変態女と美少年シリーズ 正義の仮面を脱いだ変態女・春麗 巨尻虐殺 変態女に美少年が殺されるのが当たり前であるかのようなこの世界でも、変態女が皆無で美少年にとって平和な地域があれば、美少年は生まれてすぐに奴隷としての運命を定められているような、変態女が完全に支配する地域もある。 中には、全国から誘拐されてきた美少年を閉じこめ、様々な目的に酷使するための施設が堂々と建設されている、裏の変態女達の拠点とも言えるような地域もあるのだから平和な地域であっても美少年が本当に安息することはできない。 美少年を守り、変態女の世界を覆そうと志す善の女が存在しないわけではないが、変態女の暴力に対抗できるだけの力を持った善の女は少なく、ゲリラ的な活動を行うのが精一杯の現状でしかない。 そんな世界の中、比較的平和なとある地域の話。ここでは強い善の女こそ存在しないが美少年の母親達の地道な活動が盛んであり、変態女の存在や美少年の被害はほとんど見られなかった。 しかし、安全な地域でのびのびと暮らす美少年だからこそ変態女達への免疫が薄く、いざ変態女が現れれば何の抵抗もできずに、簡単な責め、例えば変態女にオナラを嗅がされる以前に肛門を鼻に押し当てられた時点で、肛門の臭いによるショックで命を失ってしまうのではないか。 裏の変態女達が活動を全国に広げているという噂も囁かれる中、母親達の不安は増すばかりだった。そこで、美少年達自身にも変態女への抵抗力を身につけさせようという考えが起こり、その一環として、まず自分の身を自分でも守れるよう美少年達に護身術を習わせる運動が始まった。 護身術とはいっても、実際にそれを教えてくれる場所があるわけではないので、まずはそれを教えてくれる人間を捜さなくてはならない。とりあえず空手や拳法などの指導ができる人物をと母親達は地元の警察に協力をお願いしたところ、警察は春麗という女格闘家を紹介してくれたのだった。 ゲームの世界で正義の女格闘家として活躍した春麗という女は、今はクンフーの師範をしているが、かつては刑事として様々な事件を捜査していたこともある。特に悪に対する憎しみは激しく、巨大な犯罪組織にも敢然と立ち向かう恐れ知らずな一面もあった。 その縁もあって、警察もこういう取り組みには適任だと春麗を紹介したのであろう。春麗も地方の小さな運動であるにも関わらずこれを快諾し、強い心を作る精神修行も含めて母親達の願いを聞き入れるべくクンフー教室を始めるのであった。 道場というものが地域に存在しないため学校の体育館を借りてではあるが、週三回のスケジュールで美少年を集めて春麗が自らクンフーを教えることになる。まだ始まったばかりでありながら100人近くもの美少年が集まったのは、母親達がいかに美少年を心配しているかの証明であろう。 春麗はいわゆる気功をも使いこなせる達人で、体育館に集まったもののまだクンフーを習うことに半信半疑の美少年を前に、瓦割りや手から放った「目に見える」気功で遠くの物体を破壊するデモンストレーションを行い、皆を驚かせた。 「あなた達もクンフーを積めば、こういう事が出来るようになる子もいるかもしれないわ。でも、それは単なる力だけではなく、正義のために使う正しい心が必要なのよ。自分の身を守り、友達も助けられる強い心。それも含めて私があなた達に教えてあげるわ」 美少年達に気功を見せたのは良い効果となった。単に筋肉を付けて重たい物を持ち上げたりするような力の見せ方は美少年には「そんなのとても無理」と諦めを感じさせてしまうが、気功を放つというのは一見すると筋肉とは無縁でアニメ的でもあり、純粋に格好良く、美少年達に「自分も気功を出してみたい」憧れさせるには充分だった。 春麗自身も、下半身の逞しさは素晴らしい物があるが、上半身は意外とスマートであり、美少年達に過酷な筋トレという印象を与えなかったのだろう。もちろん女であることが一番の好印象なのであろうが。 春麗はクンフーの達人であっても、それを美少年にそのまま身につけさせるわけではなく、空手の突きや蹴りといった基本的な技を繰り返す事に留まり、それよりも座禅や瞑想、礼といった精神的な修行に時間を割いた。基本技の反復も、本当は掛け声を繰り返すことで大きな声を出せるようにするのが目的であるようだ。 掛け声を繰り返しているだけでも美少年は気持ちが高ぶって真剣になり、型や礼を身につけることで甘えていた心が引き締まっていく。そこから徐々に体を鍛える練習を増やしていくことで美少年達に疲れや苦しさを自然と乗り越えさせていくのだ。 春麗の指導は全体的に評判で、出来の悪い美少年に厳しく当たることもなく、脱落者も出なかった。そして数ヶ月が経ったとき、春麗は母親達に合宿の企画を申し出る。遠くの施設に泊まりながら練習を行い、母親の元から離れた環境で過ごすことによって、本当の意味で精神力が鍛えられるという春麗の理論に、子離れのできない母親達は心配しながらも春麗を信じてそれを了解することになった。 春麗の選んだ場所は、山と緑に囲まれた場所に建つレクレーション用施設、いわゆる『少年自然の家』のような場所だ。野外の施設には乏しいが、100人の美少年が寝泊まりできる部屋数や、功夫練習を行える体育館はしっかり整えられており、周りは山だらけで店も何もない環境は春麗の望み通りだった。 ここで美少年は一週間の合宿を行い、ただ功夫の練習を積むだけではなく、町ではなかなかできない野外での練習によって、大自然の力を自分に取り組むという気功の極意をも教わることになる。 「あなた達美少年は普通の少年よりも感受性が高い。そのあなた達が自然の中で功夫を積むことは、それだけで気を自分の中に取り込んでいることになるのよ。そして、大自然の力を美少年がもっとも効果的に取り込むためには、フルチンになるのが一番ね」 施設は貸し切りという状況で、この施設を利用する人以外はこの周辺に立ち寄ることがないという環境もあってか、春麗は積極的に野外での練習をフルチン姿で取り組むことを美少年に課した。運動神経の無い美少年にも優しい春麗であったが、フルチン姿になるのを躊躇することに対してだけは厳しかった。 「フルチンが恥ずかしいのは当然のこと。その恥ずかしさを忘れるということが集中力を高めるということなのよ!さあ、早く道着を脱ぎなさい!そして大自然の中に自分を溶け込ませてしまうのよ!フルチンになったあなた達はただの美少年ではない、大自然の一部としてその力、気を得るの!」 フルチンになることをおふざけだと思っていた美少年達も、春麗の真剣な語りを聞いてそれが本当に功夫に役立つことなのだと理解し、勇気を出してフルチン姿での練習に取り組んでいった。それでも、外に出るとフルチンになって、施設に戻ると服を着るというのは不思議な気分だったようだが。 功夫の練習以外にも、美少年達は自分で施設や周辺の清掃を行い、食事を作る事で色々な経験を積んで少しずつ逞しくなっているようだ。ホームシックが無いわけではないが、学校の修学旅行等とは違い、皆が心の優しい美少年の集まりということで、同じ部屋の美少年達はしっかり支え合うことができた。元から友達だった美少年同士では、一緒の布団で寝る事もあったぐらいだ。 そして、合宿最終日の夜。翌朝には母親達が施設に迎えに来て再開を果たせる喜びと、新鮮な体験と練習が終わってみれば全て楽しい思い出でもう合宿が終わってしまうことを惜しむ複雑な気持ちでそれぞれ布団に入った美少年達。 もう0時を過ぎた頃だろうか、ある部屋では一人の美少年がまだ眠らずに小さなライトを使って何か文章を書いていた。それは明日の解散の前に、合宿まで企画して自分達の面倒を見てくれた春麗への感謝の気持ちを手紙にして読み上げるための内容だった。 『春麗先生へ。春麗先生は、僕達のためにいつも功夫を教えてくれて、有り難うございます。練習は難しくて、大変だけど、僕達は頑張ってもっともっと強くなっていきたいです。……春麗先生、これからも僕達は頑張りますので、もっとたくさん功夫を教えてください』 子供のような微笑ましい文章だが、自分達で考えて感謝の気持ちを述べることに意味がある。始めと終わりは決まったのだが、後はその間に合宿の思い出などを書いていくのを思案しているようだ。 先生は喜んでくれるかな。と期待しながらも、あんまり格好悪い文章は書きたくないと書いては消すの繰り返しだが、まだ読み上げる練習をしなくてはいけないのだ。付き合って起きている美少年達もあれこれ言うものだから、かえって進まない。 そんな時、突然部屋のドアを強くノックされると、こちらからの返事を確認することもなくドアが開けられ、それが春麗だったことで美少年達は驚いた。今まで修学旅行の教師のような夜の見回りは行っていなかったのに、突然春麗が現れたというのもあるが、この感謝の手紙を事前に知られては台無しだと美少年は必死で手紙を隠そうとする。 「あら、まだ起きていたのね。手間が省けるわ。これから合宿最後の功夫を行うわよ!今すぐ全員フルチンになって体育館に集合しなさい!分かったわね!」 深夜だというのにまさか功夫の練習があるとは。起きていた美少年はともかく、すっかり眠っていた美少年達は春麗の大声でかろうじて目を覚ますのが精一杯だった。 何をやらされるかは分からないが、とりあえず先生の言うことは聞かなければいけない。春麗が大声を上げながら各部屋を回ると、美少年達はたちまち混乱しながらの大騒ぎとなった。目を覚ました美少年は寝ている美少年を起こし、急いで寝巻きを脱いでフルチンになりだす。 フルチンで集合と言われているが、体育館に行くのにスリッパは履いていって良いのかといったつまらない事で悩み出す美少年が出たり、慌てて廊下を走って転ぶ美少年がいたりと、ちょっとしたパニック状態であったが、とにかく体育館に向かうことだけは出来た。 体育館で待つ春麗の元に駆けつけてきた美少年達は、順番に縦横の列をなして整列する。体育館に入ってくる美少年の気配が一段落したところで全員揃ったと判断した春麗は、体育館の入り口を閉め、もともとあるドアの錠とは別にさらに頑丈な錠を取り付け、鍵を持つ春麗以外には入り口を開けられないようにした。 鍵を閉めて美少年達の前に戻ると、フルチン姿の美少年達は皆眠たそうな不安そうな顔で春麗を見つめている。いつものジャージ姿とは違う、チャイナドレスをイメージさせる華麗な服装であることも気になったが、どうして春麗がその服装なのかこの状況では聞くことは出来なかった。 春麗はとりあえず美少年に正座をさせると全員を見回し、それから穏やかに口を開く。 「あなた達は今までよく頑張ってきたわね。私が初めて来たときと比べると、ずっと功夫を積んで逞しくなってきたと思うわ。この合宿も母親がいない環境の中で脱落者を出さずに済んだのも、あなた達が寂しさや辛さに耐えぬき、成長したからこそじゃないかしら」 翌朝に春麗を不意に喜ばせるためにお礼の言葉を用意していた美少年達は、合宿の総括ともいえる褒め言葉を春麗から聞かされて、先に自分達が不意に感動させられてしまったと早くも涙ぐむ美少年までいた。 「もうあなた達はただの美少年とは違うわ。一人でも勇気を持って行動し、何事も頑張れる強い美少年になっているのよ」 自分達が信じる春麗の元で練習や合宿を頑張ってきたことに自負心を感じるようになっていた美少年達は、春麗の言葉に喜び、その一方でこれが春麗とのお別れになってしまうのではないかという予感と雰囲気に感極まりつつあった。 春麗との別れを予感させるというのは、別の意味で美少年の思い過ごしではないのだが…。 「ただ、これだけは忘れないでちょうだい。あなた達がどんなに強くなったとしても、美少年は変態女に敵うわけがないのだということを」 変態女という単語と、意外な流れに変わった春麗の言葉に、美少年は耳を疑った。それではまるで功夫の練習が無駄だということなのではないだろうか。涙ぐんでいた美少年でさえキョトンとして春麗に注目する視線の中、春麗は改めて美少年達を見回すと今までの春麗とはまるで違う、凶悪でいやらしい笑みを浮かべた。 「…これが私からの最後の練習、いや、実践よ。あなた達美少年は変態女に殺されるために生まれた存在だということを身をもって知りなさい!」 その言葉がどういう意味なのかを理解できずに、ただ呆然と固まっている美少年達の中の、春麗の一番近くに正座していた美少年が頭を掴まれ、放り投げられるように床に寝転がされた。 仰向けにさせられた美少年が驚く間も無く、美少年を跨いだ春麗は美少年の顔めがけて無造作に腰を落として巨尻を顔面に叩きつけ、押し潰す。あまりにも無造作に、それが美少年の顔ではなく、ただのクッションであるかのような一切の情も感じさせない巨尻の落とし様だった。 美少年の顔の鼻から下は全て巨尻で塞がれ、さらに視界も全て春麗の巨尻と背中で覆われるという、肉体と精神の二重の圧迫。目の前が真っ暗闇になるよりも、何が自分を圧迫しているかが分かるだけに、余計に恐怖が美少年を支配する。 圧迫感と巨尻の重み、初めはその苦しみだけだったのだが、すぐに美少年は窒息という春麗の顔面騎乗による責めの本当の苦しに気付くことになる。呼吸が出来ないという恐怖は、どんな苦痛よりもはるかな恐怖となって美少年を震え上がらせる。春麗の肛門の凄まじい臭いすら感じないほどに。 春麗の身につけている衣装は、チャイナドレス風のコスチュームの下に、レオタード、パンストを着用しているのだが、そのまま顔面騎乗を行っても肛門が隠れていることが春麗には気に入らなくて、かといってそれらを責める前に脱ぐのは非情に手間が掛かる。 春麗のこのコスチュームは、春麗の象徴でもあり、魂でもある。このコスチュームを身に纏うことによって女王としての心を強化し、美少年に対する容赦無さと自身のオナラやウンコに対するプライドも発揮されるのだから、それを脱ぐことは以ての外なのだ。 だから春麗は衣装の尻の割れ目にあたる部分に切り込みを入れることによって、しゃがんだ時に肛門が露出されるようにしていた。これなら外観を崩すことなく美少年の鼻に直接肛門を密着させることが出来るという、効果的な顔面騎乗を行えるのだ。 巨尻の割れ目が美少年の顔を包み込み、皺だらけの肛門がゆっくりとその皺を伸ばし広げて美少年の鼻を包み込む。完璧に呼吸を封じられた美少年は、ただ苦しいというだけではなく、やがてそこに自分の手で一度もウンコの後の処理をしたことがないという春麗の肛門の臭いという悲鳴が加わっていく。 (息が出来ない!何この匂い!臭い!息が出来ない!臭い!) 早く酸素を吸い込みたいという欲求か、肛門の臭いから逃れたいという欲求か。頭は一寸たりとも身動きが取れない状況の中、美少年はひたすら春麗の巨尻を手の平で叩くことによって限界を訴えるのだが、美少年を殺そうとする春麗がまさか巨尻を退けるなどということはしない。 「お前達美少年が変態女に殺されずに命を長らえたかったら、取れる手段は一つしかない…」 春麗はそう言うと自分の巨尻に微かな力を込めた。力んでも顔色一つ変えず、鍛えられた逞しい下半身と巨尻はピクリとも動かないので、周りの誰が見ても今春麗が力んだことに気が付かないであろう。しかし春麗の肛門だけは大きな変化を見せていた。 美少年の鼻を包むようにくわえ込み、鼻孔を封じていた春麗の肛門の皺がピクリと蠢く。鼻を締め付ける入り口の肛門はそのままに、肛門の奥の直腸がゆっくりと開いて春麗の巨尻の中に空間を作っていく。 完全に塞がれていた美少年の鼻孔の前に突然現れた空間。早く開きたくてたまらなかった鼻孔は締め付けが弛んだことで迷わず広がり、そこにある空気を吸い込もうとするが、すぐに呼吸は止まった。そこが異常だということに体が拒否反応を示したためだ。 美少年の鼻は、言うまでもなく春麗の肛門に食われている。その状態で春麗の直腸が開けた空間の空気を吸い込もうものなら、それは酸素ではなく、肛門の臭いをさらに湿っぽく、生ぬるくした直腸の臭いを吸い込むことになってしまうのだ。 酸素ではない空気、直腸の臭いという未体験のものを嗅いでしまい、呼吸がしたいのに自ら呼吸を止めるという反応を体が示した美少年は、パニック状態であるにも関わらず一瞬思考が停止するという混乱を見せる。そして、その一瞬が過ぎた瞬間、美少年の鼻孔を猛烈な勢いの毒ガスが襲うのであった。 ブゥゥゥゥゥシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!! 春麗の直腸が自ら開くということは、春麗のオナラという毒ガスが爆発するということであり、爆発した毒ガスが直腸を抜け、肛門から飛び出すための通路を作ったということである。 直腸をトンネルと例えるならば肛門は出口で、本当なら毒ガスは出口の肛門から拡散する固まりとして飛び出していくのだが、今は春麗の肛門は美少年の鼻と連結されているような状態だ。つまり、毒ガスは肛門から外に放出されるのではなく、美少年の鼻孔からそのまま直通で体内に流れ込んでしまうのだ。 シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!! 「…それは、私のオナラを酸素として呼吸をすることよ」 放屁というにはあまりにも長い時間、美少年の体内に毒ガスを送り込み続けた春麗は、そう言うとゆっくり巨尻を上げて立ち上がり、美少年の元から二、三歩離れた。毒ガスを注入され、あっという間に脳神経をズタズタにされた美少年の顔は、既に白目を剥いた状態になっていた。 「最強の変態女、変態女の女王であるこの私のオナラで呼吸が出来るのならば、他の変態女のオナラなんてどうってことないわね」 春麗の巨尻の重圧は無くなった。鼻孔も完全に開放された。それなのに美少年はピクリとも動かず、呼吸をしているような気配すらない。両手に至ってはまだ巨尻を退けようと必死で踏ん張っていた時の位置のままだ。完全に身動き一つ無い美少年がいったいどうなったのか、他の美少年達の心配そうに見守る。 その時、ピクリと美少年の体が反応し、すぐに今度は激しく動き出した。本来なら喜ぶべき事なのだが、その姿を見て他の美少年達は目を疑った。美少年の体は、まるで死にかけのネズミのように異常な痙攣を繰り返すだけだったからだ。 ピクピクと小刻みに震える美少年の両手は、まるで春麗の巨尻がまだそこにあるかのように必死に抵抗している姿にも見え、微かに持ち上がっては落ちる美少年の脚は、まるで迫り来る春麗の巨尻の恐怖から逃げ出そうと駆けているかのようにも見える。 その姿には、半ば死にかけの状態になってもまだ逃げ出そうとするぐらいにこびり付いた春麗の巨尻の恐怖と、最期まで苦しみ続けなくてはならない美少年の哀れさと切なさの二つの真実がこもっていた。 「…もっとも、やろうと思えば出来るなんてものではないわ。吸い込んだら死ぬ、それが私のオナラよ」 痙攣する美少年の姿を見ているうちに、他の美少年達が無意識に感じつつあったある言葉。分かってはいても意識したくないのに、春麗によって明確にされてしまった「死」という現実を突き付けられた美少年達の顔が不安で曇る。 激しく痙攣を繰り返していた美少年の体も、他の美少年達の不安を察知したかのように痙攣が治まりつつある。いや、治まるのではなく止まると言うべきだろうか。一瞬激しく痙攣をしたと思ったら、まるで電池が切れたオモチャのようにゆっくりと痙攣が治まり、そのまま腕と足を横たえていく。 腕はダラリと垂れ下がり、足ももはや持ち上がることはない。横たわったままかろうじて脈打っている心臓に合わせてピクンと動くのが精一杯の美少年の体は、すぐにそれすらも保つことが出来ずに、短すぎる一生を終えようとしていた。 もしかしたら苦しみが過ぎ去ったのかもしれない。死をまだ目前に迫った現実として受け止められない美少年達は、痙攣が治まったことをそう都合良く解釈しようとするのだが、現実は美少年達にさらに惨い死の証拠を突き付ける。 ピクリとも動かなくなった美少年の体の一部に、とてつもない大きな変化が現れた。美少年の小さなペニスが突然勃起を始めたのだ。凄まじい勢いで勃起していった美少年のペニスは、天を突き刺すかのように一気に勃ち上がったまま垂直の状態で完全に硬直し、ユラユラと自然に揺れ動いていた。 いったい何が起こったのかと、性としての勃起の仕組みすらまだほとんど把握していない美少年達は動揺しながらも目が勃起したペニスに釘付けになっているが、春麗はこの場合における勃起の真実を美少年達に教え、いよいよ死という現実の最後通告を突き付けた。 「知らない?これが『最期の大勃起』よ。あなた達美少年が変態女に殺されたとき、その証として絶対に治まることのない大勃起をするようになっているのよ。分かる?…つまりこの子はもう死んだって事なのよ」 最期の大勃起を春麗に冷たく告げられても、まだ美少年は反応できない。分からないのだ。平和な町で暮らしていた美少年には、変態女に殺された友達の死を目撃してしまった時も、自分を殺そうとする変態女が目前に迫っている時も、どう反応すればよいのかが分からないのだ。 ただ周りをキョロキョロしながら他の美少年の反応を窺っているだけの美少年もいれば、春麗が危険だということを徐々に感じつつあり、皆に危険を呼びかけようとする美少年もいる。しかし、集団になっている事が美少年に災いして、その中で一番最初に行動を起こすことが誰にも出来なくなっているのだ。 どうすることも出来ず、ただざわめきだけが大きくなっている美少年達の集団にゆっくりと歩み寄り、迷うことなく一番近くにいた美少年を次の獲物を選択した春麗がいやらしい笑みを浮かべると、獲物となる美少年がその殺意の視線にハッと気が付いて春麗を見上げるのだった。 「…さあ、次はお前よ」 それから何時間が経過しただろうか。静まりかえった体育館のドアが開き、春麗が姿を現す。後ろを振り返って体育館内を見回した春麗は満足げな微笑みを浮かべると、そのまま施設を後にして夜の暗闇の中に消え去っていったのだが、体育館の中には美少年達が取り残されたままであった。 そのまま夜が明け、昼前の時刻に美少年達の母親が全員で美少年と春麗を迎えにやってくるのだが、貸し切りの施設内がガランとしているのはともかく、あまりにも人気がなさ過ぎることにおかしく思った母親達は施設の中を見回ってみると、入り口が開けっ放しの体育館に入ったところであまりにも惨すぎる光景を目にしてしまうのだった。 息子である美少年達が体育館の中でフルチンのまま死んでいる。体育館の中のあちこちに無造作に散らばっている美少年達の死体。全員が白目を剥き、生気のカケラもない冷たい体で横たわっている美少年の死体。そして、その美少年の死体は全員が最期の大勃起を迎えているのだ。 泣くよりもまず、自分の息子を捜すよりもまず、母親達はただ悲鳴を上げ、絶叫し、腰を抜かす。全身の震えが止まらない状況で、それでも母親達はお互いを支え合い、励まし合いながら美少年達を一人一人まだ生きている美少年がいないか確認をしていく。 「ねえ!大地!起きて!どうしたの!起きて!」 「まー君!どこにいるのー!いたら返事をしてー!まーくーん!」 美少年は皆死んでるというのに、美少年は皆最期の大勃起を迎えているというのに、母親達はこれが間違いであると信じ、まだ生きているかもしれないという奇跡を信じて必死に美少年達の頬を張り、心臓マッサージを繰り返す。 触れば触るほど、その冷え切った美少年の肌の冷たさだけを手の平に感じながらも、美少年の命を信じようと必死に戦う母親達の姿はあまりにも尊く、あまりにも無駄なあがきであった。 「神様お願いします!どうかこの子の命を救ってあげてください!私はどうなってもいいですから!この子の命だけは助けてあげてください!」 生き返らせるのではなく、救う。賢明な心臓マッサージを繰り返しながらひたすら息子の無事を信じようとする母親がいれば、圧倒的な現実を堪えきれずに力尽きる母親もいる。 「起きて!起きてったら!起きて!………あぁぁ…いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!勇気ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」 たった一日で100人もの美少年が死亡した。この町の美少年はほぼ全滅といっても良いだろう。ただ一人、集合の時にお腹を下してトイレに駆け込んだことで遅れ、体育館から閉め出された形になっていた美少年ただ一人を除いては。 (2話へ続く) |