ!」

そもそも、女子高生が変態女として扱われないのは、
今まで、女子高生以下でスカトロに強くて、
美少年を虐げることが快感という女が存在しなかったから、というだけではない。

この世界では、樹里の言うとおり、女として身体が成熟すればするほど、
ウンコもより太く、臭く、そして固くなるのだという理念があった。
もちろん、オナラもより臭さを濃縮したガスが出せるようになるという。

その理念が常にある、現在の変態女からみれば、
変態女が変態女たる身体は、最低でも女子高生を卒業した辺りから
本格的に作られるというのである。

その中で、最も重要な身体の部分は、当然尻であり、
豊満で、不必要なまでに丸みを帯びたいやらしい曲線が、美少年を魅了し、
その丸く大きな尻の中には、常にウンコとガスが、はち切れんばかりに詰まっていて、
出したいときにいつでも出せ、空になってもすぐに尻の中でウンコが大量生産される。
この世界では、そんな我々の世界での常識を越えた尻を持ってこそ、変態女となれるのである。

その理念から言えば、樹里達は変態女として認められない存在だった。
しかし、樹里達は、今までの変態女の歴史を覆す身体を持っていたのである。

完全とは言えないまでも、大量のウンコを、ほぼ思い通りに出せ、
電車内で美少年を失神させたように、強烈なオナラも出すことが出来る。
そして彼女たちの、悪く言えば下半身デブな身体は、彼女たちの尻が変態女として
早くも成熟しているという証とも言える。

「言っとくけどさぁ、アタシ達は単なる身の程知らずとは違うって!
 本当に臭いんだってば!一回嗅いでみろよ。ブーブー文句言ってないでさぁ!」

樹里の叫びに、観客達も渋々ながら黙る。
どうせこの対決ですぐに勝負は決まる。その時に文句を言ってやればいいと、
ほとんどの変態女たちは、そう思っているのだろう。

君恵も、樹里のアピールなど、どうでも良いと聞き流していた。
ただ、あまりにもふてぶてしいその態度に、腹を立て始めていた。

(その自信…。まったく、どこから来るのかしらね…)

樹里達に対するこの苛立ちが、
どうして起こるのかが、実のところ、君恵には分からない。
そしてこの苛立ちは、観客席の女たちにも同じ事がいえたのである。

初めは余裕であった。
コギャルが何を叫ぼうと呆れるだけであったのに、今日は違う。
コギャルの叫び声が、妙に怒りを刺激し、イライラを増加させる。

それだけ、コギャルと実際に接することがストレスになるのか、
それとも、そのコギャルのあまりの不敵さに募る、不安なのであろうか…。

 

「観客に叫んでもしょうがないわ。
 私達がちゃんと判定してあげるから、お喋りはそこら辺にしなさい」

そんな時に、樹里に対して誰かが声をかけ、その声に樹里が振り向く。
声の主は、この対決の審査員の一人であった。

せっかくの気勢を削がれた樹里は、その審査員に口を挟むなと文句を垂れるが、
審査員の言ったことにはもっともだと頷き、マイクを放り捨て、喋るのを止めた。
皆が樹里の言動に苛立っているときに、彼女だけが冷静であったようだ。

「良いタイミングで止めてくれたわね。まったく、ムカツクったらありゃしない。
 あのガキはいつまで喋ってるつもりだったのかしらね」

ようやく番組が進行し始めたとき、樹里を止めた彼女の隣にいた、
これまた審査員の女が、彼女に向かってささやくと、
今度は、同じく腹が立っているのであろう、別の審査員が、
回りにいる全ての審査員に聞こえるように、独り言をつぶやいた。

「いっそのこと、アイツらの判定は適当にごまかすのも面白いわね」

要するに、故意に悪い判定をして
コギャルを徹底的に馬鹿にしてやろうというのである。

もちろん本気ではないだろうが、コギャル達に勝たせたくないという本音は
審査員全てが思っていたようで、皆がその話しに乗り、ヒソヒソと冗談で相談をしている。」

だが、樹里を止めた審査員だけは、例外であった。
つまらない冗談は止めなさいと、他の審査員達を制する。

「仮にも審査員であり、そして変態女であるあなた達が、そんないい加減ではいけないわよ」

変態女なら変態女らしく、プライドを持って
この対決の審査員を努めなくてはならない。そう彼女が諭すと、
ヒソヒソと喋っていた審査員達も、反省したのか大人しくなる。

それを見て、ニッコリと微笑む彼女。
5人の審査員の中でもひときわ背が高く、体格も良い。
そして、何より目を引くのは、その迫力のある豊かな巨乳。

その大柄な身体は、確かに他人を圧倒するものがあるが、
その顔は、穏やかでやさしい母親のような表情をしている。

そのアンバランスさのせいであろうか、
他の審査員達も、彼女の言うことについ従ってしまうが、
決して嫌な感じはしなかったのである。

 

「さあて!いよいよ対決の始まりです!
 対決方法はスカトロ女王杯と同じ、オナラ勝負とウンコ勝負の二本!

セレモニーの後、TV放送用にそれぞれの対決前のコメントを
収録した後に、いよいよ君恵とコギャル二人の対決が開始される。

司会者の言った通り、対決はオナラとウンコの二つの勝負で行われる。
2本の対決だが、最終的な引き分けは無い。
両者が一本ずつ分け合った場合、審査員の再判定によって決着をつける、
完全決着方式である。

「まずは恒例のオナラ勝負!美少年を如何に失神させるかで勝敗を競います!」

司会者のコールと共に、巨大なボードが中央に運ばれてくる。
そのボードには、二人の美少年が全裸で張りつけられている。
手枷に足枷、そして首枷をつけられ、全裸の上に大の字で公の場に晒される美少年は、
まさに変態女たちの欲情を煽る。

「さあ!今回もとびっきりの美少年が、哀れにも毒ガスの餌食となります!
 この子達は、いったい何秒間耐えられるのでしょうか!」

静まっていた観客席も、犠牲となる美少年の登場により、再び盛り上がりを見せる。
観客も変態女である以上、皆、一癖も二癖もある女が揃っている。

「本当ならアタシがあの子に屁を嗅がせてやったのに」
「どうやって失神させるんだか楽しみだわ。期待を裏切るんじゃないわよ」
「これが一番の楽しみ。アタシもあそこまで美少年を苦しめられるようになりたいわ」

スカトロ女王に敵わないのは分かってはいるが、あくまでプライドは高い女もいれば、
謙虚に女王の強さを認め、彼女のオナラで苦しむ美少年の姿を
オナニーのネタに使おうとする女まで、様々である。

彼女たちも、ただ観客として存在してるのではない。
大勢で、観客席から美少年に視線を集中させることによって、
彼女たちは美少年を苦しめるのに参加しているのである。

変態女たちの視線を全身で感じる美少年は、
より強い不安感に駆られ、絶望感を引き起こすようになる。

そんな絶望感溢れた美少年に、オナラを嗅がせ、ウンコを食わせる。
こうやって徹底的に追い込む感覚が、TVでは味わえない興奮なのであった。

 

「では!いよいよ哀れな美少年に毒ガスボンベをセットします!」

磔にされた美少年に、それぞれオナラのガスが詰められたボンベを当てる。
ボンベといっても、スポーツでよく使う、小型の酸素ボンベのようなものだ。

ボンベを当てるとき、ガスが全て美少年の鼻に侵入するように、
あらかじめ美少年の口はテープで塞ぐ。これで、もう鼻でガスを吸い込まざるを得ない。

このボンベは、ノズルが押されてから、
ガスを約3分間分射出できるだけの量が詰まっている。
片方はもちろん君恵のガス。もう片方は瑠華のガスが入っている。
コギャル軍は、オナラ勝負は瑠華。ウンコ勝負は樹里が出る作戦のようだ。

しかし、どうせならボンベにオナラを詰めて美少年に吸わせるのではなく、
直に美少年に向けてオナラをさせればいいという意見もあるだろう。
実際、昔はそうだったのである。

では、なぜオナラ勝負がこうなってしまったのか。

「…それでは、TVをご覧のみなさまに、懐かしの特別映像をお見せしましょう」

ここでまた、TV用に映像を入れるようだ。
司会者が、それ用にカメラに向かってアナウンスをしている。

この大会で未だに破られていない、
美少年を失神させた最短時間を記録しただけでなく、
なんと初めて美少年の命を奪ってしまったという、
君恵の今なお語り継がれる場面を、流すのである。

 

その4

君恵が美少年を放屁のみで、オナラのガスだけで殺してしまったのは、
後の大会のあり方をも変えてしまう一大事件であった。

彼女のオナラの臭さが凄まじかったのはもちろんであるが、
何よりも、今までは単に寝かせた美少年の顔面の上にしゃがみ込み
オナラをぶちかますだけのやり方であったのだが、
彼女はそこに、効率よく自分のオナラを嗅がせるための技法を、持ち込んだのである。

そして、何よりも衝撃的であったのは、
ただ記録にこだわるだけでなく、より煽情的に美少年を責める。
ある意味「魅せる」放屁責めを、変態女達の目の前で行った事であった。

 

〜 当時のスカトロ女王杯 〜

まだ開催して間もないうちは、特に強さの基準もなく、
自分のウンコとオナラに自信のある変態女がぞろぞろと集まって記録を競う、
どことなくスポーツ選手権のような雰囲気のある大会であった。

「はいはい。Bグループの人はとっとと向こうへ移動してくださーい!」

大勢の記録係の女性達が、それをさらに上回る参加者の変態女達を
声をからしながら先導している。

まともな女性など存在するわけがない変態女達、
ちょっと気を抜けば勝手にそこらに座って、お喋りを始めたり
交替で休んでいる美少年にちょっかいを出し始める始末。

記録係も一応は変態女であるので、多少は真面目とはいえ、
散らばったグループの変態女達を集めるのに、ウンザリしながら声を張り上げている。
すっかり腐った喋り方がそれを示しているだろう。

だが、そんな記録係の怒鳴り声を空しくかき消すように、
会場内は大勢の変態女達の声に埋め尽くされてしまっているのである。

 

「ホラ、アタシのオナラしっかり嗅ぎなさいよ。落ちたら貴方のせいだからね」

「よーっし!あの子アタシの屁で涙流して苦しんでいたわ。これで合格は決定ね」

なんとか1次審査である放屁責めをクリアしようと美少年を脅してまで
競技に挑む者もいれば、自分の記録に自信満々の者がいれば、

「ちょっと!今のは無しよぉ!…もう、何で立ったら終わりなのよぅ!
 アタシ、ウンコの方は自信があるんだから!…ねぇ、ダメ?」

「ねえ、いま休憩に行った子、アタシの好みなのよねぇ。
 どうせ1次で落ちちゃうんだから、賞金の代わりにあの子を持って帰らない?」

失敗を取り返そうと記録係に詰め寄る者に、
ハナから優勝よりも美少年を掠めるのが目当ての者と、悲喜こもごもである。

大勢の変態女達が好き勝手に喋り、騒ぐ声は、
さながら怒号のような騒音となって会場にこだましていた。

 

放屁責めの審査は先に語ったように、台に寝かせた美少年の顔の上に
変態女がまたがり、オナラを浴びせて美少年の苦しむ度合いで記録が決まる。

その度合いは、美少年の体のあちこちに取り付けられたセンサーが
美少年の脳波などを読みとり、オナラを嗅がされて苦しむ美少年の、
体の内部の乱れを測定機のモニターに表示して、それを記録するのである。

これは、美少年にも我慢強い者と弱い者がいるため、
単に苦しむ様だけでは基準が曖昧かつ不公平となるのを防ぐためである。
大暴れして苦しむ美少年を眺めて、審査の通過を確信したつもりが、
実は対して内部にダメージを与えてなかったため、落ちるという悲劇も稀にある事だ。

 

「はい、次は…紫藤君恵さん」

記録係の呼ぶ声に、順番を待つ変態女達の中から君恵が現れる。
現在とほとんど変わっていない、黒いドレスと黒い髪に、白い肌が映える。

年齢でいえば20代中盤から後半ぐらいであろうか。
女として、まだ十分若い張りある肌に、滲み出んばかりに脂の乗った身体。
熟女特有の妖しげな魅力と、若い女の色気を兼ね備えた
非の打ち所のない雰囲気は、変態女の最終系としてふさわしい女性である。

記録係の前に出た君恵が証明書を差し出し、
それの確認が済んでから、いよいよ君恵が審査台に上る。

確認の間に、ちょうど休憩が済んで交替しに来た美少年が
既に審査台の上に寝ころんでいる。
普通ならこの美少年に脅しの一つでも入れるか、
ゲラゲラと下品にからかうのが、ここに集まる変態女達の主な行動であるが、
彼女は違った。

「ウフフ…。よろしくね、ボク」

母親のような優しげな声の中に、女の色気を微かに散りばめた、
ここ以外の場所と状況で聞いたなら、おそらく声をかけられた美少年は
一発で虜になってしまいそうな表情で語りかける君恵。

滅多に優しい言葉などかけてもらえない哀れな美少年も、
相手が変態女ということは分かっていながら、
その優しい声と表情に思わず戸惑ってしまう。

だが、その裏に潜む妖しい心に、美少年は気付いていなかった。
記録係も、変態女達でさえも気付かない彼女の企みが、今始まろうとしているのであった。

 

「よいしょっ、と…」

ドレスと同じ、これまた黒い靴がたてる足音も悩ましく、
美少年の身体をまたぎ、両腕を足で挟み込むような位置に立つ。

「…あ!ちょっと待ちなさい!」

そして、いよいよ君恵が放屁をするためにしゃがもうとした瞬間、
記録係が君恵を呼び止める。ドレスのスカートの部分に問題があるというのだ。

長いドレスは、そのまましゃがめば君恵の下半身だけでなく
美少年の顔まで隠してしまう。
要するに、全てを覆ってしまうことによって、不正が行われる可能性を指摘したのである。

「まあ、心配性ね。…フフ、じゃあ隠すようにならなければいいのかしら?」

余裕の君恵がそう質問すると、記録係がうなずく。
すると、君恵はドレスをたくし上げ、まくった部分を持つと、
下半身を大勢の変態女達の前で剥き出しにしてしまったのである。

やはり中も黒ずくめのガーターストッキングと、
徹底して黒にこだわったコーディネイトと思いきや、
何故かパンティだけは白であった。

だが、これは、決して合う下着がなかったとか、
根は純情であるとかという訳ではないし、もちろん、清潔のためというわけでもない。
むしろ、その逆で、下着の汚れを目立たせるがためであった。

本来なら女性にとって恥辱の対称である下着の汚れも、
変態女にとっては美少年を責める道具となる。
今回はあまり関係がないので、多くは触れないのだが。

 

しかし、堂々と下半身を剥き出しにして恥ずかしくはないのかというと、
何せ変態女の世界であるから、別に恥ずかしくないのであるし、
見ている変態女も何とも思っていないのであった。

とはいえ、それ以前にこの大会でやってることを考えれば、
変態女達は、たとえ全裸になったとしても恥ずかしいとは思わないのであろうか。

「さ、これで良いわね。じゃあ、さっそくさせてもらうわ。
 …はあ、急に止められたから出かかったオナラが詰まっちゃいそうだわ」

わざとらしくうそぶきながらしゃがむ君恵。
とうとう美少年の顔のすぐ上に、君恵の尻が落ちてきたのである。

「さあ、ボク。今から私がたっぷりオナラを嗅がせてあげるわね」

まるで美少年にオナラをプレゼントでもするかのように呟き、
ゆっくりと美少年の顔の上に尻を落としていく君恵。

ゆっくりと、ゆっくりと目の前に尻が下りてくる光景。
もう美少年には見慣れた光景であろうか。

会場に集まったほとんどの変態女は、ただ美少年の顔めがけて
ストンとしゃがむだけという落とし方だが、君恵の尻の落とし方は違う。
その落ちる速度の遅さが、尻の威圧感を増大させるだけでなく、
無表情な尻が徐々に迫ってくることによって、美少年の不安をも増大させるのである。

ただ尻が落ちてくるだけなら、ほんの一瞬の恐怖で済む。
だが、その尻という巨大な肉の塊の落下を、ずっと見続けなくてはならないのは、
大変な心理的圧迫を伴うのであるし、
それで視界を塞がれてしまってるのだから、なおさらのことであった。

(やるわね…)

回りの変態女達は、ほとんどその行為の意味に気付いていなかったようだが、
多少は変態女としてのレベルは高い記録係の女は、それに気がつき、
思わず心の中で舌を巻いてしまっていた。

 

ようやくしゃがんだ体勢になる君恵。
落ちてくる尻の動きも止まり、美少年も自分の鼻の先端にかするぐらいの高さで
待機している尻に、いよいよ放屁が始まるのだと、心の準備を行う。

数え切れないぐらいの同じ経験をしても、緊張しなくなることはない。
先ほどの尻の落下により、すでに測定機の数値の幅が揺れ始めている。

「さあ、深呼吸を始めなさい」

君恵がしゃがんだのを見て、記録係が美少年に指示をする。
美少年が深呼吸を始めると、それに合わせて測定機のランプが点滅し、
それで変態女がタイミングを合わせて放屁を行うのである。

美少年は、なるべく鼻息を大きくたてて深呼吸するのが決まりである。
より臭いを嗅いでるのだという行為を強調するためである。

スウーーー…!!

「ん!んんんーーっ!」

さっそく美少年の深呼吸が始まったと思いきや、
それが一瞬にして止まり、美少年が苦しそうに呻く。
君恵の尻から漂う、あまりの臭気に思わず深呼吸を止めてしまったのである。

(く…臭い…!臭すぎる…!)

今までの変態女の尻の臭いとはレベルが違う、とてつもない臭さ。
この臭いは、君恵のはいているパンティから漂う臭気である。

何日も履き続けているのであろう。
君恵の蒸れた股間の汗をたっぷりと吸い、常に湿り気をおびたパンティーは、
もちろん肛門の汚れも、2度と落ちないぐらいのシミとなって残っている。

だが、単に履き続けてればいいと言うものではない。
より強烈に臭い汗を出すことが出来る、変態女としての資質に恵まれた君恵だからこそ、
臭い匂いを嗅ぎ慣れた美少年をも動転させる臭気を、
下着に込めるすことが出来るのである。

君恵の着ているドレスは、その臭いを封じ込めるためのものでもあった。
それほどの臭気を、美少年は間近で吸い込んでしまったのである。
その苦しさは、想像を絶するものであろうか。

「なに!?この揺れは…!ちょっと、どうしたの!?早く呼吸を整えなさい!」

まだ放屁を行っていないのに、すでに測定器の数値が大きくブレ始めたのを見て、
記録係が慌てて美少年に声をかける。
美少年も咳をしつつ記録係に謝ると、咳払いをしながら再び心の準備を行う。
予想外の臭さに驚いたが、まだ我慢して嗅げない臭いではない。
多少心の準備に時間はかかったものの、何とか深呼吸を始める美少年であった。

「…よし…。ちょっとブレはあるけど、まあいいわね」

記録係も落ち着いた数値を見てホッとしたのであったが、
数秒で、その数値は、また大きくブレ始め、同時に回りの変態女達がざわつき始める。

「な…何かあったの!?……!!」

慌てて記録係が振り向くと、そこではジタバタともがく美少年と、
その顔の上に、尻を完全に乗せてしまっている君恵の姿があったのである。

「ちょっと!何をしてるの!…あなた、何か勘違いしてない?」

イスから立ち上がり、半ば呆れたような怒り声で
記録係が君恵に問いかけると、君恵はやはり余裕の表情で微笑む。

尻をゆっくりと落とすだけならまだしも、
美少年の顔を塞いでしまうのは、完全に審査の域を超えているのである。
しかし、君恵は最終的にオナラをしさえすれば、
どんなに時間をかけても構わないのだと美少年の顔面に尻を押しつけるのを止めようとはしない。

(確かに…間隔をおいてオナラをするのは禁止だけど、オナラをするまでのルールは、無い…)

 

大きな音を立ててイスに座り込む記録係。
どう判断するべきか迷ってしまっている。

「ん…!んんんんっ!んんぐ!んんんーーーっ!!」

「はいはい。ちょっとの辛抱よ。
 …それより気持ちいいでしょ、私のお尻。…ほぉら、いい弾力でしょう」

顔が完全に塞がれて呼吸が出来なくなった美少年の姿に、
グイグイと尻を揺さぶりながら押しつける、君恵の姿を見ているうちに、
記録係は徐々に自分の体が熱くなってくるのを感じた。

自分もまだああいう責めを美少年にしたことはない。
大きな尻を使って美少年の顔を潰すぐらいに押しつけ、
尻の弾力の気持ちよさと、窒息しそうな苦しさを同時に味あわせる快感。

気がつけば、ルールのことを考えてるつもりが、
頭の中は君恵の姿を自分に移し替えて美少年を責めている場面を想像してしまっている。

もっと見てみたい。
この股間の熱い火照りを解消してくれそうな責めを、
この女は見せてくれるかもしれない。そんな考えが頭によぎる。

回りを見れば、他の変態女達も、ボーっとした表情で君恵を見ている。
おそらく、自分と同じように君恵の責めで興奮しているのだろうと記録係は思う。

別に文句も出そうにないし、良いだろうと記録係は判断した。
ルールの規則で決められてないことなのだから、違反ではないだろう。
自分の責任ではない。好きにやらせてみよう。

「…いいわよ。時間なんて気にしないでゆっくり責めてちょうだい…」

吐き捨てるように記録係が声を出すと、君恵は再び微笑むことで返事を行う。
だが、今度の微笑みは優しいというものではなく、
妖しい微笑み。まさしく変態女としての本性が出たいやらしい笑みであったのである。

(その5へ続く)